12話【飛べない翼】ト【スリル】
パジャマパーティー当日の夕方、萌香の家の最寄り駅の改札口で待ち合わせすることになった3人。
当初は各自の家で夕食を終えてから夜20時頃に待合わせの予定だったが、女の子が夜、出歩くのは危ないとの事で萌香の母親の計らいで萌香の家で夕食をご馳走になる事になった為、待ち合わせ時間が大幅に繰り上がった。
最初に待ち合わせ場所に到着したのは真珠星だった。
携帯で時間を確認する。
真珠星「10分前か、ちょっと早すぎたかな」
真珠星は携帯アプリLe Lienを開き二人に到着の連絡を入れた。このLe Lienはメールは勿論電話や写真も送受信できる、よくある連絡ツールアプリである。
すぐに二人から返信が返って来た。
萌香『わかった、あと3分くらいで着くよ』
委員長『ごめんさない。10分ほど遅れます』
真珠星は委員長の返信に驚いた。あの生真面目な委員長でも時間に遅れることがあるもんだな。きっと丁寧に理由を説明するに違いないと我ながら嫌な奴だと思いつつも楽しみに待ちながら委員長に返信していた。
真珠星『OK、気長に待ってるよ〜(ニヤリ)』
すると萌香が待ち合わせ場所に着いた。萌香の到着から遅れること数分後改札口から二人の方へ走る委員長が見えた。萌香は笑顔で手を振っているに対し真珠星はニヤついていた。
真珠星「委員長も遅れることあるんだね」
走って来たので、まだ呼吸が荒れている。ぜいぜいと息を吐きながら委員長は話す。
委員長「電車を乗り間違えしまって……。危うく他県へ行く所だったわ」
真珠星「なるほど、途中で気づいて乗り換えた。それで遅れたってこと?」
委員長「えぇ。輪通さん、穂先さん遅れてごめんなさい」
萌香「全然いいよ!ちゃんと待ち合わせ場所に来れたんだし、では早速我が家へしゅっぱ〜つ!!」
最寄り駅から徒歩で約20分かかる為3人は萌香の母親が運転する黒のワゴン車に乗り込んだ。委員長と真珠星は運転中の萌香の母親に軽く挨拶を済ませた。車を走らせること約2〜3分で家に着き、家の敷地内にある駐車スペースに車を停め3人は先に車から降りた。周辺は一戸建てが多く閑静な住宅街だ。萌香は玄関に真っ直ぐ向かい鍵を開け、扉を開き二人を呼んだ。
萌香「二人とも中に入って〜」
家の中に入リ目に飛び込んで来たのは、飛べない翼を持つ鳥類キングペンギンの置物だった。
真珠星「大きいなぁ」
委員長「実物大かしら」
二人の会話に萌香がしれっと言う。
萌香「それ剥製だよ」
真珠星と委員長は驚きのあまり声にならない声を出していた。
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大神達が船星の家に来て約1時間が経過した。
お昼12時を過ぎたので僕は大神達に昼食はどうするのか尋ねた。すると生徒Aが気だるそうに答える。
生徒A「外、暑いから出るの怠くね?。船星の家で食べていい?」
生徒B「お前宅配でも頼むつもりか?」
生徒A「それいいな!ナイスだわ(笑)俺ピザ食いてぇ」
生徒B「金あんのかよ」
生徒A「ない!」
生徒B「威張るな」
船星が何か思い出して急に立ち上がり客間を出て行った。扉を閉めた音に反応した大神がテーブルに伏せていた顔を上げる。
大神「おい!船星が居らへんがな」
生徒B「さっき急に部屋から出て行ったよ」
生徒A「トイレじゃね?あぁピザ食いてぇなぁ」
生徒B「何度もピザピザ言うなオレまで食いたくなるだろ」
大神「何の話や?」
大神の問いに生徒A、Bは同時に答えた。
生徒A・B「昼飯の話」
大神「もうそんな時間か。なんか買ってこようか?」
船星が客間の扉を勢いよく開けた、走って来たのか息が乱れている。
船星「あ、あのさお昼ご飯皆んなで、闇鍋風ピザしない?」
大神「何やそれ?聞いたことあらへんで」
生徒A、Bも聞いたことない料理名に首を傾げる。
船星が小学生だった頃、両親はよく家で友人達を集めてホームパーティーをしていた。その時、友人の一人が闇鍋は飽きたから闇鍋風ピザはどうかと提案したところ両親や他の友人達はその案を受け入れた。
闇鍋風ピザとは闇鍋とほぼ同様ピザが完成するまでどんな具材が入っているのか、入れた当人しか分からないスリルを味わう料理である。
船星はそれを思い出し、急いで2階にあるキッチンに向かい冷蔵庫の中を確認した。ピザに使えそうな具材もある。一番重要なピザ生地とチーズもあった、足りないのはソースと飲み物くらいだろうと思い客間に戻ってきたのだ。
簡潔に説明をして大神達の反応を伺う船星。
船星「どうかな?」
大神「スリルがあって面白そうやな!ほな足りへんもんだけ漢気じゃんけんで勝負してから皆んなで買いに行こうや!!」
12話End
お題【飛べない翼】24‘11/12
【スリル】24‘11/13




