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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第37話:『おばちゃん、真の敵と対峙する』

第六層で影の核の“心”を救った一行は、

静まり返った空間の中でしばらく立ち尽くしていた。


ユウトが涙を拭いながら言った。


「おばちゃん……影の子、救えたんやね」

「せやな。あの子は……もう苦しまんでええ」


エリナが魔法陣を調べながら言った。


「影の核の“心”は浄化されました。

 でも……魔力の流れがまだ乱れています」


サラが魔法生物を抱きしめる。


「この子たち……まだ怯えてる。

 何かが……残ってる」


カイルが震える声で言った。


「影の核を救ったのに……

 なんでまだ……こんなに苦しいんや……?」


バルドが剣を構える。


「気ぃつけろ。

 まだ終わってへんぞ」


トモエは深呼吸した。


(影の核の心は救われた。

 せやけど……まだ“何か”がおる)


(それが……真の敵なんやろか)


---


◆ 最終層への扉


第六層の奥に、

巨大な黒い扉が現れた。


扉には古代文字が刻まれ、

中央には“光と影が交差する紋章”が描かれている。


ユウトが言った。


「おばちゃん……この扉……なんか怖い」

「せやな。ここが最終層や」


エリナが魔力を感じ取る。


「この扉の向こう……

 影の核とは違う“何か”がいます」


サラが震える声で言った。


「影の核より……もっと冷たい……」


カイルが呟く。


「これ……悪意や……」


バルドが剣を握りしめる。


「よし、行くぞ。

 ここで引き返すわけにはいかん」


トモエは扉に手を当てた。


(影の核の心は救われた。

 せやけど……影の“力”はまだ残ってる)


(その力を操ってる存在が……

 この扉の向こうにおる)


「よっしゃ。開けるで」


――ゴゴゴゴゴ……


扉がゆっくりと開いた。


---


◆ 最終層:虚無の間


扉の先は、

何もない“虚無”の空間だった。


床も壁も天井もなく、

ただ黒い霧が漂っている。


ユウトが震える声で言った。


「ここ……どこなん……?」

「わからん……けど、ここが最終層や」


エリナが魔力を感じ取る。


「魔力の流れが……完全に断絶してる……

 ここは……“世界の外側”に近い場所……?」


サラが魔法生物を抱きしめる。


「この子たち……完全に怯えてる……」


カイルが呟く。


「ここ……生き物がいていい場所やない……」


バルドが前に立つ。


「全員、気ぃつけろ。

 何が出てくるかわからんぞ」


そのとき――


――スゥ……


黒い霧が集まり、

巨大な“影の渦”が姿を現した。


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!」


トモエは一歩前に出た。


「来いや。真の敵」


霧が渦を巻き、

人の形を作り始める。


しかし――

影の核のような“人影”ではない。


もっと大きく、

もっと歪んでいて、

もっと“悪意”に満ちている。


エリナが息を呑む。


「これは……影の核じゃない……!」


サラが震える声で言った。


「こんなの……初めて見る……!」


カイルが後ずさる。


「これ……影の核の“心”とは違う……

 もっと……冷たい……!」


バルドが叫ぶ。


「おい、影の核の本体は救われたんやろ!?

 じゃあこいつはなんや!!」


トモエは影の渦を睨んだ。


(こいつ……影の核とは違う)


(影の核の“心”は救われた。

 せやけど……影の“力”はまだ残ってる)


(その力を操ってる存在……

 それがこいつなんや)


影の渦が低く笑った。


「……光よ……」


「……我は……影の核ではない……」


「……影の核を生んだ……“根源”だ……」


ユウトが震える。


「根源……?」


影の渦は続けた。


「……人の負の感情が集まって生まれた影……

 それは“核”にすぎない……」


「……だが……

 その負の感情を“増幅”させた存在……」


「……それが……我だ……」


エリナが青ざめた。


「まさか……

 影の核を苦しめていたのは……

 この“根源”……?」


サラが言った。


「影の子……

 本当は悪くなかったんや……」


カイルが震える声で言った。


「この“根源”が……

 影の核の心を歪めたんや……!」


バルドが叫ぶ。


「つまり……こいつが元凶ってことか!!」


影の根源は笑った。


「……光よ……トモエ……」


「……お前が光である限り……

 我は……無限に増える……」


「……光が強くなるほど……

 影は深くなる……」


トモエは拳を握った。


「せやから……

 あんたは影の核を苦しめたんか」


影の根源は言った。


「……光は……影を生む……」

「……お前が光である限り……

 我は……永遠に存在する……」


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!

 こいつ……おばちゃんの光を狙ってる!!」


トモエは影の根源を睨んだ。


(うちの光が……影を生む?)


(そんなわけ……)


(あるかい!!)


---


◆ おばちゃん、真の敵に宣戦布告


トモエは一歩前に出た。


「影の根源……

 あんたの言うこと、信じへん」


影の根源は揺れた。


「……なぜだ……?」


トモエは胸に手を当てた。


「光が影を生むんやない」


「影があるから……光が輝くんや」


「せやから――

 あんたは“光の敵”やない」


影の根源は沈黙した。


トモエは続けた。


「あんたは……

 “心を歪める悪意”そのものや」


「影の核の子を苦しめたんも……

 街を襲ったんも……

 全部あんたや」


「せやから――

 うちはあんたを許さへん!!」


――パァァァァァッ!!


トモエの体から光が溢れた。


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!」


バルドが剣を構える。


「よっしゃ!!

 やったれトモエ!!」


エリナが魔力を送る。


「おばちゃんさん……あなたならできます!!」


サラが魔法生物を飛ばす。


「光を……届けて!!」


カイルが杖を掲げる。


「おばちゃん先生……!!

 僕らがついてる!!」


トモエは叫んだ。


「影の根源!!

 うちはあんたを倒すために来たんや!!」


影の根源が咆哮した。


「……来い……光よ……!!」


黒い霧が渦を巻き、

最終決戦が始まろうとしていた。

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