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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第24話:『おばちゃん、魔法図書館の封印を解く』

リューネの朝は、今日も穏やかだった。

しかし、トモエの胸には、昨日の劇場での大騒ぎの余韻が残っていた。


(舞台って……あんなに疲れるもんなんやなぁ)


宿屋の女将・ミーナが笑顔で言った。


「おばちゃんさん、昨日の公演……すごかったですね」

「いやぁ……あれはもう二度とやらんわ」

「劇団の人たち、また来てほしいって言ってましたよ」

「絶対断る!」


ミーナはくすっと笑った。


「今日はどこへ行くんです?」

「今日はなぁ……静かなとこ行きたいわ」

「静かなところ……なら、魔法図書館なんてどうです?」

「図書館? ええやん!」


トモエは虎柄シャツを整え、静けさを求めて魔法図書館へ向かった。


---


◆ 魔法図書館へ


市場に着くと、ユウトが手を振っていた。


「おばちゃん! 今日は図書館行くんやろ?」

「なんで知ってんの?」

「ミーナさんが言ってた」

「情報回るの早すぎるやろ!」


ユウトは笑った。


「図書館、僕も好きなんだ。案内するよ!」

「頼むわ」


二人は街の中央にある大きな建物へ向かった。


【リューネ魔法図書館】


白い大理石の柱が立ち並び、魔力で浮かぶ本が入口を飾っている。


トモエは目を丸くした。


「うわぁ……めっちゃ綺麗やん!」

「ここ、街で一番静かな場所なんだよ」


扉を開けると、魔力で光るランプがふわりと浮かび、

本棚が迷路のように並んでいた。


---


◆ 図書館の司書


カウンターには、銀髪の女性が座っていた。

静かな雰囲気だが、どこか鋭い目をしている。


「いらっしゃいませ。リューネ魔法図書館へようこそ」

「お邪魔します〜」

「あなたが……噂のトモエさんですね」

「なんで知ってんの!?」

「街中で有名ですよ。“虎柄の守り人”と」


「守り人は言いすぎや!」


司書は微笑んだ。


「どうぞ、ごゆっくり。ですが――」

「ですが?」

「“封印書庫”には近づかないようにお願いします」

「封印書庫?」

「危険な魔法書が保管されている場所です。一般の方は立ち入り禁止です」


トモエは頷いた。


「わかったわ。うちは静かに本読むだけや」


(……と言いつつ、なんか嫌な予感するなぁ)


---


◆ 図書館の探索


ユウトと一緒に本棚を歩く。


「おばちゃん、これ見て! “魔法料理大全”!」

「昨日の大会で優勝したから、もうええわ!」

「じゃあこれは? “魔力の歴史”」

「難しそうやなぁ……」


トモエはふと、一冊の本に目を奪われた。


【初心者でもできる! 魔力の安定術】


「これ……うちに必要やん」


本を開こうとした瞬間――


――ピカッ。


本が光り、トモエの手を弾いた。


「痛っ!」

「おばちゃん、大丈夫!?」

「なんやこれ……?」


司書が駆け寄ってきた。


「その本は……魔力が強すぎる人には反応するんです」

「え、うちそんなに強いん?」

「はい。あなたほどの魔力保持者は、王都でも滅多にいません」


トモエは頭を抱えた。


「またや……」


---


◆ 封印書庫の異変


そのとき――


――ゴゴゴゴゴ……


図書館全体が揺れた。


「な、なんや!?」

「地震……?」

「違う……封印書庫のほうだ!」


司書が青ざめた。


「封印が……弱まっている!?」


ユウトが叫んだ。


「おばちゃん! あっちから魔力が漏れてる!」


封印書庫の扉が、紫色の光を放っていた。


「誰かが……封印を触ったのか……?」

「いや、誰も近づいてへんかったで?」


司書は震える声で言った。


「封印が……自動的に反応している……?」

「なんで?」

「強大な魔力が近づいたとき……封印は“敵”と判断するのです」


トモエは固まった。


「……もしかして、うち?」

「おそらく」


「なんでやねん!!」


---


◆ 封印書庫、開く


――バキィィィィンッ!!


封印書庫の扉が破れ、黒い霧が溢れ出した。


「きゃあああっ!」

「魔力が暴走してる!」

「危険です! 離れて!」


司書が叫んだ。


「封印書が……外へ出ようとしている!」


トモエは腕まくりした。


「よっしゃ、うちが止めたる!」

「おばちゃん、危ないよ!」

「危ないから行くんや!」


---


◆ 封印書との対決


黒い霧の中心に、一冊の古い本が浮かんでいた。


【禁呪大全】


「なんやこれ……めっちゃ嫌な雰囲気やん」


本が勝手にページをめくり、黒い魔法陣を展開し始めた。


「シャアアアアッ!!」


黒い魔力がトモエに襲いかかる。


「こら! 暴れんとき!」


トモエは手をかざした。


「マナシールド!!」


――ドォォォォォンッ!!


光の盾が黒い魔力を弾く。


司書が叫んだ。


「その本は……魔力を吸収して強くなるんです!」

「え、吸収!?」

「魔力をぶつけると逆効果です!」


トモエは固まった。


「どうしたらええん!?」


ユウトが叫んだ。


「おばちゃん! “くしゃみ”なら……魔力が暴走して逆に壊せるんじゃない!?」

「なんでそんな発想になるん!?」

「だって、おばちゃんのくしゃみ……魔力の制御できてないし!」

「失礼な!」


しかし――


「……へっ……へっ……」


(あかん……来る……!)


「へくしっ!!」


――ドォォォォォンッ!!


図書館全体が光に包まれ、黒い本が吹き飛んだ。


「ぎゃああああっ!!」

「封印書が……浄化されていく!」

「おばちゃんのくしゃみ……すごすぎる!」


黒い霧が消え、本は静かに床に落ちた。


---


◆ 司書の感謝


司書は震えながら言った。


「トモエさん……あなたは……」

「またやってもうたわ……」

「いえ……あなたのおかげで、図書館は救われました」

「そうか?」

「ええ。あなたは……やはり“光”です」


トモエは照れくさそうに笑った。


「光って……うちは虎柄のおばちゃんやで?」

「虎柄の光でも、立派な光です」


ユウトが笑った。


「おばちゃん、今日もすごかったよ!」

「せやろ? うちはやるときはやる女やねん」


---


◆ 夕暮れの帰り道


図書館を出ると、夕日が街を赤く染めていた。


トモエは空を見上げた。


(占い師の言う“災い”……まだ続きがあるんやろか)


ユウトが言った。


「おばちゃん、また街を救ったね」

「いやぁ……たまたまや」

「でも、おばちゃんがいると安心するよ」

「そうか?」

「うん。みんなそう思ってる」


トモエは胸が温かくなった。


「よっしゃ。明日も頑張るで」


虎柄シャツが夕風に揺れた。

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