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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第75話:『おばちゃん、光と影の未来を選ぶ』

世界の影が癒え、

影の神殿には静寂が戻っていた。


黒い霧は消え、

空気は澄み、

まるで長い夜が明けたような感覚が広がっていた。


ユウトが胸を撫で下ろしながら言う。


「おばちゃん……

 ほんまに……

 世界の影、消えたんやな……」


カイルも深く息を吐いた。


「沈黙、怒り、孤独、絶望……

 すべての影が癒されました。

 こんなこと……

 本当にできるなんて……」


リリアは涙を拭いながら微笑んだ。


「おばちゃんさん……

 あなたは……

 本当に光の継承者なんですね……」


セイルは静かに頷いた。


「世界の影は癒されました。

 しかし――

 まだ“最後の選択”が残っています」


トモエは影の王――少年の方を向いた。


少年は静かに立ち、

その瞳には深い決意が宿っていた。


「光の継承者……

 あなたに……

 未来を選んでほしい」


トモエは眉をひそめた。


「未来……?」


少年は頷いた。


「光と影の未来。

 世界をどう導くのか……

 それを決めるのは……

 あなたなんだ」


---


◆ ◆ ◆


◆ 光と影の“二つの道”


少年は手を広げた。


すると、

神殿の中央に二つの光景が浮かび上がった。


一つは――

まばゆい光に満ちた世界。


もう一つは――

柔らかな影が寄り添う世界。


ユウトが息を呑む。


「おばちゃん……

 これ……?」


カイルは静かに言った。


「これは……

 光と影の“未来の可能性”……!」


リリアは胸を押さえた。


「どちらも……

 世界の姿……?」


セイルは頷いた。


「影の王が見せているのは、

 “選択肢”です。

 光だけの世界か、

 光と影が共にある世界か」


少年は静かに言った。


「光だけの世界は……

 痛みも悲しみも消える。

 影は完全に消滅し、

 世界は穏やかになる」


ユウトが驚く。


「そんな……

 そんな世界が……?」


カイルは眉を寄せた。


「でも……

 影が消えるということは……

 心の痛みも、弱さも、

 全部“なかったこと”になる……?」


リリアは震える声で言った。


「それって……

 人の心が……

 薄くなるってこと……?」


少年は続けた。


「もう一つの道は……

 光と影が共にある世界。

 痛みも悲しみも消えない。

 でも……

 誰かが寄り添えば、

 影は優しくなる」


トモエは二つの光景を見つめた。


光だけの世界は美しかった。

痛みも悲しみもない。

誰も泣かない。

誰も苦しまない。


しかし――

どこか“空っぽ”だった。


影のある世界は、

痛みも悲しみも残っていた。

でも――

人々は寄り添い、

支え合い、

涙を流しながらも前に進んでいた。


トモエは拳を握った。


(光だけの世界……

 確かに綺麗や)


(せやけど……

 影がない世界は……

 ほんまに幸せなんか?)


(影は……

 心が生きとる証拠や)


(痛みも、悲しみも、

 怒りも、孤独も、絶望も……

 全部、生きとる証や)


「影の王。

 うちは……

 決めたで」


---


◆ ◆ ◆


◆ おばちゃんの選択


少年は静かに問うた。


「光の継承者……

 あなたは……

 どちらの未来を選ぶ?」


トモエは迷わず答えた。


「光と影が共にある世界や」


ユウトが目を見開いた。


「おばちゃん……!」


カイルも息を呑んだ。


「光だけの世界を……

 選ばなかった……?」


リリアは涙をこらえながら言った。


「おばちゃんさん……

 どうして……?」


トモエは微笑んだ。


「影は悪やない。

 影は……

 心が生きとる証拠や」


「痛みも、悲しみも、

 怒りも、孤独も、絶望も……

 全部、誰かが生きた証や」


「それを“なかったこと”にするなんて……

 うちは嫌や」


少年は震えた。


「……光の継承者……

 あなたは……

 影を……

 受け入れるのか……?」


トモエは頷いた。


「受け入れるで。

 影は……

 光と一緒に歩くもんや」


少年は涙を流した。


「……ありがとう……

 光の継承者……

 あなたが選んだ未来は……

 きっと……

 世界を優しくする……」


その瞬間――

神殿全体が光に包まれた。


光と影が混ざり合い、

世界に新しい風が吹き始めた。


---


◆ ◆ ◆


◆ 光と影の調和


光が収まると、

少年――影の王は穏やかな表情で立っていた。


ユウトが言う。


「おばちゃん……

 影の王……

 なんか……優しい顔になってる……!」


カイルは微笑んだ。


「影が……

 光と調和したんだ……!」


リリアは涙を拭った。


「世界が……

 新しい姿に……!」


セイルは静かに言った。


「光と影の未来は、

 あなたの選択によって決まりました。

 これから世界は……

 “痛みを抱えながらも寄り添う世界”へと変わっていくでしょう」


少年はトモエに向かって言った。


「光の継承者……

 本当にありがとう。

 あなたが選んだ未来を……

 ぼくは守る」


トモエは微笑んだ。


「うちも守るで。

 光と影の世界を」


虎柄シャツが柔らかい光を受けて揺れ、

おばちゃんは新しい世界の始まりを見つめた。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第75話では、

光と影の未来を決める“最後の選択”

が描かれました。


光だけの世界は美しいけれど、

痛みも悲しみも“なかったこと”になる世界。


影のある世界は苦しみも残るけれど、

人が寄り添い、支え合い、

“生きた証”が残る世界。


おばちゃんは迷わず、

光と影が共にある未来

を選びました。


これは、

“痛みを否定しない”

“影を抱きしめる”

という、おばちゃんらしい優しさの選択。


次回、第76話では

影の王との別れ、そして新しい世界の始まり

が描かれます。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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