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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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205/211

第205話:『おばちゃん、“炎の大地に足を踏み入れる”』

乾いた森を抜けた一行は、視界が一気に開けた場所へと出た。


そこは──赤い大地がどこまでも続く、灼熱の世界だった。


地面は赤土で、岩は溶けたように歪み、空気は揺らめき、遠くには赤い煙が立ち上っている。


ユウトは思わず息を呑んだ。


「おばちゃん…… ここ…… めっちゃ熱い…… 息するだけで喉が焼けそうや……!」


トモエは額の汗を拭った。


「せやな…… ここが“炎の大地”か…… 風も水も弱まって…… 火の気配がむき出しや」


カザミは風を読みながら言った。


「風が熱を運んでる…… 火の精霊が近くにいる証拠だよ」


リリアは不安そうに言った。


「なんか…… 空気がピリピリする…… 怒ってるみたい……」


カイルは地面に触れ、驚いた声を上げた。


「地面が…… 熱い……! これは…… 火の精霊の“波動”…… 心の熱を揺さぶる力です……!」


セイルは静かに言った。


「火は…… 心の“温度”を映す。 怒り、焦り、情熱…… そういった感情が強いほど…… 火の気配も強くなる」


エルミナは祈るように言った。


「……どうか…… 炎があなた方を拒みませんように……」


シアは前方を見つめた。


「炎の大地は…… “心の熱”を試す場所。 ここから先は…… 誰も心を隠せない」


ユウトは胸に手を当てた。


「なんか…… 胸が熱い…… 怒ってへんのに…… イライラしてくる…… これ…… 火のせいなんか……?」


トモエはユウトの肩を掴んだ。


「せや。 火は心の熱を揺らすんや。 怒りも焦りも…… 全部“心の一部”や。 怖がらんでええ」


ユウトは深呼吸した。


「……うん…… 落ち着くように頑張る……」


◆ ◆ ◆


◆ 赤の峡谷の入口


炎の大地を進むと、巨大な裂け目が現れた。


赤い岩が切り立ち、地面は割れ、熱風が吹き上がっている。


リリアは震えた。


「ここ…… 赤の峡谷……?」


カイルは地図を確認しながら言った。


「はい…… この峡谷を越えた先に…… 火の精霊の神殿があります……!」


セイルは峡谷を見つめた。


「火の精霊は…… “心の熱”を見ている。 ここを通る者の心が揺れれば…… 炎は牙をむく」


エルミナは祈るように言った。


「……どうか…… 心が乱れませんように……」


シアは峡谷の奥を見つめた。


「火の精霊は…… 風や水とは違う。 “感情”に敏感なんだよ」


ユウトは拳を握った。


「おばちゃん…… うち…… 怖いけど…… 行くで…… 火の試練……!」


トモエは頷いた。


「せや。 行こか、ユウト。 火の大地へ」


その瞬間──峡谷の奥から、赤い光が走った。


◆ ◆ ◆


◆ 火の精霊の“気配”


赤い光は、まるで生き物のように揺れながら近づいてくる。


熱風が吹き荒れ、地面が震え、空気が焦げるような匂いが漂った。


リリアは叫んだ。


「な、なに……!? 火が…… 動いてる……!」


カイルは汗を拭いながら言った。


「これは…… 火の精霊の“気配”……! 姿を現そうとしている……!」


セイルは静かに言った。


「火は…… 心の熱を映す。 誰かの心が揺れている……」


ユウトは胸を押さえた。


「……うち……? なんか…… 胸が熱い…… 怒ってへんのに…… イライラしてくる……!」


トモエはユウトの手を握った。


「ユウト。 落ち着きや。 火はあんたの心を試しとるだけや」


赤い光は、ついに“形”を持ち始めた。


炎が渦を巻き、人の形を作る。


リリアは息を呑んだ。


「ひ、人……!? 炎の…… 人……!」


カザミは震える声で言った。


「あれは…… 火の精霊“フレア”…… 火の道標を守る存在……!」


炎の精霊フレアは、燃えるような声で言った。


『……よく来たな…… 風と水を越えし者たちよ…… 次は…… “心の熱”を見せてもらう……』


ユウトは息を呑んだ。


「しゃ、喋った……!」


トモエは一歩前に出た。


「うちら…… 火の道標を探しとるんや。 試練を受けさせてもらえるか?」


フレアは炎を揺らしながら言った。


『……試練を望むなら…… まず“心の炎”を示せ…… 怒り、情熱、迷い…… すべてを燃やし…… その先に立て……』


シアは小さく息を呑んだ。


「来るよ…… 火の試練が」


カザミはトモエに向き直った。


「トモエ。 あなたの影…… “守護の影”は火に強い。 でも…… 心の揺れには弱い。 気をつけて」


トモエは深呼吸した。


「よし…… 行ったろやないか」


炎の精霊フレアは、手を広げた。


『……では…… “炎の大地”へ踏み込め…… 心の熱を…… 見せよ……』


赤い光が一行を包み、火の試練の本番が始まった。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第205話では、炎の大地に到着し、火の精霊“フレア”との最初の接触が描かれました。


今回のポイントは、


乾いた森を抜け、炎の大地へ突入


火の気配が“心の熱”を揺さぶる性質を持つと判明


火の精霊フレアが登場し、火の試練の開始を宣言


次回から本格的に“火の試練”が始まる


という、炎の大地編の導入として重要な回になりました。


次回、第206話では炎の大地で“心の炎”を試される最初の試練が描かれます。


これからも、おばちゃんとユウトの物語をどうぞよろしくお願いいたします。

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