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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第41話:『おばちゃん、街へ帰る』

影の根源が光に溶けて消えたあと、

虚無の空間には静寂だけが残った。


ユウトが息を整えながら言った。


「おばちゃん……ほんまに……終わったんやね」

「せやな。長かったけど……終わったで」


バルドが大きく息を吐く。


「はぁ……生きて帰れるとは思わんかったわ」

「お前が光らせすぎて、目ぇチカチカするくらいや」


エリナが微笑む。


「でも……その光が、この世界を救ったんです」


サラが魔法生物を抱きしめる。


「この子たちも……安心してる。

 もう“悪意”の気配がないって」


カイルが杖を握りしめたまま、ぽつりと言った。


「おばちゃん先生……

 僕……あなたに出会えてよかった」


トモエは照れくさく笑った。


「みんな……ありがとうな。

 うち一人やったら、絶対ここまで来られへんかった」


そのとき――


虚無の奥に、

“出口”のような光が現れた。


ユウトが指差す。


「おばちゃん! あれ……帰り道や!」


バルドが頷く。


「よし、帰るぞ!

 街の連中が待っとる!」


エリナが微笑む。


「帰りましょう。

 みんな、あなたたちを信じて待っています」


トモエは深呼吸した。


(帰るんや……

 あの街に……みんなのところに)


「よっしゃ。

 帰ろか、みんな!」


---


◆ 光の道を抜けて


光の道を進むと、

次第に空気が温かくなり、

風の匂いが戻ってきた。


ユウトが嬉しそうに言う。


「おばちゃん! 風の匂いがする!」

「せやな……街の匂いや」


サラが魔法生物を飛ばす。


「この子たちも……帰り道がわかるみたい」


カイルが目を細める。


「光が……優しい……」


バルドが笑う。


「やっと帰れるんやなぁ……!」


エリナが言う。


「皆さん、本当に……よく頑張りました」


トモエは胸が熱くなった。


(ほんまに……帰れるんやな)


(あの街に……)


(みんなの笑顔がある場所に)


光が強くなり――


次の瞬間、

一行は北の山のふもとに立っていた。


---


◆ 街の人々との再会


ふもとに戻った瞬間、

遠くから声が聞こえた。


「おばちゃんたちや!!」

「帰ってきたで!!」

「ほんまに……帰ってきたんや!!」


街の人々が走ってくる。


市場のおっちゃん、

宿屋のミーナ、

魔法学校の生徒たち、

郵便局の仲間たち――


みんなが涙を浮かべていた。


ミーナが真っ先にトモエに抱きつく。


「おばちゃんさん……!!

 本当に……無事で……!!」


トモエは笑った。


「ただいまや、ミーナさん」


市場のおっちゃんが叫ぶ。


「おばちゃん!!

 街を救ってくれてありがとうな!!」


魔法学校の生徒たちがユウトに抱きつく。


「ユウト! 無事でよかった!!」

「ほんまに……心配したんやで!」


ユウトは照れながら笑った。


「ただいま……!」


バルドは仲間たちに肩を叩かれ、

エリナは生徒たちに囲まれ、

サラは郵便局の仲間に抱きしめられ、

カイルは教師たちに褒められていた。


トモエはその光景を見て、

胸がいっぱいになった。


(みんな……ほんまにうちらを待っててくれたんや)


(この街は……うちの帰る場所なんや)


---


◆ 街の代表からの言葉


街の中央に人々が集まり、

代表の老人が前に出た。


「おばちゃんさん……

 あなたは街を救ってくれた英雄です」


トモエは首を振った。


「うちは英雄やない。

 ただの大阪のおばちゃんや」


老人は微笑んだ。


「いいえ。

 あなたは“光”です」


「街の人々を照らし、

 影に飲まれそうになった心を救ってくれた」


「あなたが来てくれて……

 本当に良かった」


トモエは涙がこぼれそうになった。


(うちは……この世界に必要とされてる)


(それだけで……十分や)


---


◆ ユウトの言葉


ユウトがトモエの手を握った。


「おばちゃん……ありがとう」

「僕……おばちゃんに出会えてよかった」


トモエはユウトの頭を撫でた。


「ユウト……

 あんたがおったから、うちは頑張れたんやで」


ユウトは涙をこらえながら笑った。


「これからも……一緒におってな」


トモエは笑った。


「もちろんや」


---


◆ 街に戻る日常


人々は一行を街へと迎え入れ、

市場では即席の宴会が始まった。


「おばちゃん! たこ焼き焼いてや!」

「帰還祝いに飲み放題や!!」

「ユウトくん、英雄やで!!」


トモエは笑いながら言った。


「ほな、たこ焼き焼くで!!

 みんな、食べてや!!」


街は笑顔で満ちていた。


(ああ……帰ってきたんやな)


(この街が……うちの居場所なんや)


虎柄シャツが夕陽に照らされ、

おばちゃんは静かに微笑んだ。

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