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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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第13話:『おばちゃん、魔道具の暴走を止める』

リューネの朝は、今日も穏やかだった。

しかし、トモエの胸には少しだけ不安があった。


(昨日、おじいさんの家で魔力使いすぎたんちゃうかな……)


魔力が強すぎるせいで、ちょっとしたことで暴走する。

それが最近の悩みだった。


宿屋の女将・ミーナが声をかけてきた。


「おばちゃんさん、今日も市場に行くんですか?」

「せや。リオの店、最近忙しいからな」

「おばちゃんさんが手伝ってから、あの店すごく繁盛してますよ」

「うちのせいちゃうで。リオが頑張っとるんや」


そう言いながらも、トモエは少し誇らしげだった。


---


◆ 市場へ向かう道


市場に着くと、いつもよりざわついていた。


「なんや、今日は騒がしいなぁ……」

「おばちゃん、大変や!」

「リオの店で事故があったんや!」


ユウトが駆け寄ってきた。


「おばちゃん! リオの店の魔道具が暴走してる!」

「また!?」

「うん! 昨日の祭りの魔力の影響で、魔道具が過剰反応してるんだ!」


トモエは走り出した。


(リオ、大丈夫やろか……!)


---


◆ 魔道具店の惨状


店に着くと、店の前には人だかりができていた。


「危ないで!」

「魔道具が勝手に動いてる!」

「リオくん、中に閉じ込められてるんや!」


トモエは叫んだ。


「みんな、どいて! うちが行く!」


店の扉を開けると――


「うわぁぁぁっ!」


中は大混乱だった。


・火起こし石が勝手に火花を散らし

・風送り扇が暴風を巻き起こし

・自動掃除ほうきが暴走して棚を倒し

・魔力ランプが点滅しながら飛び回っている


そして――


「おばちゃん! 助けてぇぇぇ!」


リオがカウンターの下に隠れていた。


「リオ! 大丈夫か!?」

「だ、大丈夫じゃないよ! 魔道具が全部暴走して……!」


トモエは腕まくりした。


「よっしゃ、うちに任せとき!」


---


◆ 魔道具暴走の原因


ユウトが店に駆け込んできた。


「おばちゃん! 原因わかった!」

「なんや?」

「昨日の祭りで魔力が街中に満ちたせいで、魔道具が“過充電”状態になってるんだ!」

「過充電?」

「魔力が多すぎて、勝手に動き出してるんだよ!」


トモエは頷いた。


「ほな、魔力抜いたらええんやな?」

「そう! “マナドレイン”で魔力を吸収すれば止まるはず!」


トモエは深呼吸した。


「よっしゃ……いくで!」


---


◆ おばちゃん、魔道具と対決


まずは暴走している“風送り扇”。


「ウィンドウィンドウィンドウィンド……!」


扇が暴風を巻き起こし、棚が倒れそうになっている。


「止まりや!」


トモエは扇に手をかざした。


「マナドレイン!」


――ふわぁぁぁ。


扇から光が吸い取られ、静かになった。


「よし、一つ目!」


次は“火起こし石”。


「パチパチパチパチ……!」


火花が飛び散り、危険な状態だ。


「こら! 暴れんとき!」


「マナドレイン!」


――ふわぁぁぁ。


火起こし石も静かになった。


「おばちゃん、すごい!」

「せやろ? うちはやるときはやる女やねん!」


しかし――


「ピカピカピカピカ……!」


魔力ランプが空中を飛び回り、店の中を照らしながら暴走している。


「おばちゃん! あれ危ない!」

「任しとき!」


トモエはランプに向かって飛びついた。


「マナドレイン!」


――ふわぁぁぁ。


ランプは静かになり、トモエの手の中に落ちた。


「よし……あと何個や?」


リオが叫んだ。


「あと一つ! “自動掃除ほうき”が暴走してる!」


ほうきは店内を猛スピードで走り回り、棚を倒し、商品を散らかしていた。


「こらぁ! 掃除は丁寧にやらんかい!」


トモエはほうきを追いかけた。


「待てぇぇぇ!」


ほうきは逃げる。

トモエは追う。


「おばちゃん、がんばれ!」

「ほうきに負けるな!」

「がんばれ虎柄!」


「虎柄は関係あらへん!」


ついにトモエはほうきを捕まえた。


「マナドレイン!」


――ふわぁぁぁ。


ほうきは静かになり、床に落ちた。


店内はようやく静寂を取り戻した。


---


◆ リオの涙


リオはカウンターの下から出てきて、トモエに駆け寄った。


「おばちゃん……ありがとう……!」

「ええって。うちは世話焼きが趣味やねん」

「でも……店が……」


リオは倒れた棚や散らかった商品を見て、肩を落とした。


「こんなに散らかって……もうダメだ……」


トモエはリオの肩を叩いた。


「何言うてんの。片付けたらええだけやろ?」

「でも……」

「みんなでやったらすぐ終わるわ」


ユウトが言った。


「僕も手伝うよ!」

「うちも!」

「わしも!」


市場の人々が次々と店に入ってきた。


「リオくん、困ったときはお互いやで」

「おばちゃんに助けられたんや。今度はうちらの番や」


リオは涙をこぼした。


「みんな……ありがとう……!」


---


◆ 店の復活


市場の人々の協力で、店はあっという間に片付いた。


棚は元に戻り、商品も綺麗に並べられた。


「おばちゃん、ありがとう……本当に……」

「ええって。リオが頑張ってるから、みんな助けたいんや」


リオは深く頭を下げた。


「おばちゃん……僕、もっと頑張るよ。店をもっと良くする」

「その意気や!」


---


◆ 夕暮れの帰り道


ユウトが隣で言った。


「おばちゃん、今日もすごかったね」

「せやろ? うちはやるときはやる女やねん」

「リオ、すごく元気になってたよ」

「人はな、誰かに助けてもらうだけで変われるんや」


ユウトは笑った。


「おばちゃんが来てから、街がどんどん優しくなってるよ」

「そうか?」

「うん。みんな笑ってる」


トモエは空を見上げた。


夕焼けが街を優しく染めていた。


「よっしゃ。明日も頑張るで」


虎柄シャツが夕風に揺れた。

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