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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第56話:『おばちゃん、新たな仲間と影の行方を追う』

街に満ちていた影の霧が消え、

広場にはようやく穏やかな空気が戻りつつあった。


ユウトが胸を撫で下ろす。


「おばちゃん……

 街、助かったんやな」


カイルも安堵の息をつく。


「影の核が消えたことで、

 街の人たちの不安も落ち着いたようです」


リリアは涙を拭いながら言った。


「本当に……

 おばちゃんさんのおかげです……」


トモエは首を振った。


「うち一人の力やない。

 ユウトも、カイルも、リリアさんも……

 みんながおったからや」


しかし――

胸の奥のざわつきは消えなかった。


(ルクス……

 あんたはまだどこかにおる)


(影の幼体が街に現れたんは、

 あんたが“居場所”を探しとる証拠や)


(せやけど……

 影の居場所ってなんや)


トモエは空を見上げた。


「よっしゃ。

 ルクスの痕跡、追いに行くで」


ユウトが拳を握る。


「うん!

 次は絶対に見つける!」


カイルも頷く。


「影の主を救うために……

 僕たちも強くならないと」


リリアは胸に手を当てた。


「私も……

 最後までお供します」


そのとき――


――カツン。


石畳を踏む足音が響いた。


トモエたちが振り返ると、

一人の青年が立っていた。


黒い外套に身を包み、

鋭い目をした青年。


しかしその瞳は、

どこか優しさを秘めていた。


ユウトが小声で言う。


「おばちゃん……

 誰やろ、あの人……?」


カイルは警戒しながら杖を構える。


「影の気配は……感じません。

 でも……ただ者ではない……」


リリアは息を呑んだ。


「この人……

 どこかで……」


青年はゆっくりと近づき、

トモエの前で立ち止まった。


そして――

深く頭を下げた。


「あなたが……

 “光の継承者”ですね」


トモエは目を丸くした。


「えっ……

 なんでうちのこと知っとるん?」


青年は静かに顔を上げた。


「私は――

 セイル・アークライト。

 “影の研究者”です」


ユウトが驚く。


「影の……研究者!?」


カイルも息を呑む。


「そんな人が……本当に……?」


リリアは目を見開いた。


「アークライト……

 その名は……

 古代魔法の文献に……!」


セイルは頷いた。


「私の一族は代々、

 “光と影の均衡”を研究してきました」


「そして……

 あなたが遺跡で目覚めさせた影――

 “ルクス”」


「彼は……

 私の研究の“答え”でもある」


トモエは眉をひそめた。


「ルクスのこと……

 知っとるんか?」


セイルは静かに言った。


「ルクスは“影の主”ではありません」


ユウトが叫ぶ。


「えっ!?

 じゃあ……何なん!?」


セイルは続けた。


「ルクスは――

 “影の心”です」


カイルが息を呑む。


「影の……心……?」


リリアは震える声で言った。


「そんな存在……

 記録には……」


セイルは首を振った。


「記録には残されていません。

 影の心は……

 “光の継承者が現れた時にだけ生まれる影”」


トモエは胸がざわついた。


(光の継承者が現れた時にだけ……

 生まれる影……?)


(それって……

 うちのせいでルクスが生まれたってこと……?)


セイルはトモエの表情を読み取り、

静かに言った。


「誤解しないでください。

 影の心は“悪”ではありません」


「むしろ……

 光の継承者にとって必要な存在です」


ユウトが驚く。


「必要……?」


セイルは頷いた。


「光が心を照らすなら――

 影は心を“映す”」


「光だけでは見えないものを、

 影は映し出す」


「ルクスは……

 あなたの光に寄り添うために生まれた影なのです」


トモエは息を呑んだ。


(ルクスは……

 うちの光に寄り添う影……?)


(せやから……

 光を理解したいって言ったんか)


セイルは続けた。


「しかし……

 ルクスはまだ“未成熟”」


「影の心は、

 光の継承者と向き合うことで

 初めて“名を持つ影”として完成する」


「あなたがルクスを救うことが――

 影と光の均衡を保つ唯一の方法です」


トモエは拳を握った。


「ルクスを……

 救う……」


ユウトが言う。


「おばちゃん……

 ルクスは敵やないんやな」


カイルも頷く。


「影の心……

 光と影の均衡……

 僕たちが向き合うべき相手……」


リリアは涙をこらえながら言った。


「おばちゃんさん……

 あなたなら……

 きっとルクスを救えます……!」


セイルは静かに言った。


「私も同行します。

 ルクスを追う旅に」


トモエは微笑んだ。


「よっしゃ。

 ほな、セイルさんも一緒に行こか」


セイルは深く頷いた。


「光と影の均衡のために」


こうして――

新たな仲間を迎え、

おばちゃんたちは再び旅に出る。


影の心“ルクス”を救うために。


虎柄シャツが風に揺れ、

おばちゃんは新たな一歩を踏み出した。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第56話では、

新たな仲間・セイルの登場と、

ルクスの正体の一端が明かされました。


ルクスは敵ではなく、

“光の継承者に寄り添うために生まれた影”。

光と影の均衡を象徴する存在です。


おばちゃんの光があるからこそ、

ルクスという影が生まれた。


そして、

その影を救うことこそが

光の継承者の使命。


次回、第57話では

ルクスの痕跡を追う旅の再開と、

最初の影の試練

が描かれます。


読んでくださる皆皆さまの応援が、

私にとっての“光”です。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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