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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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123/127

第123話:『おばちゃん、ノルディアの朝を見る』

古い影が眠りについたあと、

ノルディアの街にはゆっくりと光が戻り始めた。


凍っていた家々は溶け、

雪に埋もれていた道には色が戻り、

静寂だった街に、

少しずつ“息づかい”が戻っていく。


ユウトが目を丸くした。


「おばちゃん!!

 見てみ!!

 街が……

 ほんまに元に戻っていくで!!」


カイルは涙をこぼしながら言った。


「古い影の魔力が……

 完全に消えています……

 ノルディアは……

 救われたんだ……!」


リリアは胸に手を当てた。


「よかった……

 本当に……よかった……

 こんなに綺麗な朝……

 久しぶり……」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 あなたの光が……

 この国を救ったのです」


エルミナは涙を流しながら、

トモエの前に跪いた。


「……ありがとうございます……

 あなたがいてくださらなければ……

 ノルディアは……

 本当に……終わっていました……」


トモエは慌ててエルミナを起こした。


「やめてぇや、そんな畏まったこと。

 うちはただ……

 困っとる人を助けたかっただけや」


エルミナは涙を拭いながら微笑んだ。


「……あなたは……

 本当に……光の継承者です……」


---


◆ ◆ ◆


◆ ノルディアの人々の目覚め


街のあちこちで、

凍っていた人々がゆっくりと目を覚まし始めた。


母親が子どもを抱きしめ、

老人が空を見上げ、

商人たちが互いに無事を確かめ合う。


ユウトは目を潤ませながら言った。


「おばちゃん……

 みんな……

 生きてたんやな……」


カイルは頷いた。


「心が凍っていただけです。

 古い影が眠った今、

 もう大丈夫です」


リリアは涙をこぼした。


「よかった……

 本当に……よかった……」


セイルは静かに言った。


「これが……

 “心が解放される”ということ」


エルミナは胸に手を当てた。


「……ノルディアの人々は……

 今日……

 新しい朝を迎えました……

 あなた方のおかげです……」


トモエは街を見渡した。


(みんな……

 ほんまに頑張ったんやな)


---


◆ ◆ ◆


◆ ノルディア王城へ


復興の中心として、

トモエたちはノルディア王城へ招かれた。


王城はまだ完全には溶けていなかったが、

氷の壁は薄くなり、

光が差し込んでいた。


ユウトが感心したように言う。


「おばちゃん!!

 なんか……

 氷の城って感じでカッコええな!!」


カイルは微笑んだ。


「ノルディアは“氷の国”ですからね。

 本来はもっと美しい城なんですよ」


リリアは目を輝かせた。


「溶けたら……

 きっと綺麗なんだろうな……」


セイルは静かに言った。


「この城も……

 心の影から解放されたのです」


エルミナは深く頭を下げた。


「……どうか……

 王に会ってください……

 あなた方に……

 直接礼を申し上げたいと……」


トモエは頷いた。


「ほな、行こか」


---


◆ ◆ ◆


◆ ノルディア王との謁見


王座の間に入ると、

そこには白銀の髪を持つ王が立っていた。


氷の王とは違う。

人間の王だ。


王は深く頭を下げた。


「光の継承者よ……

 そしてその仲間たちよ……

 ノルディアを救ってくれて……

 本当にありがとう」


トモエは慌てて手を振った。


「頭なんか下げんといてぇや。

 うちはただ……

 できることをしただけや」


王は微笑んだ。


「あなたの光が……

 この国を救った。

 それは紛れもない事実だ」


ユウトは胸を張った。


「おばちゃんはすごいんやで!!

 めっちゃ強いんや!!」


トモエは照れながらユウトの頭を軽く叩いた。


「調子乗りぃな」


カイルは微笑んだ。


「でも……

 ユウトの言う通りです。

 おばちゃん先生は……

 本当にすごい」


リリアも頷いた。


「うん……

 本当に……」


セイルは静かに言った。


「光の継承者。

 あなたは“心の闇”を受け入れた。

 それは……

 誰にもできることではない」


エルミナは涙をこぼした。


「……あなた方は……

 ノルディアの英雄です……」


トモエは深く息を吸った。


(英雄なんて柄やないけど……

 みんなが笑ってくれるなら……

 それでええ)


---


◆ ◆ ◆


◆ 次の旅路へ


謁見が終わり、

トモエたちは城の外へ出た。


ノルディアの空は晴れ、

雪は光を反射して輝いていた。


ユウトが言った。


「おばちゃん!!

 次はどこ行くんや!?

 また冒険やろ!!」


カイルは地図を広げた。


「ノルディアの南に……

 “霧の谷”があります。

 そこに……

 次の手がかりがあるかもしれません」


リリアは少し不安そうに言った。


「また……

 怖い場所なのかな……」


セイルは静かに言った。


「影の冬は終わった。

 だが……

 世界の影はまだ残っている」


エルミナは微笑んだ。


「……どうか……

 またノルディアに来てください……

 あなた方は……

 私たちの恩人です……」


トモエは空を見上げた。


(旅はまだ続く。

 せやけど……

 うちはもうひとりやない)


「よっしゃ。

 行こか、みんな。

 次の影を探しに」


虎柄シャツが風に揺れ、

おばちゃんは新しい旅路へ踏み出した。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第123話では、

ノルディア編の“余韻”と“復興の始まり”が描かれました。


古い影との戦いを終え、

街に光が戻り、

人々が目を覚まし、

王からの感謝を受ける。


おばちゃんたちの旅は、

大きな節目を迎えつつも、

まだまだ続いていきます。


次回、第124話では

新たな舞台“霧の谷”への出発と、

そこで待つ“不穏な気配”

が描かれます。


これからも、おばちゃんの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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