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第三の能力

遅くなりましたm(__)m

『ショーマ……あぁ! やってやろうぜ!!』


 グラムとの会話の間に再度突っ込んできたティルフィングの攻撃を弾き、押し返し距離を取るとグラムに魔気を送り出す。


 魔気をグラムに送ると、今までと同じように自分の体内からグラムに吸われていくような感覚になる。

 そして、俺は送る魔気の量を増やしながら、グラムと意識を同調させていく。


 すると、全身の中の血液が全身をめぐるような感覚が、俺の中から外へと向かいグラムと循環してるような感じになり、どんどんと魔気を吸われていく。


「くっ……」


 身体から物凄い勢いで魔気を吸収され、身体から力が抜けて行くような感覚に襲われる。


 これは今までの比じゃないな……。

 例えるならマラソンを走り終わった後に、全力で百メートル走ったような感じだろうか?

 今にも座り込みたいような感じだ。


『……グラムまだか?』


『魔気充填率80パーセント……シンクロ率78パーセント……まだもう少しだ!』


 くっ、これでもまだなのか……くそ、でも根を上げてられない、なんたって俺は史上最強の魔王なんだからな!


「うぉぉぉおおおおお!!!!」


 俺は気合を入れ一気に魔気を送る。


『おぉ!! イイ感じだ!! すげぇぞショーマ! ……魔気充填率100パーセント……シンクロ率100パーセント……よし、いけるぜ!!』


 グラムがそう言うと、以前のように魔気の巡るスピードが速くなり一気に魔気がグラムへと流れ、そして落ち着いた。


「これは……」


 それと同時に耐えがたいほどの倦怠感をいだいていた身体が一気に軽くなった。

 まるで、高級な栄養ドリンク……いや、それどころじゃない。

 身体の中からドンドン力が溢れてくる。

 今ならなんだって出来そうだ。


 そして、俺の手には一本の剣、見た目こそほぼ変わらないが、刀身が少し細く放ったものの、黒さがより濃くなり、漆黒とでも呼べるような色になり、その刀身を黒いオーラが覆うグラムがあった。


『ははは! 言ってはみたもののまさか俺がこの姿になれるとはな!』


 そう言って脳内でグラムが声を上げる。


 ん?

 どういう事だ?


『おい、それってどういう事だ? おまえこれやった事ないのか?』


『あぁ! 俺を作ったフィクスも第二段階までだったしな! 第三段階になる前に意識失ったからな!』


おいおい、それって……。


『おいグラム! 本当に大丈夫なんだろうな!?』


『ん? あぁ! 大丈夫だ! この姿になった事はねぇが、俺の事は俺が一番良く知ってるからな!』


 それって一番あてにならないやつじゃないか……って今さら言ったってどうしようもない、やるしかないな。


『さぁ制限時間があるんだ! グダグダ言ってねぇで行くぞ!』


『……そうだな』


 あれこれ言っても無駄だと思った俺は、カレンの身体を乗っ取ったティルフィングを見据える。


 ティルフィングは俺とグラムが何かしたのを警戒してか、険しい顔でこちらを見ている。


「その剣のオーラ……何かしたか」


 そして、目が合ったティルフィングは口を開く。

 どうやら、同じ魔剣とは言え、グラムの事は知らないのだろう。



「まぁな、ちょっと本気で相手してやろうって事だよ」


「……こしゃくな。その威勢いつまで続くかな!!」



 俺の挑発にティルフィングは地面を蹴ってこちらに向かって来る。

 変形したグラムを警戒してはいたけど、見た目的には大きく変化はないし、オーラを纏っているくらだから大丈夫だと思ったのかもしれない。


 ティルフィングは俺に肉薄するとラグナロクを振るう。

 さっきまでも躱せていたけど、今は身体も軽い。

 今までより余裕を持って躱す。


「くっ、生意気な!!」


 俺が躱し続けると、ティルフィングは剣が当たらない事に苛立ち、攻撃の手を早める。

 しかし、俺はグラムのおかげで身体能力も上がっているので、それを躱し続ける。


 すると、ティルフィングは攻撃しながらも警戒し、使用してこなかった自らの本体であるティルフィングも使い、二刀流で攻撃してきた。


 それを見て俺はさっきまでグラムと話していた事を思い出す。


『ショーマいいか? 俺の第三の能力は絶黒剣だ。あらゆる物質や法則を無視し破壊する。その能力はエクスカリバーや他の剣とは違う。俺は神を殺すために作られた剣だ。神だのなんだのそんなんお何の制限もなく対象を破壊する……それが俺の第三形態の能力だ。だから、あのティルフィングだろうが一撃で破壊できる。だから、奴の攻撃を避けて冷静さを失って、ティルフィングを使って来た時に一撃で決めろ! 警戒されてちゃ厄介だしな!』


 そして、俺はグラムと立てた作戦で、しばらくの間、剣で受けることなくすべて躱してきた。

 すると、奴はそれにしびれを切らし自らの本体であるティルフィングを振るってきた。


 ここがチャンス!!


「うぉぉぉおおおおお!!!!」


 俺はティルフィング目がけてグラムを振るった。


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