ライセの日記
北都は西都が天国なら地獄だった。つまりこの王国そのものだ。俺の故郷と変わらない。才アリが騎士たちが才ナシの俺たちを踏みつけて生きている。
助けようと思った。北都の騎士を殺したい。だがジェーミャの機嫌を損ねたくはない。やつを殺して正面から王都に行くよりは、ワープで奇襲をかける方が勝率は高いだろう。相手は王国のトップだ。どんな才か分からない。不死身すら無効にするかもしれないのだから。
それに・・・アカリはこの数日でジェーミャと仲良くなった。彼女にとってあいつは姉のような存在なんだろう。やはり同じ性別の友達がいた方が良いのだろうか。
けど、ごめんアカリ。ジェーミャも最後には殺すことになる。俺はそういうやつらを消したくてこの復讐を始めた。旅のゴールは分からない。とにかくこの王国を殺すんだ。ライトを殺した騎士とこの国を。
シュヴァインがいる西都の騎士たちは残しても良い。だが、北都はまるごと焼き尽くさなければいけない。シュヴァインはどうしようか。まだ分からない。あの人は才アリだけど、才アリじゃない。それにあの人だけは殺したいと思えなかった。
だが、俺が王宮で紅殿下を殺すのを止めるなら、いくらシュヴァインでも殺す。とうとう明日は決行の日だ。王都に行く。
なあ、ライト。なんでか分からないけれど、もう少しでお前に会えるんじゃないかって、そんな気がするんだ。
3話まで考えて見切り発車した今作です。成り行きで進んできました。自分でも想定外の展開になっておりますが、次で最終章だと思います。
設定や流れをしっかり考えていればまた違った物語になったでしょうが、それはまた機会があれば書きたいと思います。