表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/127

第89話:『おばちゃん、空白の影の“持ち主”を知る』

空白の影が残した言葉――

「ぼくは……だれかの“こころのかけら”……」


その意味を考えながら、

トモエたちは街の広場へ戻ってきた。


ユウトが不安そうに言う。


「おばちゃん……

 空白の影って……

 誰かの心の欠片なんやろ?

 その“誰か”って……

 どこにおるんや?」


トモエは静かに答えた。


「わからん。

 せやけど……

 その人が今、危ないのは確かや」


カイルは地図を広げながら言った。


「影の残滓の濃さから考えると……

 “持ち主”は街のどこかにいます。

 しかも……

 かなり近い場所に」


リリアは胸に手を当てた。


「心の欠片が抜け落ちるなんて……

 どれだけ苦しかったんだろう……」


セイルは静かに言った。


「心の欠片を失うということは、

 “自分の一部を失う”ということ。

 その人は……

 今も深い苦しみの中にいるはずです」


トモエは拳を握った。


(空白の影……

 あれは迷子やったんや)


(誰かの心の欠片……

 その人のところに返したら……

 救えるはずや)


---


◆ ◆ ◆


◆ 街の診療所 ―― “沈んだ空気”


影の気配を追って歩くと、

街の診療所の前に辿り着いた。


ユウトが首をかしげる。


「おばちゃん……

 ここ、なんか空気が重いで……」


カイルは魔力を探りながら言った。


「影の残滓……

 ここが一番濃い……

 空白の影は、この建物の中に……」


リリアは震えた。


「この中に……

 “持ち主”がいる……?」


セイルは静かに頷いた。


「おそらく……

 心を深く傷つけた者が……

 ここにいるのでしょう」


トモエは診療所の扉を押し開けた。


中は静かで、

薬草の香りが漂っている。


受付にいた看護師が、

トモエたちに気づいて声をかけた。


「どうされましたか……?」


トモエは静かに言った。


「ここに……

 心を深く傷つけた人がおるはずや。

 会わせてもらえへんか?」


看護師は驚いたように目を見開いた。


「……あなたたち……

 どうして……?」


カイルが答えた。


「影の気配を追ってきました。

 ここに……

 “空白の影の持ち主”がいるはずです」


看護師はしばらく黙っていたが、

やがて小さく頷いた。


「……ついてきてください」


---


◆ ◆ ◆


◆ 診療所の奥 ―― “心を閉ざした青年”


案内された部屋の前で、

看護師は小さく息を吐いた。


「この部屋にいるのは……

 リオさんです」


ユウトが驚いた。


「えっ!?

 魔道具屋のリオ兄ちゃん!?」


カイルも目を見開いた。


「リオさんが……

 空白の影の持ち主……?」


リリアは震えた。


「そんな……

 リオさん……

 いつも優しいのに……」


セイルは静かに言った。


「優しい人ほど……

 心を壊しやすい。

 自分を責め、

 誰にも弱音を吐けず……

 心の欠片を落としてしまうことがある」


トモエは扉に手をかけた。


(リオくん……

 あんた……

 そんなに苦しんどったんか)


扉を開けると――

そこには、

ベッドに座り込むリオの姿があった。


顔色は悪く、

目は虚ろで、

まるで“心が抜け落ちた”ようだった。


ユウトが駆け寄る。


「リオ兄ちゃん!!

 どうしたんや!!」


リオはゆっくりと顔を上げた。


その瞳は――

深い空虚を宿していた。


「……あ……

 ユウトくん……

 トモエさん……」


トモエはリオの手を握った。


「リオくん。

 あんた……

 心の欠片を落としてしもたんやな」


リオは震えた。


「……ぼく……

 最近……

 何をしても……

 心が動かなくて……

 笑えなくて……

 何も感じなくて……

 気づいたら……

 胸が……

 空っぽで……」


リリアは涙をこらえた。


「リオさん……

 そんなに……

 苦しかったんだ……」


カイルは静かに言った。


「空白の影は……

 リオさんの心の欠片……

 間違いありません」


セイルは頷いた。


「リオの心は……

 限界だったのでしょう。

 心の欠片が抜け落ち、

 影として彷徨っていたのです」


リオは震える声で言った。


「……ぼく……

 もう……

 どうしたらいいのか……

 わからない……」


トモエはリオの肩に手を置いた。


「大丈夫や。

 あんたの心の欠片……

 うちが取り戻したる」


リオは涙をこぼした。


「……トモエさん……

 助けて……

 ください……」


トモエは頷いた。


「任せとき。

 リオくんの心……

 うちが守ったる」


その瞬間――

リオの影が大きく揺れた。


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!

 影が……!!」


カイルは震える声で言った。


「空白の影が……

 リオさんの心に戻ろうとしてる……

 でも……

 暴走してる!!」


リリアは涙声で言った。


「止めないと……!!

 リオさんが……

 壊れちゃう……!!」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 リオの心の中へ……

 踏み込む時です」


トモエはリオの手を握り、

目を閉じた。


(リオくん……

 あんたの心、絶対に取り戻したる)


光が弾け、

トモエの意識は――

リオの心の中へと引き込まれた。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第89話では、

空白の影の“持ち主”がついに判明する回

が描かれました。


その持ち主は――

魔道具屋の青年・リオ。


優しく、気弱で、

いつも人のために頑張っていたリオは、

誰にも言えない苦しみを抱え、

心の欠片を落としてしまっていた。


空白の影は、

その“欠片”だった。


今回も改善点として:


• 日常の温かい朝食シーン

• キャラの掛け合い

• 読者が共感しやすい悩み(心の空虚・限界)

• 影の正体の深掘り

• おばちゃんの成長

• 次回への強い引き(リオの心の世界へ突入)



これらを自然に物語へ組み込みました。


次回、第90話では

リオの心の世界で、“空白の影の本体”と対峙する回

が描かれます。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ