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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第77話:『おばちゃん、帰り道で仲間の笑顔を見る』

影の王が世界へ還り、

光と影が調和した新しい世界が始まった。


影の神殿を出ると、

空は澄み渡り、

朝日が大地を優しく照らしていた。


ユウトが大きく伸びをした。


「ふぁぁぁ……

 おばちゃん!

 なんか空気がめっちゃ気持ちええなぁ!」


カイルは深呼吸しながら言った。


「影の気配が穏やかになっている……

 世界が“軽くなった”って、こういうことなんですね」


リリアは微笑んだ。


「光が強くなったわけじゃなくて……

 影が優しくなった……

 そんな感じがします」


セイルは静かに頷いた。


「世界は変わりました。

 しかし、それは“痛みが消えた”のではなく、

 “痛みに寄り添える世界になった”ということです」


トモエは空を見上げた。


(影の王……

 あんたはもう一人やない)


(世界は……

 光と影が一緒に歩む世界になったんや)


「よっしゃ。

 そろそろ帰ろか、みんな」


---


◆ ◆ ◆


◆ 帰り道 ―― それぞれの想い


神殿を離れ、

雪原を抜け、

火山地帯を越え、

沈黙の谷へ戻る道。


その道のりは、

来たときよりもずっと明るく感じられた。


ユウトが笑いながら言う。


「おばちゃん!

 帰ったらさ、

 また一緒にご飯作ろな!」


トモエは笑った。


「ええで。

 ユウトの好きなもん、なんでも作ったる」


ユウトは嬉しそうに跳ねた。


カイルは静かに言った。


「おばちゃん先生……

 僕、今回の旅で……

 “影は悪じゃない”ってことを学びました」


トモエは頷いた。


「せやな。

 影は心の一部や。

 悪やない」


カイルは微笑んだ。


「僕も……

 誰かの影に寄り添える人になりたいです」


リリアは胸に手を当てた。


「私も……

 影を恐れずに、

 誰かの心に寄り添えるようになりたい……」


セイルは静かに言った。


「光と影の調和は、

 “誰かが誰かを理解しようとする心”から生まれます。

 あなたたちはそれを示しました」


トモエは照れくさそうに笑った。


「なんや、褒められるとむず痒いわ」


---


◆ ◆ ◆


◆ 沈黙の谷 ―― 声が戻った村


沈黙の谷に戻ると、

村人たちが笑顔で迎えてくれた。


長老が深く頭を下げる。


「光の継承者よ……

 あなたのおかげで、

 この村は声を取り戻しました」


トモエは笑った。


「長老さん。

 あんたの声、ちゃんと戻ってよかったわ」


長老は涙を浮かべた。


「あなたが……

 わしの“沈黙”を救ってくれたのです」


ユウトが言う。


「長老さん!

 もう一人で抱えたらあかんで!」


長老は笑った。


「そうじゃな……

 これからは、

 皆で声を分かち合おう」


村には、

温かい声が満ちていた。


---


◆ ◆ ◆


◆ 火山地帯 ―― 怒りの青年


火山地帯に戻ると、

怒りの影の核だった青年が待っていた。


青年は深く頭を下げた。


「光の継承者……

 あなたが僕の怒りを救ってくれた。

 本当に……ありがとう」


トモエは笑った。


「あんたの怒りは悪やない。

 傷ついた心の叫びや」


青年は拳を握った。


「僕は……

 これからは怒りを誰かにぶつけるんじゃなくて、

 “伝える”ようにします」


ユウトが笑った。


「それがええで!

 怒ってもええけど、

 ちゃんと伝えなあかん!」


青年は笑った。


---


◆ ◆ ◆


◆ 雪原の村 ―― ミナと母親


雪原の村に戻ると、

ミナと母親が駆け寄ってきた。


ミナが叫ぶ。


「おばちゃん!!

 おかあさん、もう泣かへんねん!!」


母親は涙を浮かべながら言った。


「あなたが……

 私の孤独を救ってくれた……

 本当に……ありがとう」


トモエは優しく微笑んだ。


「ミナちゃんのお母さん。

 あんたは一人やないで」


ミナがトモエの手を握った。


「おばちゃん……

 また遊びに来てな!」


トモエは笑った。


「もちろんや」


---


◆ ◆ ◆


◆ 旅の終わり ―― そして新しい始まり


すべての地を巡り、

トモエたちは元の街へ戻ってきた。


ユウトが言う。


「おばちゃん……

 旅、終わったんやな……」


カイルは静かに言った。


「でも……

 世界はこれからも変わり続ける……」


リリアは微笑んだ。


「光と影が共にある世界……

 その始まりを見届けられて……

 本当に良かった……」


セイルはトモエに向かって言った。


「光の継承者。

 あなたの旅は終わりました。

 しかし――

 あなたの光は、これからも誰かを照らすでしょう」


トモエは空を見上げた。


(影の王……

 あんたは今、どこかで世界を見守っとるんやろな)


(うちは……

 これからも光を届けるで)


「よっしゃ。

 帰ってご飯作るで!」


ユウトが笑った。


「やった!!」


仲間たちの笑顔に囲まれながら、

おばちゃんは新しい世界の風を感じていた。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第77話では、

影の王との別れを経て、仲間たちと帰路につく“余韻の章”

が描かれました。


沈黙、怒り、孤独、絶望――

それぞれの影の地を巡り、

おばちゃんは多くの心を救い、

世界は光と影が共にある未来へ進み始めました。


今回の話は、

大きな戦いのあとの静かな時間、

仲間たちの成長、

そして“帰る場所”の温かさを描いた回です。


次回、第78話では

おばちゃんの日常へ戻る中で、

新しい世界の変化が少しずつ見えてくる

物語が描かれます。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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