夜空(四百文字童話)
沢木先生のお題に基づくお話です。
「ヒトデを放り投げたら星になった。」と「トラブル回避」をお借りしました。
ぼくはつまらないので家を飛び出した。
夜だというのに星が見えない。
月も見えない。真っ暗だ。
何だか寂しいので海に行った。
浜辺には波が打ち寄せているだけで誰もいない。
また空を見上げたけど、やっぱり星は出ていなかった。
曇っているわけじゃないのに。
殺風景なので波打ち際に浮かんでいるヒトデを放り投げたら星になった。
面白いのでどんどん投げた。
何にもなかった夜空にたくさん星が瞬き始めた。
すると海の神様が現れて言った。
「ヒトデを返して」
でも無視して投げ続けた。
すると海の神様は怒って鮫になって襲いかかって来た。
怖くて浜辺から逃げたけど、鮫は宙を泳いで追いかけて来た。
そこに空の神様が現れて、鮫を追い払ってくれた。
「ごめんなさい、私が星を出し忘れたのであなたに迷惑かけたわね」
空の神様はそう言って星をたくさん出してくれた。
その途端、ヒトデが元に戻って海に落ちて来た。
ぼくは何だか眠くなったので、家に帰った。
お読みくださりありがとうございました。