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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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209/211

第209話:『おばちゃん、“炎の守人と向き合う”』

炎の心臓部を抜けた一行は、

赤い光に包まれた長い通路を進んでいた。


壁は脈打ち、

床は熱を帯び、

空気は揺らぎ、

まるで迷宮そのものが呼吸しているようだった。


ユウトは胸に手を当てた。


「おばちゃん……

 なんか……

 胸の奥がずっと熱い……

 覚悟の試練を越えたのに……

 まだ……

 燃えとるみたいや……」


トモエは前を見据えた。


「せやな……

 火の試練はまだ終わっとらん。

 次は“炎の道標”そのものや」


カザミは風をまといながら言った。


「炎の道標は……

 火の精霊の力の核。

 それを守る存在が必ずいる」


リリアは不安そうに言った。


「守る存在って……

 どんな……?」


カイルは地図を確認しながら言った。


「記録によると……

 “炎の守人”と呼ばれる存在がいるそうです……

 火の精霊とは別の……

 試練を与える存在……!」


セイルは静かに言った。


「火の守人は……

 “心の熱”を見極める。

 覚悟が本物かどうか……

 最後に試す存在だ」


エルミナは祈るように言った。


「……どうか……

 炎があなた方を拒みませんように……」


シアは前方を見つめた。


「来るよ……

 炎の守人が」


その瞬間──

通路の奥から、

赤い光が爆ぜた。


---


◆ ◆ ◆


◆ 炎の道標の間


一行が進むと、

巨大な円形の空間に出た。


中央には、

赤い宝珠が浮かんでいる。


宝珠は炎のように揺れ、

熱を放ち、

まるで生きているかのようだった。


ユウトは息を呑んだ。


「おばちゃん……

 あれ……

 炎の道標や……!」


トモエは宝珠を見つめた。


「せやな……

 あれが火の試練の核心や」


フレアの声が響いた。


『……よくぞここまで来た……

 だが……

 炎の道標は……

 容易には渡せぬ……

 “守人”が試す……』


リリアは震えた。


「守人……

 どこに……?」


カザミは風を読みながら言った。


「来る……

 熱が……

 集まってる……!」


その瞬間──

宝珠の周囲の炎が渦を巻き、

巨大な影が立ち上がった。


---


◆ ◆ ◆


◆ 炎の守人、現る


炎の守人は、

人の形をしていた。


だが、

その身体は炎そのもので、

輪郭は揺れ、

熱を放ち、

目は赤く輝いている。


ユウトは息を呑んだ。


「おばちゃん……

 あれ……

 火の精霊と違う……

 もっと……

 荒々しい……!」


カザミは震える声で言った。


「あれが……

 “炎の守人”……

 火の道標を守る存在……

 火の精霊よりも……

 試練に特化した存在……!」


リリアは胸を押さえた。


「なんか……

 胸が熱い……

 怖い……

 でも……

 逃げたくない……!」


カイルは汗を拭いながら言った。


「炎の守人は……

 “覚悟の炎”を見極める……

 覚悟が弱ければ……

 炎に焼かれる……!」


セイルは静かに言った。


「火は……

 心の熱を映す。

 覚悟が揺れれば……

 炎は荒れる」


エルミナは祈るように言った。


「……どうか……

 炎があなた方を飲み込みませんように……」


炎の守人は、

低く響く声で言った。


『……覚悟を見せよ……

 願いを燃やせ……

 その炎が……

 真に強いかどうか……

 試させてもらう……』


トモエは一歩前に出た。


「うちは……

 守りたいんや。

 ユウトも……

 みんなも……

 自分自身も……

 全部守りたいんや!」


炎の守人は炎を揺らした。


『……ならば……

 その炎……

 我に示せ……!』


---


◆ ◆ ◆


◆ 炎の守人との対峙


炎の守人が腕を振ると、

炎の刃が飛んできた。


ユウトは叫んだ。


「おばちゃん!!

 危ない!!」


トモエは影を呼び出した。


「守護の影!!」


影が現れ、

炎の刃を受け止めた。


だが──

影は炎に焼かれ、

形が揺らいだ。


ユウトは震えた。


「おばちゃん……

 影が……

 燃えとる……!」


カザミは叫んだ。


「火は……

 “迷い”を燃やす!

 影が揺れてるのは……

 トモエの心が揺れてる証拠!!」


トモエは歯を食いしばった。


「……うちは……

 迷ってへん……

 守りたいんや……

 それだけや……!」


炎の守人は炎を揺らした。


『……ならば……

 その炎……

 もっと燃やせ……!』


炎が渦を巻き、

トモエに襲いかかる。


ユウトは叫んだ。


「おばちゃん!!

 うちも戦う!!

 願いの炎!!」


ユウトの足元に炎が立ち上がり、

守護の影を包んだ。


影は再び形を取り戻し、

炎を押し返した。


セイルは驚いた。


「ユウトの炎が……

 影を強くしている……!」


カイルは叫んだ。


「願いの炎は……

 “守る力”を強めるんだ!!」


リリアは涙をこぼした。


「ユウトちゃん……

 すごい……!」


炎の守人は、

その光景を見て静かに言った。


『……見事だ……

 願いの炎……

 守る炎……

 その二つが重なり……

 強く燃えている……』


炎が静まり、

守人は膝をついた。


---


◆ ◆ ◆


◆ 炎の道標、授与


炎の守人は、

赤い宝珠を手に取り、

トモエに差し出した。


『……そなたらの炎……

 確かに見届けた……

 これは……

 “炎の道標”……

 心の熱を示す証……』


トモエは宝珠を受け取った。


「ありがとう……

 炎の守人……」


守人は炎に溶けるように消えていった。


ユウトは胸に手を当てた。


「おばちゃん……

 うち……

 また強くなれた気がする……」


トモエはユウトの頭を撫でた。


「うちもや。

 あんたのおかげやで」


フレアの声が響いた。


『……火の試練は終わった……

 そなたらは……

 炎の道標を手に入れた……

 次の試練へ進むがよい……』


炎の道標を手に、

一行は次の地へ向かう準備を始めた。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第209話では、“炎の道標”を守る存在

“炎の守人”との対峙が描かれました。


今回のポイントは、


• 炎の道標の間に到達

• 炎の守人は“覚悟の炎”を試す存在

• トモエとユウトの炎が重なり、守護の影が強化

• 守人が二人の炎を認め、炎の道標を授与

• 火の試練編がついに完結へ向かう



という、火の試練編のクライマックスとなる重要な回でした。


次回、第210話では

炎の大地を後にし、次の試練の地へ向かう旅立ちの回

が描かれます。


これからも、おばちゃんとユウトの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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