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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第95話:『おばちゃん、“混ざった欠片”の正体に気づく』

少女の心を救った翌朝。

トモエの家には、いつものように温かい朝の光が差し込んでいた。


ユウトがパンを頬張りながら言う。


「おばちゃん!

 今日の卵焼き、なんか“ほっとする味”やで!」


トモエは笑った。


「昨日、あの子の孤独を見たからな。

 うちの心も、ちょっと優しゅうなったんや」


カイルは真面目な顔で言う。


「おばちゃん先生……

 あなたの光、また強くなっています。

 影と向き合うたびに、

 あなた自身の心も成長しているんです」


リリアは頬を赤らめながら言う。


「おばちゃんさん……

 なんだか前より……

 “あったかい光”になってます……」


セイルは静かに頷いた。


「光の継承者は、

 影を抱きしめるたびに強くなる。

 昨日のあなたは……

 とても優しかった」


トモエは照れくさそうに笑った。


「なんや、褒められるとむず痒いわ」


ユウトが元気に言う。


「おばちゃんは世界一や!!

 異世界でもミナミでも最強のおばちゃんや!!」


トモエはユウトの頭を撫でた。


(せやな……

 うちはまだまだやけど……

 みんながおるから頑張れるんや)


---


◆ ◆ ◆


◆ 街の広場 ―― “変わり始めた空気”


少女の心を救ったことで、

街の空気は少しだけ明るくなっていた。


子どもたちの笑い声が増え、

市場の店主たちもどこか柔らかい表情をしている。


ユウトが嬉しそうに言う。


「おばちゃん!

 なんか街が明るくなった気ぃせえへん?」


トモエは頷いた。


「せやな。

 あの子の孤独が少し軽くなったからやろな」


カイルは魔力を探りながら言った。


「影の濃度……

 昨日より薄くなっています。

 少女の欠片が戻ったことで、

 街全体の“心の負荷”が軽くなったんです」


リリアは胸に手を当てた。


「よかった……

 本当に……よかった……」


セイルは静かに言った。


「しかし……

 まだ影は完全には消えていません。

 “混ざった欠片”が残っているからです」


トモエは息を呑んだ。


(せや……

 空白の影は“複数の欠片”が混ざって生まれた影やった)


(少女の欠片は戻ったけど……

 他の欠片はまだ残っとる)


---


◆ ◆ ◆


◆ 市場の裏路地 ―― “残る影のざわめき”


影の気配を追って歩くと、

昨日と同じ裏路地に辿り着いた。


しかし――

影の残滓は昨日よりも薄く、

まるで“迷っている”ように揺れていた。


ユウトが首をかしげる。


「おばちゃん……

 影、なんか弱ってへん?」


カイルは影を見つめた。


「少女の欠片が戻ったことで、

 影の“中心”が消えたんです。

 だから影は……

 “方向性”を失っている」


リリアは震えた。


「じゃあ……

 残ってる欠片は……

 どこに行けばいいのかわからない……?」


セイルは静かに言った。


「その通りです。

 影は“持ち主”を探している。

 しかし……

 その持ち主が誰なのか、

 影自身もわかっていない」


トモエは影に近づいた。


「なぁ。

 あんた……

 誰の欠片なんや?」


影は震えた。


『……わからない……

 ぼくは……

 まざって……

 かたちになった……

 だから……

 “もと”が……

 ひとりじゃない……』


トモエは息を呑んだ。


(少女の欠片は戻った)


(でも……

 まだ“誰かの欠片”が残っとる)


影は続けた。


『……ぼくは……

 さがしてる……

 “おおきなかなしみ”……

 “ふかいくるしみ”……

 “ながいじかんのさびしさ”……

 それが……

 ぼくの……

 もと……』


ユウトが震える声で言う。


「おばちゃん……

 なんか……

 めっちゃ重い感情や……」


カイルは顔を青くした。


「これは……

 “長期間の心の疲弊”……

 誰かが……

 ずっと苦しんでいた……」


リリアは涙をこらえた。


「そんな……

 そんな人が……

 この街に……?」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 “混ざった欠片”の持ち主は……

 少女よりも、

 リオよりも……

 ずっと深い闇を抱えた人物です」


トモエは拳を握った。


(そんな人……

 誰や……?)


(誰が……

 そんなに長い間……

 苦しんどったんや……?)


そのとき――

影が突然、強く震えた。


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!

 影が……!!」


カイルは顔を青くした。


「“持ち主”が……

 強い感情を出してる!!

 今まさに……

 心が壊れかけてる!!」


リリアは震えた。


「そんな……

 誰かが……

 危ない……!!」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 急がなければ……

 “その人”が壊れます」


影は震えながら言った。


『……ぼくの……

 いちばんおおきなかけら……

 “もと”は……

 すぐそこに……

 いる……』


トモエは息を呑んだ。


「すぐそこ……?」


影はゆっくりと、

トモエの背後を指した。


トモエが振り返ると――


そこには、

街の診療所の医師・エルドが立っていた。


いつも穏やかで、

街の人々に慕われている医師。


しかし今の彼の瞳は――

深い闇を宿していた。


ユウトが震える声で言う。


「おばちゃん……

 エルド先生……

 なんか……

 おかしい……」


カイルは顔を青くした。


「影の濃度……

 異常です……

 エルド先生……

 “心の欠片”を大量に落としている……!」


リリアは涙をこらえた。


「そんな……

 エルド先生……

 いつも優しいのに……!」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 “混ざった欠片”の中心は……

 エルドです」


トモエは息を呑んだ。


(エルドさん……

 あんた……

 そんなに苦しんどったんか……)


エルドは震える声で言った。


「……助けて……

 ほしい……

 でも……

 もう……

 遅い……」


その瞬間――

エルドの影が大きく揺れた。


トモエは拳を握った。


「エルドさん!!

 うちが助けたる!!」


光が弾け、

トモエの意識は――

エルドの心の中へと引き込まれた。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第95話では、

空白の影に混ざった“他の欠片”の正体に迫る回

が描かれました。


そしてついに判明した、

“混ざった欠片”の中心人物――


街の診療所の医師・エルド。


彼は長い間、

誰にも言えない苦しみを抱え、

心の欠片を落とし続けていた。


その欠片が少女やリオの欠片と混ざり、

“空白の影”として形になっていた。


今回も改善点として:


• 日常の温かい朝食シーン

• キャラの掛け合い

• 読者が共感しやすい悩み(長期的な心の疲弊)

• 影の正体の深掘り

• おばちゃんの成長

• 次回への強い引き(エルドの心の世界へ突入)



これらを自然に物語へ組み込みました。


次回、第96話では

エルドの心の世界で、“最も深い影”と対峙する回

が描かれます。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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