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才明かし



 自分の体を槍が貫いている。胸からは鮮血が流れている。だがライセは自分のことを気にしていない。周囲を見て誰かを探していた。


 当然辺りを見ても子供は1人しか見当たらない。それ以外にいるのは自分の真後ろにいる女性。といってもライセよりも子供であろう。


 「さあラト、やっちゃいなさい」

 「うんリトお姉ちゃん」

 

 ライセはとっさに手を広げていた。何かを生成するつもりだったが、その手も連続して槍に貫かれる。槍ごと地面に磔にされたライセの手は、何もできない。文字通りお手上げ。


 「お前たちは・・・双子じゃないのか?」

 「どうして槍が急に増えたのか。考えてみたら?」

 「・・・なんの才だ?」

 「最後に見せてあげる」

 

 姉のリトは弟のラトを指さした。瞬間彼は白い輪に包まれる。その直後には隣に移動した輪がもう1人のラトを生成していた。ライセの探していたもう1人であった。


 「あなたの複製とは違って、私のはちゃんとそれをそのままコピーする」


 ライセは笑うしかなかった。自分の浅はかさと弱さに笑うしかない。うなだれて降参した彼に2人のラトが、交互に口を開き杖を振り上げる。


 「そういうことだから」

 「さようなら」

 「「ライセおにいちゃん」」


 杖が振り下ろされると渦巻く風がライセを喰らう。風の刃は彼の肉体を削っていく。風が赤色に染まっていくその様子を見て笑う姉弟。それを見て唯一笑っていないのは、物陰から瞳を覗かせるアカリ。

自分の能力を明かすのは勝利を確信した時です

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