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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第97話:『おばちゃん、“最後の欠片”の持ち主を知る』

エルドの心を救った翌朝。

トモエの家には、いつものように柔らかい朝の光が差し込んでいた。


ユウトがパンを頬張りながら言う。


「おばちゃん!

 今日のスープ、なんか“ほっとする味”やで!」


トモエは笑った。


「昨日、エルドさんの心の奥まで行ったからな。

 うちの心も、ちょっと落ち着いたんや」


カイルは真面目な顔で言う。


「おばちゃん先生……

 あなたの光、また強くなっています。

 影と向き合うたびに、

 あなた自身の心も成長しているんです」


リリアは頬を赤らめながら言う。


「おばちゃんさん……

 なんだか前より……

 “深い光”になってます……」


セイルは静かに頷いた。


「光の継承者は、

 影を抱きしめるたびに強くなる。

 昨日のあなたは……

 とても優しかった」


トモエは照れくさそうに笑った。


「なんや、褒められるとむず痒いわ」


ユウトが元気に言う。


「おばちゃんは世界一や!!

 異世界でもミナミでも最強のおばちゃんや!!」


トモエはユウトの頭を撫でた。


(せやな……

 うちはまだまだやけど……

 みんながおるから頑張れるんや)


---


◆ ◆ ◆


◆ 街の広場 ―― “影の薄まり”


朝食を終え、

トモエたちは街の広場へ向かった。


昨日よりも空気は明るい。

子どもたちの笑い声が増え、

市場の店主たちもどこか柔らかい表情をしている。


ユウトが嬉しそうに言う。


「おばちゃん!

 なんか街が明るくなった気ぃせえへん?」


トモエは頷いた。


「せやな。

 エルドさんの心が軽くなったからやろな」


カイルは魔力を探りながら言った。


「影の濃度……

 昨日よりさらに薄くなっています。

 街全体の“心の負荷”が軽くなっている証拠です」


リリアは胸に手を当てた。


「よかった……

 本当に……よかった……」


セイルは静かに言った。


「しかし……

 まだ影は完全には消えていません。

 “最後の欠片”が残っているからです」


トモエは息を呑んだ。


(せや……

 空白の影は“複数の欠片”が混ざって生まれた影やった)


(少女の欠片も、リオくんの欠片も、エルドさんの欠片も戻った)


(でも……

 まだ“ひとつ”残っとる)


---


◆ ◆ ◆


◆ 市場の裏路地 ―― “最後のざわめき”


影の気配を追って歩くと、

昨日と同じ裏路地に辿り着いた。


しかし――

影の残滓は昨日よりもさらに薄く、

まるで“消えかけている”ように揺れていた。


ユウトが首をかしげる。


「おばちゃん……

 影、なんか弱ってへん?」


カイルは影を見つめた。


「少女、リオさん、エルドさん……

 主要な欠片が戻ったことで、

 影は“形を保てなくなっている”んです」


リリアは震えた。


「じゃあ……

 残ってる欠片は……

 すごく小さい……?」


セイルは静かに言った。


「いいえ。

 “最後の欠片”は……

 最も大きい。

 しかし……

 その持ち主が“心を閉ざしすぎている”ため、

 影が近づけないのです」


トモエは影に近づいた。


「なぁ。

 あんた……

 最後の欠片は誰のもんなんや?」


影は震えた。


『……さいごのかけら……

 いちばんおおきくて……

 いちばんふかくて……

 いちばん……

 ながいあいだ……

 おちていた……』


トモエは息を呑んだ。


(長い間……

 心の欠片を落とし続けた人……)


影は続けた。


『……そのひとは……

 ずっと……

 じぶんを……

 みてくれなかった……

 だれよりも……

 じぶんを……

 きずつけてきた……』


ユウトが震える声で言う。


「おばちゃん……

 なんか……

 めっちゃ嫌な予感する……」


カイルは顔を青くした。


「これは……

 “自己否定の欠片”……

 誰かが……

 自分を責め続けていた……」


リリアは涙をこらえた。


「そんな……

 そんな人が……

 この街に……?」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 “最後の欠片”の持ち主は……

 あなたのすぐ近くにいます」


トモエは影に向かって言った。


「誰なんや……

 最後の欠片の持ち主は……?」


影は震えながら言った。


『……さいごのかけらのもちぬしは……

 ――おまえだ……』


トモエは息を呑んだ。


「……え?」


影は続けた。


『……おまえは……

 ずっと……

 じぶんを……

 しあわせにしてこなかった……

 だれかのために……

 じぶんをけずって……

 じぶんのきもちを……

 おとしてきた……』


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!?

 おばちゃんが……

 欠片を落としてたん!?」


カイルは震えた。


「まさか……

 空白の影の“最後の欠片”が……

 おばちゃん……?」


リリアは涙をこらえた。


「そんな……

 おばちゃんさん……

 ずっと優しくて……

 誰よりも強くて……

 でも……

 本当は……?」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 あなたは……

 誰よりも人の心に寄り添い、

 誰よりも人を救ってきた。

 しかしその裏で……

 “自分の心”を置き去りにしてきたのです」


トモエは震えた。


(うちが……

 欠片を落としてた……?)


(うちが……

 空白の影の一部……?)


影は最後に言った。


『……おまえのこころのなかに……

 さいごのかけらが……

 のこっている……

 それを……

 とりもどさなければ……

 ぼくは……

 きえない……』


トモエは拳を握った。


(うちの心……

 向き合わなあかんのか)


「よっしゃ。

 行くで。

 うち自身の心の中へ――

 踏み込むんや」


光が弾け、

トモエの意識は――

自分自身の心の中へと引き込まれた。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第97話では、

空白の影の“最後の欠片”の正体がついに明らかになる回

が描かれました。


その持ち主は――


おばちゃん・大原トモエ自身。


人の心を救い続け、

誰かのために動き続け、

自分の気持ちを後回しにしてきた彼女は、

気づかないうちに

“自分の心の欠片”を落としていた。


空白の影は、

その欠片を中心に、

街の人々の欠片が混ざって生まれた影だった。


今回も改善点として:


• 日常の温かい朝食シーン

• キャラの掛け合い

• 読者が共感しやすい悩み(自己犠牲・自己否定)

• 影の正体の深掘り

• おばちゃんの成長

• 次回への強い引き(おばちゃん自身の心の世界へ)



これらを自然に物語へ組み込みました。


次回、第98話では

おばちゃん自身の心の世界で、“本当の自分”と向き合う回

が描かれます。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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