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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第78話:『おばちゃん、変わり始めた世界を見つめる』

影の王との別れから数日。

トモエたちは街へ戻り、

久しぶりの日常を取り戻していた。


朝の光は柔らかく、

風は優しく、

世界はどこか“軽く”なっていた。


ユウトが大きく伸びをした。


「おばちゃん!

 今日の朝ごはん、めっちゃ美味しかったで!!

 やっぱりおばちゃんの料理が一番や!」


トモエは笑った。


「そらそうや。

 うちは毎日ユウトのために作っとるんやからな」


ユウトは照れながら笑った。


カイルは窓の外を見ながら言った。


「街の人たち……

 なんだか表情が明るくなりましたね」


リリアも頷いた。


「影が優しくなったから……

 人の心も軽くなったんでしょうね」


セイルは静かに言った。


「世界は変わりました。

 しかし、それは“痛みが消えた”のではなく、

 “痛みに寄り添えるようになった”という変化です」


トモエは外の景色を見つめた。


(ほんまや……

 世界が、ちょっとだけ優しくなっとる)


(影の王……

 あんたは今、どこかで世界を見守っとるんやろな)


---


◆ ◆ ◆


◆ 街の変化 ―― 小さな優しさ


街を歩くと、

以前とは違う光景が広がっていた。


店の前で、

店主が困っている老人を手伝っていた。


公園では、

子どもたちが泣いている子を囲んで励ましていた。


道端では、

見知らぬ人同士が声をかけ合っていた。


ユウトが言う。


「おばちゃん……

 なんかみんな優しくなってへん?」


カイルは微笑んだ。


「影が優しくなったから……

 人の心も“寄り添う力”を思い出したんだと思います」


リリアは胸に手を当てた。


「影が消えたわけじゃない……

 でも、影が“敵”じゃなくなった……

 そんな感じがします」


セイルは静かに言った。


「影は心の一部。

 それを受け入れられるようになった世界は、

 強く、優しくなります」


トモエは微笑んだ。


「ええ世界になったなぁ……」


---


◆ ◆ ◆


◆ トモエの家 ―― 静かな午後


家に戻ると、

ユウトがソファに倒れ込んだ。


「ふぅ〜……

 なんか、旅が終わったって感じやなぁ……」


カイルは本を開きながら言った。


「でも……

 僕たちの旅は、

 これで終わりじゃない気がします」


リリアは紅茶を淹れながら微笑んだ。


「世界は変わったけど……

 まだまだ学ぶことはたくさんありますから」


セイルは静かに言った。


「光と影の調和は、

 “始まり”にすぎません。

 これから世界は、

 新しい形へと進んでいくでしょう」


トモエはキッチンでエプロンを外しながら言った。


「せやな。

 世界は変わったけど……

 うちらの毎日は続くんや」


ユウトが笑った。


「おばちゃん!

 今日のおやつは何!?」


トモエは笑った。


「食いしん坊やなぁ。

 ほな、ホットケーキでも焼いたろか」


ユウトは飛び跳ねた。


「やった!!」


カイルとリリアも微笑んだ。


セイルは静かに目を閉じた。


(光の継承者……

 あなたの光は、

 これからも世界を照らすでしょう)


---


◆ ◆ ◆


◆ 夜の訪れ ―― 世界の影からの“ささやき”


その夜。

トモエは一人、家の外に出た。


空には星が輝き、

風は優しく頬を撫でた。


ふと――

耳元で小さな声がした。


『……トモエ……』


トモエは目を見開いた。


「……影の王?」


風が揺れ、

柔らかな影が足元に寄り添った。


『……ありがとう……

 ぼくは……

 世界の影として……

 これからも人々を見守る……』


トモエは微笑んだ。


「元気そうでよかったわ」


影の王の声は、

どこか嬉しそうだった。


『……トモエ……

 あなたの光は……

 ぼくの影を優しくした……

 だから……

 これからも……

 光でいて……』


トモエは空を見上げた。


「任せとき。

 うちはこれからも光を届けるで」


影の王の声は、

風に溶けていった。


『……また会える……

 その時まで……』


トモエは静かに頷いた。


「またな、影の王」


---


◆ ◆ ◆


◆ 新しい世界の朝


翌朝。

ユウトが元気に起きてきた。


「おばちゃん!

 今日もええ天気やで!!」


カイルも微笑んだ。


「世界が……

 本当に変わったんですね」


リリアは窓の外を見ながら言った。


「光と影が寄り添う世界……

 これからどうなるんでしょうね」


セイルは静かに言った。


「未来は、

 光と影が共に作るものです。

 あなたたちの歩みが、

 世界を形作っていくでしょう」


トモエは笑った。


「ほな、今日も元気に行こか。

 新しい世界で、

 うちらの毎日が始まるで」


虎柄シャツが朝日に照らされ、

おばちゃんは仲間たちと共に歩き出した。


新しい世界の一日が、

静かに始まった。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第78話では、

大きな旅を終えたおばちゃんたちが日常へ戻り、

変わり始めた世界の“優しさ”を感じる回

が描かれました。


影の王は世界へ還り、

影は“敵”ではなく“寄り添う存在”へ。


人々の心も少しずつ変わり、

世界は新しい時代へ進み始めています。


今回の話は、

大きな物語の余韻と、

次の物語への静かな導入。


次回、第79話では

新しい世界で起こる小さな変化、

そしておばちゃんの“次の役目”の気配

が描かれます。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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