第40話:『おばちゃん、影の根源を照らし切る』
虚無の空間全体を覆うほど巨大化した影の根源は、
まるで世界そのものが敵になったかのような圧迫感を放っていた。
「……光よ……トモエ……」
「……お前を……消し……世界を……闇に沈める……」
黒い霧が渦を巻き、
巨大な影の腕が何本も伸びてくる。
ユウトが叫ぶ。
「おばちゃん!! あいつ……本気や!!」
トモエは光を纏いながら前に出た。
「せやな。
ここで決めるで」
影の根源は低く笑った。
「……光は……影を生む……」
「……お前が光である限り……
我は……永遠に存在する……」
トモエは首を振った。
「違う。
光は……影を照らすためにあるんや」
影の根源が揺れた。
「……照らす……?」
トモエは胸に手を当てた。
「うちは……誰かを照らすために光っとるんや。
影を増やすためやない」
「せやから――
あんたを照らし切る!!」
光がさらに強くなる。
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◆ 影の根源の猛攻
影の根源が巨大な腕を振り下ろす。
「グォォォォォッ!!」
――ドォォォォォンッ!!
虚無の空間が揺れ、
黒い衝撃波が一行に襲いかかる。
バルドが剣を構える。
「《鉄壁斬》!!」
――ガァァァンッ!!
剣が折れそうなほどの衝撃が走る。
「ぐっ……!!
こいつ……強すぎる!!」
エリナが結界を張る。
「《光壁・最大展開》!!」
――パァァァッ!!
しかし、影の根源の力は結界を砕いた。
「きゃあっ!!」
「エリナ先生!!」
サラが魔法生物を抱きしめる。
「この子たち……限界や……!」
カイルが震える声で言った。
「僕……もう……魔力が……!」
ユウトが必死に立ち上がる。
「おばちゃん……僕ら……負けへん……!」
トモエは歯を食いしばった。
(あかん……みんなが限界や)
(うちが……なんとかせな)
影の根源が冷たく言った。
「……光よ……
お前の仲間は……弱い……」
「……お前が光である限り……
彼らは……影に飲まれる……」
トモエは影の根源を睨んだ。
「そんなわけ……」
「あるかい!!」
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◆ おばちゃんの“光”が覚醒する
トモエの体から光が溢れた。
――パァァァァァッ!!
影の根源が揺れる。
「……なに……?
この光……先ほどより……強い……?」
トモエは胸に手を当てた。
(うちは……一人やない)
(みんなが……うちを信じてくれてる)
(その想いが……うちの光を強くするんや)
「うちはな……
みんなの想いで光っとるんや!!」
光がさらに強くなる。
ユウトが涙を流す。
「おばちゃん……!」
バルドが叫ぶ。
「トモエ!!
その光……本物や!!」
エリナが言う。
「おばちゃんさんの光……
“心の光”です!!」
サラが魔法生物を飛ばす。
「この子たちも……光に反応してる!!」
カイルが震えながら言う。
「おばちゃん先生……
あなたは……本物の光や……!」
影の根源が怒り狂う。
「……光よ……!!
ならば……試してやろう……!!」
――ドクンッ!!
影の根源が虚無の空間全体を覆うほど巨大化した。
ユウトが叫ぶ。
「おばちゃん!!
あいつ……世界みたいに大きくなった!!」
トモエは深呼吸した。
(影の根源……)
(あんたを倒さな、この世界は救われへん)
(せやから――)
「みんな!!
うちは行くで!!」
仲間たちが叫ぶ。
「行けぇぇぇ!! おばちゃん!!」
「あなたならできます!!」
「光を届けて!!」
「僕らがついてる!!」
トモエは光を纏い、
影の根源へ向かって走り出した。
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◆ 光と影の激突
影の根源が巨大な影の腕を振り下ろす。
「グォォォォォッ!!」
トモエは叫んだ。
「マナシールド!!」
――ドォォォォォンッ!!
光の盾が影の腕を受け止める。
「ぐっ……!!
重い……!!」
影の根源がさらに力を込める。
「……光よ……
消えろ……!!」
トモエは歯を食いしばった。
(負けへん……!)
(みんなの想いが……うちを支えてる!!)
「マナバースト!!」
――パァァァァァッ!!
光が爆発し、
影の根源の腕が吹き飛ぶ。
「……ぐ……あああああ……!!」
ユウトが叫ぶ。
「おばちゃん!!
今や!!」
トモエは影の根源の中心へ向かって走る。
(影の根源……)
(あんたは……悪意の塊や)
(せやけど……)
(うちは……光や!!)
「マナブレイク!!」
――パァァァァァァァッ!!
光が影の根源の中心を貫いた。
影の根源が叫ぶ。
「……光よ……!!
なぜ……ここまで……強い……!!」
トモエは叫んだ。
「うちは一人やないからや!!
みんなの想いが……うちの光や!!」
影の根源の体が崩れ始める。
「……光よ……
お前は……強すぎる……」
「……だが……
影は……永遠に……」
トモエは首を振った。
「影は消えへん。
せやけど――
悪意は消せる!!」
「マナ・フィニッシュ!!」
――パァァァァァァァァァッ!!
虚無の空間が光に包まれ、
影の根源は完全に消滅した。
「……あ……り……が……と……う……」
最後に聞こえた声は、
怒りでも憎しみでもなく――
どこか、救われたような声だった。
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◆ 決着
光が収まり、
虚無の空間に静寂が戻る。
ユウトが駆け寄る。
「おばちゃん!! 大丈夫!?」
トモエは息を整えながら笑った。
「大丈夫や。
ちょっと疲れたけどな」
バルドが肩を叩く。
「よくやった!!
お前が……世界を救ったんや!!」
エリナが涙を拭う。
「おばちゃんさん……
本当に……光でした」
サラが魔法生物を抱きしめる。
「この子たちも……喜んでる……!」
カイルが震えながら言う。
「おばちゃん先生……
僕……あなたみたいになりたい……」
トモエは笑った。
「みんな……ありがとうな」
そして、虚無の空間の奥に
“出口”のような光が現れた。
(帰る時間やな)
「よっしゃ。
街に帰るで!!」
虎柄シャツが光を反射し、
仲間たちと共に光の中へ歩き出した。




