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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第17話:『おばちゃん、保護者参観日に乱入する』

リューネの朝は、今日も柔らかい光に包まれていた。

宿屋の窓から差し込む陽光を浴びながら、トモエは伸びをした。


「よっしゃ、今日も頑張るでぇ……」


朝食を食べていると、宿屋の女将・ミーナが声をかけてきた。


「おばちゃんさん、今日は魔法学校で“保護者参観日”らしいですよ」

「ほう、参観日か。懐かしい響きやなぁ」

「おばちゃんさんも行くんですか?」

「いや、うちは先生ちゃうし……行かんでええやろ」


そう言いながらも、胸の奥がざわついた。


(子どもら、ちゃんとやっとるやろか……)


ミーナは微笑んだ。


「子どもたち、きっとおばちゃんさんにも来てほしいと思いますよ」

「……そうかもしれんな」


トモエは虎柄シャツを整え、魔法学校へ向かった。


---


◆ 魔法学校の参観日


学校に着くと、校庭には多くの保護者が集まっていた。

母親、父親、祖父母、そして魔法生物を連れた家族までいる。


「おばちゃん先生だ!」

「来てくれたんや!」

「今日も魔法見せて!」


子どもたちが駆け寄ってきた。


トモエは笑った。


「今日は参観日やろ? うちは見学だけやで」

「えー! 一緒に授業してほしい!」

「おばちゃん先生の授業がいい!」


保護者たちがざわついた。


「あの人が……噂の?」

「虎柄の……?」

「魔力暴走の……?」


トモエは苦笑した。


(また変な噂になっとるな……)


そこへエリナ先生がやってきた。


「おばちゃんさん、来てくださったんですね」

「まぁ、子どもらが呼ぶからな」

「実は……お願いがありまして」


トモエは眉をひそめた。


「またかいな」

「今日の参観日、保護者の方々が“おばちゃんさんの授業も見たい”と……」

「うち、先生ちゃうで?」

「でも、子どもたちが……」


子どもたちが一斉に言った。


「おばちゃん先生がいい!」

「今日も魔法教えて!」

「おばちゃん先生の授業、楽しい!」


トモエはため息をついた。


「しゃあないなぁ……ほな、ちょっとだけやで」


---


◆ おばちゃん先生、参観日デビュー


教室に入ると、保護者たちが後ろの席に座り、子どもたちが前に並んだ。


エリナが紹介する。


「本日は特別に……“おばちゃん先生”にも授業を手伝っていただきます」

「よろしくお願いします!」


保護者たちがざわついた。


「本当に虎柄だ……」

「魔力が強いって噂の……」

「どんな授業するんやろ……」


トモエは教壇に立ち、胸を張った。


「ほな、今日は“火の魔法”や。安全にやるで」


子どもたちが一斉に手を挙げる。


「おばちゃん先生、見本見せて!」

「火の魔法、難しいねん!」


トモエは手を前に出した。


「ほな、いくで……“フレア”」


――ぽっ。


優しい火が手のひらに灯った。


「わぁぁぁ!」

「きれい!」

「おばちゃん先生、すごい!」


保護者たちも感心していた。


「噂よりずっと上手やん」

「魔力の制御がすごい……」

「子どもたちが懐く理由がわかるわ」


トモエは笑った。


「ほな、みんなもやってみよか」


---


◆ 子どもたちの挑戦


子どもたちが一斉に唱える。


「フレア!」


――ぽっ。


小さな火が次々と灯る。


「できた!」

「昨日より上手くなった!」

「おばちゃん先生、見て!」


トモエは一人ひとりに声をかけた。


「ええやん、上手やで」

「その調子や」

「焦らんでええ。ゆっくりやり」


保護者たちが微笑んでいた。


「この人……子どもを見る目が優しいな」

「うちの子、こんなに楽しそうなの久しぶりや」

「おばちゃん先生、ええ人やなぁ」


トモエは照れくさそうに笑った。


---


◆ しかし、事件は起きる


授業が順調に進んでいたそのとき――


「うわぁぁぁっ!」


一人の男の子が叫んだ。


「火が……止まらへん!」


男の子の手から、火が暴走し始めた。


「フレアフレアフレアフレア……!」


保護者たちが悲鳴を上げる。


「危ない!」

「誰か止めて!」

「先生!」


エリナが叫んだ。


「おばちゃんさん!」

「任しとき!」


トモエは男の子の手を握った。


「ストップや! ストップ言うてみ!」

「す、ストップ!」


――ピタッ。


火が止まり、男の子はへたり込んだ。


「こわかったぁ……」

「大丈夫や。よう頑張ったな」


トモエは男の子の頭を優しく撫でた。


保護者たちが息を呑んだ。


「……すごい」

「あの子、火の魔法が苦手やったのに……」

「おばちゃん先生、落ち着かせるの上手やな」


---


◆ 保護者たちの感謝


授業が終わると、保護者たちがトモエのもとに集まった。


「おばちゃん先生、ありがとう」

「うちの子、魔法が怖かったんやけど……今日は楽しそうやった」

「あなたが来てから、子どもたちが変わったわ」


トモエは照れくさそうに笑った。


「うちはただの大阪のおばちゃんやで?」

「そんなことない。あなたは……立派な先生や」


エリナも微笑んだ。


「おばちゃんさん……本当にありがとうございます」

「ええって。子どもらが元気なら、それでええわ」


---


◆ 夕暮れの帰り道


ユウトが隣で言った。


「おばちゃん、今日もすごかったね」

「せやろ? うちはやるときはやる女やねん」

「保護者の人たち、みんな感謝してたよ」

「そうか?」

「うん。おばちゃんは……この街の“先生”だよ」


トモエは空を見上げた。


夕焼けが街を優しく染めていた。


「よっしゃ。明日も頑張るで」


虎柄シャツが夕風に揺れた。

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