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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第54話:『おばちゃん、影の行方を追い始める』

南の遺跡を後にしたトモエたちは、

草原を抜け、街へ戻る道を歩いていた。


ユウトが空を見上げながら言う。


「おばちゃん……

 空の色、まだ変やなぁ」


カイルも眉を寄せる。


「影の気配……

 遺跡から離れても消えませんね」


リリアは胸に手を当てた。


「影の主“ルクス”……

 あの存在は、まだどこかにいます」


トモエは歩きながら、

胸の奥に残るざわつきを感じていた。


(ルクス……

 あんたは光を理解したい影)


(せやけど……

 影の幼体が現れたってことは、

 あんたの“残りかす”が散らばっとる)


(放っといたら、また誰かの心を喰うかもしれへん)


「よっしゃ。

 まずは街に戻って、情報集めるで」


ユウトが頷く。


「うん!

 街の人らも心配してるやろしな」


カイルも言う。


「影の幼体が現れた以上……

 街にも影が向かっている可能性があります」


リリアは不安そうに言った。


「影が街に……

 そんなことになったら……!」


トモエは拳を握った。


「うちは街を守る。

 絶対に影なんかに負けへん」


---


◆ ◆ ◆


◆ 街へ戻る途中の異変


街へ向かう道の途中。

風が急に冷たくなった。


ユウトが身をすくめる。


「おばちゃん……

 なんか、寒ない?」


カイルも周囲を見渡す。


「影の気配……

 また強くなってる……!」


リリアは震える声で言った。


「これは……

 “影の残滓”が集まっている……?」


トモエは地面に手を当てた。


(影が……

 街の方角へ流れていっとる)


(まるで……

 何かに引き寄せられるみたいや)


「みんな、急ぐで!」


三人は頷き、

街へ向かって走り出した。


しかし――

その途中で、

道の真ん中に“黒い染み”のようなものが広がっていた。


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!

 あれ……影や!!」


カイルが震える声で言う。


「影の幼体が……

 集まってる……!」


リリアは顔を青くした。


「こんなに……

 一度に……?」


トモエは前に出た。


「大丈夫や。

 うちが照らしたる」


影の幼体たちは、

まるで怯えた子どものように震えていた。


「……さむい……」

「……こわい……」

「……ひとり……」


ユウトが胸を押さえる。


「おばちゃん……

 この影ら……泣いてる……」


カイルも言う。


「これは……

 悪意の影じゃない……

 “迷子の影”です……!」


トモエはしゃがみ込み、

影たちに手を伸ばした。


「大丈夫や。

 怖くないで」


――パァァァッ。


光が影たちを包み、

影は静かに溶けていった。


リリアは涙を拭った。


「おばちゃんさん……

 あなたの光は……

 本当に影を癒すんですね……」


トモエは立ち上がった。


(影がこんなに集まるなんて……

 これはただの偶然やない)


(ルクス……

 あんた、どこにおるんや)


---


◆ ◆ ◆


◆ 街の近くで見つかった“影の痕跡”


街が見えてきた頃。

ユウトが突然立ち止まった。


「おばちゃん……

 あれ見て!」


街の外れの地面に、

黒い“線”のようなものが伸びていた。


カイルが近づいて調べる。


「これは……

 影の主が通った痕跡……!」


リリアは息を呑む。


「ルクスが……

 街へ向かった……?」


トモエは拳を握った。


(ルクス……

 あんた、街に何しに行ったんや)


(街の人らは……

 心が温かい人ばっかりや)


(せやけど……

 その分、影も生まれやすい)


「急ぐで!!」


四人は街へ駆け出した。


---


◆ ◆ ◆


◆ 街の異変


街の門に着くと、

門番の男が青ざめた顔で駆け寄ってきた。


「おばちゃんさん!!

 大変なんです!!」


トモエが息を切らしながら言う。


「何があったん!?」


門番は震える声で言った。


「街の中で……

 “黒い霧”が現れたんです!!」


ユウトが叫ぶ。


「黒い霧……

 影や!!」


カイルも顔を青くする。


「影の主の残滓……

 街に入り込んだんです……!」


リリアは胸を押さえた。


「街の人たちが……

 影に怯えている……!」


トモエは深呼吸した。


(街に影が……

 これはうちの責任や)


(うちが光を持っとる限り、

 影は生まれる)


(せやけど……

 うちは逃げへん)


「よっしゃ。

 街を救いに行くで!!」


ユウトが叫ぶ。


「うん!!」


カイルも頷く。


「影を……

 癒しましょう!」


リリアは涙をこらえながら言った。


「私も……

 最後まで戦います……!」


虎柄シャツが風に揺れ、

おばちゃんは街の中へと駆け込んだ。


影の主“ルクス”の痕跡を追いながら――。




ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第54話では、

ルクスの痕跡が街へ向かっていること

そして

影の幼体が大量に現れ始めたこと

が描かれ、物語は次の大きな局面へ進みました。


影は悪ではなく、

心の一部。

しかし“名を持つ影”ルクスは、

ただの影ではありません。


街に現れた黒い霧。

影に怯える人々。

そして、ルクスが残した“光の名”。


次回、第55話では

街で起きる影の騒動と、ルクスの本当の目的の一端

が明らかになります。


読んでくださる皆さまの応援が、

私にとっての“光”です。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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