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書類が山積みになっているデスク。
そこに頬杖をつきながらエルヴィスは電話をしている。
「でさー、ホント踏んだり蹴ったりだよ」 彼は受話器に向けて愚痴を綴っている。
『そう、大変ね』
しかし、受話器から聞こえてくる女性の声は素っ気なく聞き流している。
そんな返答にエルヴィスは受話器に向け、怪訝そうな顔をする。
「君さ、もう少し愛想良くして話せないのかい」
『あら、これでも気をつけているつもりだけど?』
エルヴィスは頭を掻きながら、窓を眺める。
そこから射し込む日差しは眩しく、彼は目を細める。
「まったく……じゃあ、ここから本題だ」
急にエルヴィスの声色は変化する。
「君にはウォータービレイに行って欲しいんだ」
『何で私が?駒はいくらでもいるでしょう?』
「君にしか出来ないからだよ。ニナ……」
手元に置いてあるボールペンを転がしながら笑みを浮かべるエルヴィス。
『……詳しく聞こうかしら」
しばしの間が空き、女性は静かにそう答えた
二章終了




