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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第65話:『おばちゃん、影の王へつながる手がかりを得る』

沈黙の影が消え、

村に声が戻ったあと。


谷には、

久しぶりに人々の話し声が響いていた。


ユウトが胸を撫で下ろしながら言う。


「おばちゃん……

 ほんまに、みんなの声が戻ったなぁ……!」


カイルも微笑んだ。


「沈黙の影が消えたことで、

 村全体の“心の重さ”が晴れたんですね」


リリアは涙を拭いながら言った。


「長老さんの声……

 あんなに優しい声だったなんて……」


セイルは静かに頷いた。


「沈黙の影は癒されました。

 しかし、影の王の気配はまだ消えていません」


トモエは空を見上げた。


(影の王……

 あんたは“世界の影”そのもの)


(沈黙の影は、その一端にすぎへん)


(次は……どんな影が待っとるんやろ)


そのとき――

長老がトモエたちに近づいてきた。


「光の継承者よ……

 あなたに伝えねばならぬことがある」


トモエは姿勢を正した。


「長老さん。

 なんや、大事な話なんか?」


長老はゆっくりと頷いた。


「沈黙の影が生まれたのは……

 わし一人の心のせいではない」


ユウトが驚く。


「えっ……

 長老さんだけやなかったん?」


長老は村の方を見つめながら言った。


「この谷には、

 “影の王”にまつわる古い伝承があるのじゃ」


カイルが息を呑む。


「影の王の……伝承……?」


リリアは胸を押さえた。


「そんなものが……

 この谷に……?」


セイルは静かに言った。


「沈黙の谷は、

 古代より“影の揺らぎ”が最初に現れる場所。

 伝承が残っていても不思議ではありません」


長老は語り始めた。


---


◆ ◆ ◆


◆ 古い伝承 ―― 四つの影


「この世界には、

 “影の王”に連なる四つの影があると言われておる」


ユウトが首をかしげる。


「四つ……?」


長老は指を折りながら言った。


「沈黙、怒り、孤独、そして――絶望」


カイルは息を呑んだ。


「沈黙の影……

 怒りの影……

 孤独の影……

 絶望の影……」


リリアは震える声で言った。


「それが……

 影の王へつながる影……?」


長老は頷いた。


「影の王は、

 この四つの影を“柱”として存在しておる。

 沈黙の影が揺らいだということは……

 他の影も動き始めているということじゃ」


トモエは拳を握った。


(沈黙の影は癒した。

 せやけど……

 まだ三つ残っとる)


(怒り、孤独、絶望……

 どれも、心の深いところにある影や)


「長老さん。

 次の影はどこにおるんや?」


長老は北の空を指差した。


「“怒りの影”は……

 火山地帯に現れると言われておる。

 炎と地鳴りの中で、

 人々の怒りが影となって暴れるのじゃ」


ユウトが青ざめる。


「怒りの影……

 なんか……めっちゃ怖そうや……」


カイルは真剣な表情で言った。


「怒りは……

 心の中で最も爆発しやすい影……

 沈黙よりも危険かもしれません」


リリアは胸に手を当てた。


「怒りの影が暴れれば……

 街や村が壊れてしまう……」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 次に向かうべきは“火山地帯”です」


トモエは深呼吸した。


(怒りの影……

 誰かの心の叫びが、

 炎の中で暴れとるんやろな)


(うちは……

 その影を癒したる)


「よっしゃ。

 次は火山地帯へ向かうで!」


ユウトが拳を握る。


「うん!

 おばちゃんと一緒に行く!」


カイルも頷いた。


「怒りの影……

 必ず癒しましょう」


リリアは涙をこらえながら言った。


「おばちゃんさん……

 あなたの光なら……

 きっと届きます……!」


セイルは静かに言った。


「影の王の気配は、

 確実に強まっています。

 急ぎましょう」


トモエは空を見上げた。


(影の王……

 あんたの影、全部癒したる)


虎柄シャツが風に揺れ、

おばちゃんは次の影の地へ向かって歩き出した。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第65話では、

沈黙の影を癒したあと、影の王へつながる“四つの影”の存在が明らかになりました。


沈黙、怒り、孤独、絶望。

これらは世界の影の“柱”であり、

影の王の力の源。


次に向かうのは――

火山地帯に潜む“怒りの影”。


沈黙とは違い、

怒りは爆発しやすく、

人々を傷つける力を持つ影。


次回、第66話では

怒りの影が暴れる火山地帯で、

おばちゃんが“怒りの本質”と向き合う

物語が描かれます。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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