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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第15話:『おばちゃん、魔力暴走区域に踏み込む』

リューネの朝は、今日も穏やかだった。

しかし、トモエの胸には少しだけ不安があった。


(最近、魔力使いすぎてへんかな……)


昨日は問題児カイルの心をほどき、魔法学校で大活躍。

その前は魔道具暴走事件。

その前は魔力不足の家庭を救い……

気づけば毎日、何かしらの騒動に巻き込まれている。


宿屋の女将・ミーナが声をかけてきた。


「おばちゃんさん、今日も学校ですか?」

「いや、今日は市場行ってから、ちょっと街を散歩しよ思てな」

「散歩……珍しいですね」

「たまにはのんびりせな、魔力暴走してまうわ」


ミーナは笑った。


「おばちゃんさんの魔力暴走は……街の名物になりつつありますけどね」

「名物にすな!」


トモエは虎柄シャツを整え、宿屋を出た。


---


◆ 市場の朝


市場に着くと、店主たちが笑顔で迎えてくれた。


「おばちゃん、おはよう!」

「昨日の授業、子どもがめっちゃ喜んでたで!」

「今日も元気やな!」


トモエは手を振った。


「みんな元気そうで何よりや」


ユウトが駆け寄ってきた。


「おばちゃん! 今日は何するん?」

「今日はなぁ……特に予定ないねん」

「珍しいね」

「せやろ? たまにはのんびりしたいねん」


そう言いながら市場を歩いていると――


「……あれ?」


市場の端に、見慣れない看板が立っていた。


【立入禁止 魔力暴走区域】


トモエは眉をひそめた。


「なんやこれ……?」

「あっ、それ……」


ユウトが説明した。


「ここ、昔から“魔力が暴走する場所”なんだ。誰も近づかないよ」

「なんで暴走するん?」

「わからないんだ。魔法研究者でも原因がつかめなくて……」


トモエは看板をじっと見つめた。


(魔力暴走……なんか嫌な予感するなぁ)


そのとき――


「きゃああああっ!!」


市場の奥から悲鳴が聞こえた。


「なんや!?」

「魔力暴走区域のほうや!」

「誰か入ってもうたんちゃうか!?」


トモエは走り出した。


「ユウト、案内して!」

「う、うん!」


---


◆ 魔力暴走区域へ


区域に近づくと、空気がピリピリしていた。

魔力が渦巻き、地面が微かに震えている。


「おばちゃん、危ないよ!」

「危ないから行くんや!」


トモエは魔力の渦の中へ踏み込んだ。


「おばちゃん!!」


ユウトの叫びが遠くなる。


---


◆ 魔力の渦の中で


中に入ると、空気が重く、視界がゆらゆら揺れていた。


「なんやここ……気持ち悪いなぁ……」


そのとき――


「助けてぇぇぇ!!」


小さな女の子が、魔力の渦に吸い込まれそうになっていた。


「危ない!!」


トモエは女の子に飛びつき、抱きしめた。


「大丈夫や! うちがついとる!」


しかし、魔力の渦はさらに強くなり、二人を飲み込もうとしていた。


(あかん……このままやと……!)


トモエは女の子を守るように抱きしめ、叫んだ。


「マナシールド!!」


――ドォォォォォンッ!!


トモエの魔力が爆発し、巨大な光の盾が現れた。


渦がぶつかり、弾かれ、砕け散る。


「うわぁぁぁっ!」

「おばちゃん、すごい……!」


女の子は震えながらトモエにしがみついた。


「怖かったぁ……」

「もう大丈夫や。よう頑張ったな」


---


◆ 魔力暴走の原因


渦が消えたあと、地面に古い魔法陣が浮かび上がった。


ユウトが駆け寄ってきた。


「おばちゃん! 無事!?」

「なんとかや」

「これ……魔法陣だ……」

「せやな。古い魔法陣や」


そこへ、魔法学校の教師たちが駆けつけた。


「これは……封印魔法陣だ!」

「昔、この場所には“魔力の泉”があったんだ……!」

「封印が弱まって、魔力が暴走していたんだ!」


トモエは魔法陣に手を当てた。


「ほな、封印し直したらええんやろ?」

「えっ……?」

「うちがやったる」


教師たちは驚いた。


「おばちゃんさん……あなたにそんな高度な魔法が……?」

「知らんけど、やってみるわ」


トモエは深呼吸した。


「マナフロー……マナシールド……マナロック!」


――ゴォォォォォンッ!!


魔法陣が光り、封印が再び強固になった。


魔力の渦は完全に消え、空気が静かになった。


教師たちは呆然とした。


「……すごい」

「こんな封印魔法、王都の大魔導師でも難しいのに……」

「おばちゃんさん……あなたは一体……」


トモエは笑った。


「うちはただの大阪のおばちゃんやで?」


---


◆ 助けた少女


女の子がトモエの手を握った。


「おばちゃん……ありがとう……」

「ええよ。怖かったなぁ」

「うん……でも、おばちゃんが来てくれて……嬉しかった」


トモエは優しく頭を撫でた。


「もう大丈夫や。あんたは強い子やで」


---


◆ 街の人々の反応


市場に戻ると、人々が拍手で迎えた。


「おばちゃん、ありがとう!」

「魔力暴走区域が安全になったで!」

「長年の問題が解決したわ!」


トモエは照れくさそうに笑った。


「いやぁ……ちょっと頑張っただけや」


ユウトが言った。


「おばちゃん……ほんまにすごいよ」

「せやろ? うちはやるときはやる女やねん」


---


◆ 夕暮れの帰り道


トモエは空を見上げた。


夕焼けが街を優しく染めている。


「異世界でも……うちはうちやなぁ」

「うん。おばちゃんはおばちゃんだよ」


ユウトが笑った。


虎柄シャツが夕風に揺れた。

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