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お風呂

あけましておめでとうございます!!今年最初の更新となります!

まだまだこれからですが今年もよろしくお願いします!


 通された客間は一泊で数十万円はいきそうなレベルのスイートホテルのような一室だった。

 応接間でも見たことのない豪華さではあったが、流石は王城といったところだろうか?貴族や他国の政治関係者を泊めるための場所だから当たり前なのかもしれない。


 そして客間に備え付けられたこれまたいくらするのかわからないくらいにふかふかで華美な布団に寝転び、深くため息をつく。


(はぁ~、いやそれにしても疲れたな~。流石に国相手に喧嘩は売れないからな。)


 彼女の職業は強力な単体系の技が多いためソロでも動きやすいが、その犠牲として1対多に対して効果を発揮できる技が少ないので、この場合相手が悪いのだ。しかしその分タイマン、パーティー戦なら負け知らずの性能を持つ。



(…あれ、そういえばこっちでも転職はできるのか?)


 アディ時代はそれぞれのスキルトレーナーに行けば転職をすることが可能であった。しかし彼女がゴナイの街を観光した時はそれらしき施設は確認できなかったのだ。

 転職をすると現在のlvは全てリセットされる代わりにリセット時のレベルの四分の一がボーナススキルポイントとして与えられるようになる。


例えば、彼女の愛用している聖騎士(パラディン)はカンスト済みの250lvだが、魔導士(メイジ)になった際は62のボーナスが貰える事になる。

なお、小数点は切り捨てられてしまうので転職時は小数点が出ないレベルでするのが常識となっている。



(うーむ、その辺の記述はギルドの資料室にもなかったし…。この辺のもやっぱり大昔の技術ってやつかな。


それになにより魔導士系統用の装備品は倉庫にしまってあったからもう取り出せないし、武器、防具なんかについてる特殊効果エンチャントによる大幅なクールタイム短縮ができない大賢者(ワイズマン)なんて案山子同然なんだよな。しかも今のワンピ服は最初は戦闘用の服じゃなくてファッション的な要素として楽しむ為の全職防具として実装されたけれど、その見た目に一目惚れして膨大な金と素材をつぎ込んで無理矢理1線級に仕立てたオーダーメイドだからなぁ。)


(その分装備可能なクラスは戦士系職のみになっちまったわけだが…いやぁ、知り合いの生産職の人からは「こんなもんに金と素材を注ぎ込むなんてお前のキャラ愛の高さには頭があがらんわ」なんて言われた時は嬉しかったもんだぜ…)


 果たしてそれは本当に褒めているのだろうか…


(まぁ、流石にレイドボスを相手にするには性能不足を感じるから、本気用の防具も勿論あるわけだが…あれも見た目は最高なんだが、やっぱりイーリスには白ワンピだろ!)


 そんな事を考えているとドアからノック音が聞こえてくる。


「イーリス様、お食事の用意ができました。ご用意が終わるまでお待ちしています。」

「わかりました、準備は終わってるのですぐ行きますね。」


 ルースに案内された場所へと行くとまるでハリーポッターのような長机に料理が並べられており、そこには同じく皇帝皇女とソフィやその他訓練場にいた人物達も座っているようだ。


「おお、来たな。さぁソフィの対面へと座るとよい。」


 促されるがままに席に着き向き合うとソフィと目が合うのでそれとなく微笑んでみる。すると何故か視線を逸らされてしまった。しかもよくよく見ると若干頬が赤くなっているようだ。


(んん?どうしたんだろ?やっぱ具合が悪いのか?)


 しかし見た感じそんなに調子が悪いわけではないようなのでますますわからなくなって考えていると、皇帝が立ち上がり今回の食事会の音頭をとる


「それでは我が娘ソフィを救ってくれたイーリスに感謝を。そして食物を与えてくださるアズラ神様に感謝を。」


 一斉に両手を握って胸に手を当てる中、一人イーリスは手と手を合わして「いただきます」をするとどうしても目立ってしまう。

案の定皇女に突っ込まれてしまうので、ハンス達と同じく説明をした後に食事を摂る事となる


 そこでの食事は酒場で食べた時も庶民的な味で美味しかったのだが、流石は王城の料理というべきか更に数段上の美味しさに雑談を交えつつ舌鼓をうっていると正面のソフィから故郷について突っ込まれる


「その相手の事を思う心という精神は素晴らしいけれどイーリスの故郷ってどの辺かしら?」


 やはりこの手の質問がきたか。と考えつつすでに用意していた台詞を述べる


「ここよりもずっとずっと東の極東大陸と呼べばいいでしょうか?そこのニホンと呼ばれる国です。恐らくこの大陸ではご存知の方はないかと…」

「ここからずっとずっと東…まだまだ私たちには知らない国や大陸があるんですね。」

「そういった様々な場所を巡る為にも旅をする事にしました。動き回りやすいように冒険者になるつもりですよ」

「冒険者…やはり憧れますわ…私もこの足で様々な場所を回ってみてみたいものです。お父様、どうしても駄目でしょうか…?」


 そう小さく呟き、憧れのような眼差しを向けられる。


「すまぬな、ソフィはマリアンネの血を継いでいて文官方面での才があるのだろう?戦闘に才があれば自分の身は自分で護らせる為にも旅に出してやったのだが」

「わかってますわ…でもやっぱりお父様のように各地を飛び回ってみたかったです…」

「ううむ…今回のような事がなければ実はこれからも様々な場所に視察に向かわせてはいたのじゃが…」

「そうだったのですか…でも私の我がままでこれ以上近衛のお方に迷惑はかけられないですね…」

「それではソフィ様、よかったら私が旅からこの国へと戻ったらその話をするというのはどうでしょうか?」

「本当ですか!?是非、是非お願いしますわ!!」

「え、えぇ!楽しみにまっていてください!」


 アイナの時のような気圧され方に再び押されてしまうが、強く頷くのであった。

その後、晩餐会が終わり解散となった頃に部屋へと戻るのであった


(ふぅ~、いや美味しかったなぁ。流石は王室だな、食ってるもんが違うぜ…っとそうだ、風呂入りたいな…えっと、ここの呼び鈴を押せばいいんだっけな)


 客間に通される際にルースからしばらくの間の専属メイドとして付けられたヴィヴィアンに説明された呼び鈴を鳴らすとすぐさまノック音が聞こえてきて、メイド服姿の女性が現れる。


20代半ばといった感じの彼女は腰まで伸びた真紅の髪の毛を後ろで3つ編み状に束ねていて、トルコ石のような深い水色の目と少しつりあがった目尻、整った眉、意思のつよさを感じる目力の強さからは凛とした印象を感じる。身長も今まで見てきた女性の中でも高めのようだ。流石は王室に使える侍女というべきか、その仕草や動作、そして顔立ちも全て最高レベルな美しい女性だ。



「お呼びでしょうか?」

「お風呂に入りたいんですが、今って入れますか?」

「大丈夫ですよ。それでは案内しますね」


 言われるがままに侍女に着いて行き、風呂場に着いた後すぐさま脱衣所内に入ると何故か侍女も一緒についてくる。


「え、えっとあの?」

「今日はルース様よりお世話を仰せつかっているので、お着替えのお手伝いやお背中も流させていただきます。」

「あ~…すいません、その自分一人で入るというのはダメでしょうか?その、人目に晒せるような体じゃないというかですね…えっと………その幼い頃の火傷の後が背中に残っていまして…」

「そ、そうだったのですか…そこまで気が回らず、辛い思い出を思い出させて申し訳ありません…」

「いえ、大丈夫ですよ」


 背中の翼を見られるわけにはいかないので適当な理由を言ったが余計な心配をさせてしまったことに罪悪感を感じながらも、一人になったところで服を脱ぎ、風呂場へと向かう。


「うわぁ~…まるで旅館の温泉だな、すっげえな。」


 その広さに感動しつつ、さっそく浴槽へと入浴をする。


「ふぅ~~…あっと!浴槽に髪を入れるのはよくないんだったな。えーっと、適当に首に巻いておこう。」


 髪の毛の結び方などわかるはずもないので適当に首に巻いてからその湯船を堪能するのだった。

 浴室からあがったあとは事前に説明を受けていたポキの実と呼ばれる実を濡らして擦ってみる。するとまるで石鹸のように泡立ってくるので手を使って髪の毛と体を洗っていく


「う~む、やはり流石はイーリスの体だ。翼も綺麗なままだし、肌荒れしていない、髪の毛の枝毛も見当たらないなんて流石はうちの娘だぜ!」


 こうして髪を洗った後に次に体を洗おうとするが、その時に目の前にある姿鏡に写る自身の姿に思わず魅入る


「う~ん、アディの3Dモデリング技術も中々にレベルが高くて、その頃でもかなりの美人ではあったが…現実そのものになってからちゃんとした鏡で改めて見ると、とんでもない美人だな。キャラ作りする時にもしっかりキャラの性格を決めて、設定を固めてからクリエイトしたからな。お淑やかで、強くて、綺麗だけど凛としている。そんなお姉さんキャラにしたかったからな!」


 そう呟きながら、今度は全体の体を見回していく。


「おっぱいの造りも完璧だ…大きすぎず小さすぎずがやはり一番だな。巨乳は確かに夢が詰まっているが大きければいいってもんじゃねえ!体型に見合った大きさじゃなければやはりいかんな!腰の位置が高いから手足も長くてモデルのようにスラっとしていながらも、ただ細いだけだとガリガリな印象を受けるから程よい肉つきにして更に鍛錬を怠らない性格にしてるから手足は引き締まるように筋肉量を調節したおかげで見事なバランスだぜ…そして最後にこの大きく白い翼がまた可愛さを引き出している。ホント最高だぜ。流石はうちの愛娘!…っとだからこれじゃナルシストじゃねえか。人前ではやらんようにしないとな。」


 前にある姿鏡に色々とポーズをとっている光景を冷静に考えなくてもかなりヤバい人の行動に気が付き、急いで湯船にて再度体を暖めた後に脱衣所にて体の水滴を拭き取り、ローブを羽織って脱衣所を出ると先ほどのメイドが入り口にて待機していようでお辞儀をしてくる。


「お待ちしていました…あのイーリス様。髪の毛は乾かさないのでしょうか?よろしかったらお手伝いしますよ。」

「え?あぁ!お願いします!(そうか、髪の毛はすぐ乾かさないと痛むんだったな。」


 脱衣所の横にある一室にてドライヤーのようなものを使って髪の毛を乾かしていく。


(魔道具の一種かな?この世界じゃ魔石がそのままこっちでいう電気のような役割を果たしているしな。当然高額な品物だから金持ちしか無理みたいだけど。)


 大きな戦争によって技術が失われたとはいえ、やはり500年のときというのはかなり長いようで、魔石を利用した魔道具はかなり普及しているようだ。


「終わりました、イーリス様の髪質はとても素晴らしいのですからもっと大切になさってください」

「は、はい。わかりました」


 年上であろう綺麗な女性に諭されては頷くしかなく、その後髪の毛を櫛でかしてもらった後は自室へと戻るのだった。

ヴィヴィアンの髪の毛が栗色となっていますが、正しくは赤毛ですね、作者的に赤毛の方が好きなはずなのになんで栗色に…


それと、敬語が全く扱えないクソ雑魚作者なんで凄いとこ勤めてるのに敬語がまともに扱えてないメイドさんになってるのは大きくみてやってやってください…


3/4 追記 ヴィヴィアンの容姿を描写する内容を追記しました

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