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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第42話:『おばちゃん、新しい日常を歩き出す』

北の山から帰還して数日。

街には、久しぶりに穏やかな朝が訪れていた。


市場の通りには人々の声が戻り、

パン屋の香ばしい匂い、

鍛冶屋の金属音、

子どもたちの笑い声――


どれもこれも、

“日常”という宝物のように感じられた。


トモエは宿屋の窓を開け、

深呼吸した。


(ああ……平和ってええなぁ)


ミーナが笑顔で声をかけてきた。


「おばちゃんさん、今日も元気そうですね」

「そら元気やで。

 あんだけ戦ったあとや、元気にならな損や」


ミーナはくすっと笑った。


「街の人たち、みんな言ってますよ。

 “おばちゃんさんが帰ってきてくれてよかった”って」


トモエは照れくさく頭をかいた。


「そんなん言われたら……

 うち、泣いてまうやろ」


---


◆ 街の復興と、みんなの“その後”


市場へ向かうと、

すぐに声が飛んできた。


「おばちゃん!!」

「来てくれたんか!!」


バルドが大きく手を振る。


「おう、トモエ!

 見てみい、店の前、全部片付けたんや!」


鍛冶屋の前には、

新しく作られた看板が立っていた。


《北の山遠征隊・前衛担当 バルドの店》


トモエは吹き出した。


「なんやその肩書き」

「ええやろ! 誇りや!」


エリナが魔法学校の生徒たちを連れてやってくる。


「おばちゃんさん、今日の授業で

 “光の魔力の安定化”を教えてほしいって

 生徒たちが言ってて」


「えっ、うちが教えるん?」

「もちろんです。

 あなたは“光の専門家”ですから」


トモエは照れながらも頷いた。


(うち……先生みたいやなぁ)


サラは郵便局の仲間たちと一緒に、

魔法生物の世話をしていた。


「おばちゃんさん!

 この子たち、最近すごく元気なんです!」


「そらよかったわ。

 影の悪意が消えたからやろな」


サラは嬉しそうに頷いた。


カイルは少し離れた場所で、

杖を握りしめながら練習していた。


「おばちゃん先生……

 僕、もっと強くなりたい。

 誰かを守れるくらいに」


「カイル……

 あんたはもう十分強いで」


「……ほんまに?」


「ほんまや。

 あんたは自分の弱さと向き合えた。

 それが一番の強さや」


カイルは涙をこらえながら笑った。


---


◆ 影の核の“その後”


その日の夕方。

トモエは街の外れにある小さな丘へ向かった。


風が心地よく吹き、

草が揺れている。


(ここに来ると……落ち着くなぁ)


トモエは空を見上げた。


(影の核……

 あの子、どうしてるんやろ)


そのとき――

風の中に、かすかな声が聞こえた。


「……ありがとう……」


トモエは目を見開いた。


「……あんたか?」


風が優しく頬を撫でる。


「……もう……苦しくない……

 光が……あたたかい……」


トモエは微笑んだ。


「そっか……

 よかったなぁ」


「……トモエ……

 あなたの光は……

 “人を照らす光”……」


「……どうか……

 これからも……」


声はそこで途切れた。


トモエは空に向かって言った。


「任しとき。

 うちは……これからも光るで」


---


◆ 新しい日常の始まり


夜。

街の広場では、

北の山遠征隊の帰還を祝う宴が開かれていた。


「おばちゃん! たこ焼き焼いてや!」

「今日はおばちゃんが主役やで!!」

「ユウトくんも英雄や!!」


ユウトが照れながら言う。


「おばちゃん……

 僕、こんなに祝ってもらったの初めてや」


「そらそうや。

 あんたは街を救った英雄やで」


ユウトは嬉しそうに笑った。


「おばちゃんと一緒に戦えて……

 ほんまによかった」


トモエはユウトの頭を撫でた。


「うちもや。

 あんたがおったから、うちは光れたんや」


宴は夜遅くまで続き、

街は笑顔と光で満ちていた。


(ああ……

 この街が……うちの居場所なんや)


トモエは静かに目を閉じた。


(これからも……

 みんなと一緒に生きていく)


虎柄シャツが夜風に揺れ、

おばちゃんは新しい日常へと歩き出した。



ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


北の山編は、

おばちゃんの“光”の正体、

仲間たちの成長、

影の核の悲しい過去、

そして“悪意の根源”との決着――

物語の大きな節目となる章でした。


読者の皆さまの応援があったからこそ、

ここまで書き切ることができました。


感想、ブクマ、評価、そして静かに読んでくださっている皆さま。

そのすべてが、私にとっての“光”です。


これからも、おばちゃんの物語は続きます。

街の日常、新しい出会い、そして次なる冒険へ――

どうか、これからも見守っていただければ嬉しいです。


本当に、ありがとうございます。

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