最強コンビ
連続更新!
昨日レビュー頂いたので頑張って執筆しました!
「うぉぉぉおおおおお!!」
「こしゃくな!!」
俺とティルフィングは剣を交える。
Sランク冒険者のカレンをベースに魔気で能力を上げているからか、奴の動きは速く、その対応には俺も魔気を高めないと、対応できないほどだ。
もちろん、俺が本気を出せば上回る事は出来るだろう。
でも、俺はそれをしないでいる。
なぜかと言うと、ティルフィングの乗っ取ったカレンの身体を傷つけずにカレンの意識を取り戻す為にグラムと一緒に考えていたからだ。
最初は、ティルフィングを破壊すれば良いかと思ったけど、グラム曰く、もし、ティルフィングがカレンの身体を乗っ取った方法が言っていた方法と違う場合、魔力の流れがどうなっているか分からない以上、急に破壊すると何かしらの障害があるかもしれないという事で、剣を交えてそこから流れる魔力をグラムが解析してどうなっているかを見るという事になり、こうやって倒さずに剣を交えている。
『グラムどうだ?』
『あぁ、魔力を遡ってみる限り、ティルフィングの魔力はやはり剣から来ているっぽいな。おそらく、カレンの身体を乗っ取った方法は俺が言ったのと同じだろうな』
『って事は?』
『あぁ、ティルフィング本体を破壊すれば大丈夫だろう。それにさっきから本体である自分の剣は使ってねぇしな。壊されちゃまずいって事だろ』
そう、この戦いが始まってから一度もティルフィングは本体である自分の剣は使っていない。
という事は破壊されれば良くないって事なんだろう。
それに、使ってこないところを見ると、魔剣と言っている割には斬り味とかグラムやラグナロクに及ばないのかもしれない。
ならばもう遠慮する事はない、一気に決着をつける!!
「これで終わりだぁぁぁあああああ!!」
ラグナロクを弾くと、一気に懐に入り左手に持つ剣へとグラムを振るう。
俺の振るったグラムはそのまま左手に持つティルフィングを捉えた。
「っ!?」
しかし、次の瞬間、予想していたのとは違い、ティルフィングは破壊される事なく、俺のグラムを受け、そして流す。
「ふっ、かかったな!!」
視線を移すと右手に持つラグナロクが俺に向かって振られていた。
くそ! まさか罠だったとは!
ティルフィングもグラムと同じ強度を持っていたなんて!!
俺はなんとか直撃を躱そうと、身体を無理矢理捻る。
「くっ……」
「ほう、今のも避けるか」
なんとか直撃は免れたものの、俺は左腕を裂かれ、そこから出血し、周囲には赤い血が飛び散っている。
くそ、魔王である俺の身体を傷つけるとは……あの魔剣ティルフィングってのは本物だ。
それにしても、あいつ、ティルフィングが脆いと思わせて罠を張りやがったな。
まんまと嵌められた訳か。
でも、血が赤くて良かった……って今はそんな事考えてる場合じゃないな。
どうする……?
「くっ、そう考える時間はくれないか!」
奴はここぞとばからりに、俺に追い打ちをかけるように二刀流で斬りかかってくる。
俺はそれを躱し、時にはグラムで何とか捌きながら対応する。
さっきまでと違い、自分自身が宿っているティルフィングを庇ったりはしていない。
その様子から考えると、ティルフィングの強度は他の魔剣に劣らないって事だろう。
「なかなかやるようだ! でも、どこまでもつかな!?」
そう言ってティルフィングは俺に畳み掛けるように剣を振るって来る。
俺はそれをなんとか捌いてはいるものの、このままでは後手だ。
でも、このままカレンを見捨てる事はできない。
どうする? グラムの能力を解放して二刀流で対抗するか?
でも、左腕にダメージを受けているし、二刀流にしても左腕は満足に対応できない可能性もある。
それでは意味がないし……魔法も闇特化のティルフィング相手では相性が悪いし……。
『ショーマ』
『なんだ?』
ティルフィングの剣を弾き、距離を取ったところでグラムが話しかけてきた。
『……俺の第三段階の能力を解放するか?』
少しの沈黙の後、グラムは第三の能力を開放するかと聞いてきた。
第三の能力か……第二の能力である二刀流でかなり消耗したし、第三の能力となるとどれくらい消耗するか分からない。
でも、ティルフィングを破壊するにはこのままでは埒が空かないし、リスクを負ってでも何かしら手を打たないといけない。
『そうだな、やるか』
『そうか……でも、ショーマこれは一つ危険がある』
『危険?』
『あぁ、シンクロ率を百パーセントにすると、俺の能力だけじゃなくてショーマの能力も上がる。でも、その代償として、五分経てば強制的に意識を失ってしまう』
俺とグラムの能力が飛躍的に上がる代わりにタイムリミットがある……そういう事か。
まぁ今までも能力を解放した後は動くのがしんどいくらいだったし、ある程度は動けなくなるとは思ったけど、まさか強制的に意識を失うとは……それでも……。
『面白いじゃないか! やってやろうぜグラム!』
『いいのか? 五分経てば意識を失うんだぞ?』
『五分? 五分あれば充分だろグラム? 五分の間にティルフィングを破壊してカレンをアースのところへ連れて行けば何の問題もない! 俺とおまえなら出来るはずだ! なんたって史上最強の魔王と最強の魔剣の最強コンビなんだからな!』
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