表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/121

第46話:『おばちゃん、南の遺跡へ向かう道で出会う』

朝日が街を照らし始めた頃、

トモエ、ユウト、カイルの三人は街の門を出発した。


「おばちゃん、今日はどこまで行くん?」

ユウトが地図を覗き込みながら聞く。


「せやなぁ……

 南の遺跡までは三日かかるらしいし、

 今日は“風見の丘”まで行けたら上出来や」


カイルが頷く。


「風見の丘なら、野営にも向いてますし……

 魔物も少ないはずです」


トモエは笑った。


「ほな、のんびり行こか。

 旅は急いだらあかん」


三人は街道を歩きながら、

時折吹く春の風に頬を撫でられた。


(旅って……ええもんやなぁ)


(街の外の空気は、なんか胸が広がるわ)


---


◆ 道中の小さな事件


昼過ぎ。

三人は森の中の道を歩いていた。


ユウトが突然立ち止まる。


「おばちゃん……なんか聞こえへん?」


「ん? なんの音や?」


耳を澄ますと――


「キャアアアアアッ!!」


甲高い悲鳴が森の奥から響いた。


カイルが青ざめる。


「誰か……襲われてる!?」


トモエは即座に走り出した。


「行くで!!」


三人が森の奥へ駆け込むと、

そこには――


小さな馬車と、倒れた護衛の男。

 そして、少女を囲む三匹の魔物。


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!」


トモエは杖を構えた。


「マナバースト!!」


――パァァァァァッ!!


光の衝撃波が魔物を吹き飛ばす。


少女は驚いたように目を見開いた。


「えっ……光の魔法……?」


カイルが少女に駆け寄る。


「大丈夫ですか!?

 怪我は……?」


少女は震えながらも頷いた。


「だ、大丈夫……です……

 助けてくれて……ありがとう……!」


ユウトが護衛の男を確認する。


「おばちゃん!

 この人、気絶してるだけや!」


「よかったわ……

 命に別状はなさそうやな」


少女は深く頭を下げた。


「本当に……ありがとうございます。

 私……旅の途中で……」


トモエは優しく言った。


「落ち着き。

 名前、教えてくれる?」


少女は胸に手を当てた。


「私は……

 リリア・フェンリース といいます」


カイルが驚いたように目を見開く。


「フェンリース……?

 南の大貴族の……?」


リリアは小さく頷いた。


「はい……

 私は南の領地の者です。

 “ある場所”へ向かっていたのですが……」


トモエは眉をひそめた。


「ある場所?」


リリアは少し迷ったあと、

静かに言った。


「“南の遺跡”です」


三人は息を呑んだ。


---


◆ リリアの目的


焚き火を囲みながら、

リリアは事情を話し始めた。


「南の遺跡には……

 “光の魔法使い”の記録が残っていると言われています」


ユウトが身を乗り出す。


「光の魔法使い……!

 おばちゃんと関係あるん?」


トモエは苦笑した。


「うちはただの大阪のおばちゃんやで」


リリアは首を振った。


「いいえ。

 あなたの魔力……

 “光の継承者”の特徴と一致しています」


カイルが驚く。


「光の継承者……

 手紙にも書いてあった言葉……!」


リリアは続けた。


「私は……

 “光の継承者を探すように”と

 家の者から命じられました」


トモエは目を細めた。


(光の継承者……

 うちのことなんか?)


(それとも……ユウト?

 カイル?)


リリアはトモエを見つめた。


「あなたの光……

 とても温かい。

 影を祓うだけでなく、

 “心を照らす光”です」


トモエは照れくさく笑った。


「そんなん言われたら……

 うち、くすぐったいわ」


ユウトが言う。


「リリアさんも遺跡に行くんやったら……

 一緒に行こ!」


カイルも頷く。


「護衛の方が回復するまで、

 僕たちが守ります」


リリアは目を潤ませた。


「……ありがとうございます。

 本当に……心強いです」


トモエは笑った。


「ほな、明日からは四人旅やな」


---


◆ 夜の森で


その夜。

トモエは焚き火の前で、

手紙を取り出した。


(光の継承者……

 二つの心……

 扉を開く……)


(リリアの言う“光の魔法使い”と

 関係あるんやろか)


ユウトが隣に座る。


「おばちゃん、眠れへんの?」


「ちょっとな。

 考えることが多いわ」


ユウトは空を見上げた。


「僕……

 おばちゃんと旅できて嬉しいで」


トモエは笑った。


「うちもや。

 ユウトがおるから、うちは光れたんや」


ユウトは照れながら言った。


「僕も……

 おばちゃんみたいな光になりたい」


トモエはユウトの頭を撫でた。


「なれるで。

 あんたはもう、立派な光や」


そのとき――

風が吹き、

手紙が淡く光った。


「……え?」


カイルが駆け寄る。


「おばちゃん先生!

 手紙が……!」


リリアも驚く。


「これは……

 “導きの光”……!」


手紙の光は、

南の方角を指し示していた。


トモエは立ち上がった。


「どうやら……

 うちらを呼んどるみたいやな」


ユウトが言う。


「おばちゃん……

 行こ!」


トモエは頷いた。


「よっしゃ。

 明日、南の遺跡へ向かうで!」


虎柄シャツが焚き火の光を反射し、

新たな冒険の幕が上がった。


ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第46話では、

“南の遺跡へ向かう旅の始まり”と、

新キャラ リリア・フェンリース の登場を描きました。


彼女は物語の次の鍵を握る人物であり、

おばちゃんたちの旅に新しい風を吹き込む存在です。


封印された手紙の光、

光の継承者、

二つの心、

そして南の遺跡――


物語はここから、

さらに深い謎と新しい出会いへと進んでいきます。


読んでくださる皆さまの応援が、

私にとっての“光”です。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ