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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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92/122

第92話:『おばちゃん、空白の影の“誕生の理由”を知る』

リオの心を救った翌朝。

トモエの家には、いつものように温かい朝の光が差し込んでいた。


ユウトがパンを頬張りながら言う。


「おばちゃん!

 今日のスープ、昨日よりさらに優しい味するで!!」


トモエは笑った。


「そらあんた、昨日はリオくんの心の奥まで行ったからな。

 うちの心も、ちょっと柔らかくなったんや」


カイルは真面目な顔で言う。


「おばちゃん先生……

 あなたの光、また強くなっています。

 影と向き合うたびに、

 あなた自身の心も成長しているんです」


リリアは頬を赤らめながら言う。


「おばちゃんさん……

 なんだか前より……

 “あったかい光”になってます……」


セイルは静かに頷いた。


「光の継承者は、

 影を抱きしめるたびに強くなる。

 昨日のあなたは……

 とても優しかった」


トモエは照れくさそうに笑った。


「なんや、褒められるとむず痒いわ」


ユウトが元気に言う。


「おばちゃんは世界一や!!

 異世界でもミナミでも最強のおばちゃんや!!」


トモエはユウトの頭を撫でた。


(せやな……

 うちはまだまだやけど……

 みんながおるから頑張れるんや)


---


◆ ◆ ◆


◆ 街の広場 ―― “影のざわめき”


朝食を終え、

トモエたちは街の広場へ向かった。


昨日よりも空気は明るい。

子どもたちの笑い声が響き、

市場の店主たちが元気に声を張り上げている。


しかし――

トモエはすぐに気づいた。


(なんや……

 影の気配が……

 昨日より濃い)


ユウトが首をかしげる。


「おばちゃん……

 なんか変な感じする?」


カイルは魔力を探りながら言った。


「影の残滓……

 昨日より明らかに濃いです。

 空白の影が……

 “何かを求めて動いている”」


リリアは胸に手を当てた。


「空白の影……

 リオさんの欠片は戻ったのに……

 まだ動いてる……?」


セイルは静かに言った。


「空白の影は……

 “リオだけの欠片”ではなかったのかもしれません」


トモエは息を呑んだ。


(どういうことや……?

 空白の影はリオくんの欠片やったはずや)


(でも……

 まだ動いてるってことは……)


---


◆ ◆ ◆


◆ 市場の裏路地 ―― “影の声”


影の気配を追って歩くと、

昨日と同じ裏路地に辿り着いた。


しかし――

影の残滓は昨日よりも濃く、

まるで“呼吸”しているように揺れていた。


ユウトが震える声で言う。


「おばちゃん……

 影が……

 なんか喋りそうや……」


カイルは影を見つめた。


「これは……

 影が“意思”を持ち始めている……

 リオさんの欠片が戻ったことで、

 影の本体が動き出した……?」


リリアは震えた。


「影が……

 生きてるみたい……」


セイルは静かに言った。


「空白の影は、

 “心の欠片”が形になったもの。

 欠片が戻った今、

 影は“本来の姿”に近づいているのでしょう」


その瞬間――

影が揺れ、

声が聞こえた。


『……ぼくは……

 リオだけの……

 欠片じゃない……』


トモエは息を呑んだ。


「どういうことや……?」


影は続けた。


『……ぼくは……

 いろんな人の……

 “落とした心”が……

 混ざって……

 生まれた……』


ユウトが叫ぶ。


「えっ!?

 空白の影って……

 リオ兄ちゃんだけやないん!?」


カイルは顔を青くした。


「まさか……

 複数の人の“心の欠片”が……

 混ざって……

 影になった……?」


リリアは涙をこらえた。


「そんな……

 そんなことって……」


セイルは静かに言った。


「心の欠片が落ちるのは、

 “心が限界を迎えた時”。

 この街には……

 リオ以外にも……

 心を壊しかけている人がいる……」


トモエは影に近づいた。


「なぁ。

 あんた……

 誰の心の欠片なんや?」


影は震えた。


『……わからない……

 ぼくは……

 混ざって……

 形になった……

 だから……

 “もと”が……

 ひとりじゃない……』


トモエは息を呑んだ。


(空白の影……

 あれは“誰かひとり”の影やない)


(“複数の人の心の欠片”が混ざって生まれた……

 そんな影……)


影は続けた。


『……ぼくは……

 さがしてる……

 ぼくを落とした……

 “すべての人”を……』


ユウトが震える声で言う。


「おばちゃん……

 この街……

 そんなに心が壊れかけてる人がおるん……?」


カイルは静かに言った。


「影の濃さ……

 街全体に広がっている……

 これは……

 “集団的な心の疲弊”です」


リリアは涙をこらえた。


「みんな……

 笑ってるのに……

本当は……

 苦しいんだ……」


セイルは静かに言った。


「空白の影は……

 “街の心の悲鳴”そのもの。

 だから……

 ひとりを救っても消えない」


トモエは拳を握った。


(街の人たち……

 みんな、心が疲れとるんか)


(うちは……

 どうしたらええんや)


影は震えながら言った。


『……ぼくは……

 まだ……

 “もと”を探す……

 この街の……

 どこかに……

 “いちばん大きな欠片”がある……』


トモエは影に向かって言った。


「その欠片……

 うちが見つけたる」


影は小さく揺れた。


しかし次の瞬間――

影は突然、激しく震え始めた。


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!

 影が……!!」


カイルは顔を青くした。


「空白の影が……

 “持ち主の強い感情”に反応してる!!

 誰かが……

 今まさに……

 心を壊しかけてる!!」


リリアは震えた。


「そんな……

 誰かが……

 危ない……!!」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 急がなければ……

 “その人”が壊れます」


トモエは拳を握った。


(街のどこかで……

 誰かが……

 心の限界に達しとる)


「行くで!!

 “いちばん大きな欠片”を探しに!!」


虎柄シャツが風に揺れ、

おばちゃんは走り出した。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第92話では、

空白の影が“なぜ生まれたのか”という核心に迫る回

が描かれました。


空白の影の正体は――

ひとりの心の欠片ではなく、

複数の人の“落とした心”が混ざって生まれた影。


つまり、

この街にはリオ以外にも

心を壊しかけている人が複数いる。


そしてその中に、

“いちばん大きな欠片”を落とした人物がいる。


今回も改善点として:


• 日常の温かい朝食シーン

• キャラの掛け合い

• 読者が共感しやすい悩み(集団的な心の疲弊)

• 影の正体の深掘り

• おばちゃんの成長

• 次回への強い引き(“いちばん大きな欠片”の持ち主探し)



これらを自然に物語へ組み込みました。


次回、第93話では

“いちばん大きな欠片”の持ち主がついに姿を現す回

が描かれます。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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