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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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35/122

第35話:『おばちゃん、影の核の正体を知る』

第四層で影の核の“声”と対峙した一行は、

深い静寂の中、第五層へ続く階段を登っていた。


空気はさらに冷たく、

息をするたびに胸が締めつけられるような感覚が走る。


ユウトが不安そうに言った。


「おばちゃん……ここ、なんか変や」

「せやな。空気が……重すぎる」


エリナが魔力を感じ取りながら言った。


「第五層は……“影の核の本体”が近いはずです。

 魔力の密度が異常です」


サラが魔法生物を抱きしめる。


「この子たち……震えてる。

 ここ、相当危険や」


カイルが杖を握りしめた。


「僕……胸が苦しい。

 なんか……誰かに呼ばれてるみたい」


バルドが剣を構える。


「気ぃつけろ。ここからは本番や」


トモエは深呼吸した。


(影の核……)


(あんたの正体、確かめたる)


---


◆ 第五層:影の神殿


階段を登りきると、

そこには巨大な“神殿”のような空間が広がっていた。


天井は高く、

黒い結晶が無数に浮かび、

地面には古代文字のような魔法陣が刻まれている。


ユウトが震える声で言った。


「ここ……なんか、神殿みたいや」

「せやな……でも、神聖さはゼロや」


エリナが魔法陣を見て言った。


「これは……古代魔法の文字……?

 でも、どこか歪んでいる……」


サラが魔法生物を飛ばす。


「偵察……行かせるね」


しかし――


魔法生物は神殿に入った瞬間、

黒い霧に包まれ、消えた。


「えっ……!?」

「消えた……?」

「影の核の領域……完全に支配されてる」


カイルが震える声で言った。


「ここ……怖すぎる……」


バルドが前に立つ。


「全員、気ぃ引き締めろ。

 ここが……影の核の本拠地や」


トモエは神殿の奥を見つめた。


(……来る)


(あいつが……)


---


◆ 影の核、姿を現す


神殿の奥から、

黒い霧がゆっくりと集まり始めた。


「……光よ……」


「……来たか……」


霧が渦を巻き、

人の形を作り始める。


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!」


トモエは一歩前に出た。


「来いや。影の核」


霧が完全に形を成すと、

そこには――


黒いローブをまとった“人影” が立っていた。


顔は見えない。

ただ、赤い光だけが目の位置で揺れている。


エリナが息を呑む。


「……人型……?」

「影の核って……人の形してるん?」

「そんな……記録には……」


影の核は低く笑った。


「……我は……“影”」

「……この世界の負の感情の集合体……」


トモエは眉をひそめた。


「負の感情……?」


「……怒り……悲しみ……絶望……」

「……それらが集まり……我となった……」


サラが震える声で言った。


「じゃあ……魔物じゃない……?」


「……魔物ではない……」

「……この世界の“心”そのもの……」


カイルが息を呑む。


「心……?」


影の核は続けた。


「……光よ……トモエ……」

「……お前が来たことで……

 この世界の心は……揺れた……」


トモエは胸がざわついた。


「またそれか……

 うちが災い呼んだって言いたいんか?」


影の核は静かに言った。


「……そうだ……」

「……お前が光である限り……

 影は……増え続ける……」


ユウトが叫ぶ。


「嘘や!!

 おばちゃんは……街を救ってくれたんや!!」


影の核は冷たく笑った。


「……救った?

 違う……」


「……光が強くなれば……

 影もまた強くなる……」


「……お前が光である限り……

 我は……無限に増える……」


トモエは拳を握った。


(……うちが光やから、影が増える?)


(そんな……)


影の核は続けた。


「……お前がこの世界に来たのは……

 “偶然”ではない……」


「……この世界が……光を求めた……」

「……そして同時に……影も目覚めた……」


トモエは息を呑んだ。


(うちが……呼ばれた?)


(誰に……?)


影の核は言った。


「……お前は……この世界の“希望”」

「……そして……“災い”でもある……」


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃんは災いやない!!」


影の核は静かに言った。


「……ならば証明してみせろ……」


「……光よ……」

「……我を……消してみせろ……」


――ドクンッ!!


神殿全体が揺れ、

黒い霧が渦を巻き始めた。


---


◆ 影の核の攻撃


「来るぞ!!」


影の核が手をかざすと、

黒い雷が一行に向かって放たれた。


「うわぁぁぁっ!!」


バルドが剣で受け止める。


――ガァァァンッ!!


「ぐっ……重い!!」


エリナが結界を張る。


「《光壁・最大展開》!!」


――パァァァッ!!


しかし、影の雷は結界を貫いた。


「きゃあっ!!」

「エリナ先生!!」


サラが魔法生物を飛ばす。


「《光の羽》!!」


――ヒュンッ!!


しかし、影の核は微動だにしない。


「……無駄だ……」


カイルが叫ぶ。


「僕も……!!

 《光弾》!!」


――パァンッ!!


光弾は影の核に触れた瞬間、

霧に吸い込まれた。


「えっ……効いてない……?」


影の核は静かに言った。


「……光が弱い……」

「……心が揺れている……」


トモエは歯を食いしばった。


(うちの光……揺れてる?)


(そんな……)


影の核は続けた。


「……お前は迷っている……」

「……自分が光なのか……災いなのか……」


「……その迷いが……光を弱めている……」


トモエは胸に手を当てた。


(……迷ってる)


(確かに……迷ってる)


(うちは……この世界に必要なんか?

 それとも……災いなんか?)


ユウトが叫ぶ。


「おばちゃん!!

 迷ったらあかん!!」


トモエはユウトを見た。


「ユウト……」


ユウトは涙を流しながら言った。


「おばちゃんは……僕の光や!!

 街のみんなの光や!!」


「災いやなんて……絶対違う!!」


バルドも叫ぶ。


「トモエ!!

 お前が来てから街は救われたんや!!」


エリナが言う。


「あなたの光は……人の心を照らす光です!!」


サラが言う。


「おばちゃんさんがいなかったら……

 私たち、何度も危なかった……!」


カイルが叫ぶ。


「おばちゃん先生は……僕の希望や!!」


トモエの胸が熱くなった。


(……そうや)


(うちは……一人やない)


(みんなが……うちを必要としてくれてる)


(それが……うちの光や)


---


◆ おばちゃんの“覚悟”


トモエは影の核を見据えた。


「影の核……

 あんたの言うこと、信じへん」


影の核は静かに言った。


「……なぜだ……?」


トモエは胸に手を当てた。


「うちは……この世界に必要とされてるからや」


「街の人にも……ユウトにも……

 みんなにも必要とされてる」


「せやから――

 うちは光や!!」


――パァァァァァッ!!


トモエの体から光が溢れ、

神殿全体を照らした。


影の核が揺れる。


「……光……!!

 なぜ……ここまで……強い……!!」


トモエは叫んだ。


「うちは一人やないからや!!」


光が影の核にぶつかり、

黒い霧が吹き飛んだ。


「……ぐ……あああああ……!!」


影の核の“本体”が一瞬だけ露わになった。


それは――


人間の形をした“影” だった。


トモエは息を呑んだ。


(……人間?)


(影の核って……人なん?)


しかし、影の核は霧をまとい、

姿を隠した。


「……光よ……

 次は……第六層で……」


影の核の声が消え、

神殿は静寂に包まれた。


---


◆ 第五層突破


ユウトが駆け寄る。


「おばちゃん!! 大丈夫!?」

「大丈夫や……ちょっと疲れたけどな」


バルドが肩を叩く。


「よくやった!!

 お前の光、影の核に届いてたぞ!」


エリナが分析する。


「影の核……

 人間の形をしていました……」


サラが言う。


「影って……人の心から生まれたんやね……」


カイルが震える声で言った。


「おばちゃん先生……

 僕……もっと強くなる」


トモエは笑った。


「みんな……ありがとうな」


そして、第六層へ続く道を見つめた。


(影の核……)


(あんたの正体……必ず暴いたる)


「よっしゃ。

 第六層、行くで!!」


虎柄シャツが風に揺れた。

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