表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/122

第86話:『おばちゃん、空白の影の“次の涙”を感じる』

タクトの心を救った翌朝。

トモエの家には、いつものように温かい朝の光が差し込んでいた。


ユウトが食卓でパンを頬張りながら言う。


「おばちゃん!

 今日の卵焼き、めっちゃふわふわやで!!

 なんか昨日よりパワーアップしてへん?」


トモエは笑った。


「そらあんた、昨日はタクトくんの心の中で

 めっちゃ気ぃ張っとったからな。

 今日はその反動で、手が勝手にええ仕事したんや」


カイルは紅茶を飲みながら言った。


「おばちゃん先生……

 昨日の戦いで、

 あなた自身の“光”が強くなったのかもしれません」


リリアは頬を赤らめながら言う。


「確かに……

 おばちゃんさん、なんだか前より……

 優しい光をまとってる気がします……」


セイルは静かに頷いた。


「影と向き合うたびに、

 光の継承者は成長する。

 あなたは昨日、

 “自責の影”を抱きしめた。

 その優しさが、光を強くしたのでしょう」


トモエは照れくさそうに笑った。


「なんや、褒められるとむず痒いわ」


ユウトが元気に言う。


「おばちゃんはすごいんやで!!

 世界で一番優しい光の継承者や!!」


トモエはユウトの頭を撫でた。


(せやな……

 うちはまだまだやけど……

 みんながおるから頑張れるんや)


---


◆ ◆ ◆


◆ 街の広場 ―― 小さな“違和感”


朝食を終え、

トモエたちは街の広場へ向かった。


昨日タクトを救ったことで、

街の空気は少し明るくなっていた。


子どもたちが走り回り、

店主たちが笑顔で客を迎え、

人々の声が広場に満ちている。


しかし――

トモエはすぐに気づいた。


(なんや……

 空気がちょっとだけ重い)


ユウトが首をかしげる。


「おばちゃん……

 なんか変な感じする?」


カイルは魔力を探りながら言った。


「影の気配……

 昨日より弱いけど……

 確かに残ってる……」


リリアは胸に手を当てた。


「空白の影……

 まだ街のどこかに……」


セイルは静かに言った。


「空白の影は、

 “心の隙間”を探す影。

 タクトの心から離れた今、

 次の宿主を探しているはずです」


トモエは広場を見渡した。


(誰か……

 心に空白を抱えとる人がおる)


(その人を見つけなあかん)


---


◆ ◆ ◆


◆ 広場の片隅 ―― “笑顔の裏の影”


広場の片隅で、

一人の女性がベンチに座っていた。


年齢は20代後半。

落ち着いた雰囲気で、

微笑みながら子どもたちを見ている。


ユウトが言う。


「おばちゃん、あの人……

 なんか優しそうやなぁ」


カイルは眉を寄せた。


「でも……

 影の揺れ方が不自然です。

 笑っているのに……

影が“沈んでいる”」


リリアは小さく息を呑んだ。


「笑顔なのに……

 影が泣いてる……?」


セイルは静かに言った。


「“笑顔の裏の影”……

 心の奥で泣いている人間が持つ影です」


トモエは女性に近づいた。


「なぁ。

 あんた……

 大丈夫か?」


女性は驚いたように顔を上げた。


「えっ……

 あ、はい……

 大丈夫です……」


その声は優しい。

でも――

どこか無理をしている。


トモエは静かに言った。


「無理して笑っとらんか?」


女性は一瞬だけ表情を崩した。


しかしすぐに笑顔に戻った。


「……そんなこと……

 ないですよ……」


ユウトが小声で言う。


「おばちゃん……

 この人……

 なんか苦しそうや……」


カイルは影を見つめた。


「影が……

 “空白”と“涙”の両方を抱えている……

 これは……

 危険です」


リリアは震えた。


「空白の影が……

 この人に近づいてる……!」


セイルは静かに言った。


「この女性……

 心の奥に“空白”を抱えている。

 空白の影が入り込むのは時間の問題です」


トモエは女性の隣に座った。


「なぁ。

 あんた……

 ほんまは泣きたいんちゃうか?」


女性は震えた。


「……どうして……

 わかるんですか……?」


トモエは優しく言った。


「影が泣いとる。

 あんたの影が……

 助けてって言うとる」


女性は堪えていた涙をこぼした。


「……わたし……

 誰にも言えなくて……

 ずっと……

 笑ってないと……

 いけない気がして……」


ユウトが涙声で言う。


「そんなの……

 しんどいやん……!」


カイルは静かに言った。


「“笑顔の義務感”……

 現代で最も多い影の一つです」


リリアは涙を拭った。


「誰かのために笑わなきゃ……

 そう思いすぎると……

 心が空白になる……」


セイルは静かに言った。


「空白の影は、

 “笑顔の裏の涙”に寄り添う。

 この女性は……

 次の宿主になる可能性が高い」


その瞬間――

女性の影が大きく揺れた。


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!

 影が……!!」


カイルは震える声で言った。


「空白の影が……

 この人に入り込もうとしてる!!」


リリアは涙声で言った。


「止めないと……!!」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 あなたの出番です」


トモエは女性の手を握った。


「なぁ。

 あんたの心、

 うちに見せてくれへんか?」


女性は涙を流しながら頷いた。


「……助けて……

 ほしい……」


トモエは目を閉じた。


(あんたの心……

 うちが守ったる)


光が弾け、

トモエの意識は――

女性の心の中へと引き込まれた。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第86話では、

空白の影が“次に狙った心”――笑顔の裏で泣く女性

が登場しました。


今回のテーマは

「笑顔の義務感」。


• 本当はしんどい

• 本当は泣きたい

• でも笑わなきゃいけない

• 誰にも弱音を吐けない



現代の読者が最も共感しやすい悩みを、

“影”として描きました。


また、改善点として:


• 日常の温かい朝食シーン

• キャラの掛け合い

• 読者が共感しやすい悩み

• 次回への強い引き(心の世界へ突入)

• おばちゃん自身の成長の描写



これらを自然に物語へ組み込みました。


次回、第87話では

女性の心の世界で、“笑顔の影”と対峙する回

が描かれます。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ