春めぐる花衣
春の洛中の闇には鬼が潜むと言われる。
これは平安の代から伝わる説で、室町幕府の治世となって長い時間が経過してもすたれることはない。
むしろ、特に奇病が流行る昨今は鬼の気配も濃厚で、怪異も相次いでいる。
そんな噂を、宗純は拳を硬く握りしめながら思い出した。
行として取り組みを開始してから3年たった乞食坊主の生活で、すっかり節くれだったその拳の内側には、銅銭が一枚握られている。
「諸悪の根源じゃ。洛中の鬼よりもたちの悪い羅刹じゃ」
新月のぬるい闇の中つぶやく宗純が握るそれは、日中、朱雀大路をゆく籠と並行して歩いていた五条袈裟の僧侶の施しものだ。
喜捨の少し前に、乞食坊主と侮蔑する目で宗純をちらりと刺した僧侶は、その足を止めた。
それから籠の貴族と何やら通じ合った。
そして微笑みと共に後ろに従っていた弟子に振り返り、これに命じて托鉢の椀に銅貨をいれさせたのだった。
宗純は侮蔑の表情よりも、弟子に指示をするの時の僧侶の微笑みにぞわりとするものを感じた。
雅やかな仕草で自分をさす指と、指から続く奥の手が隠れていく先の五条袈裟の法衣、その乱れの無さも穢れの感覚に拍車をかけた。
「あれは菩薩の心でもない。ただのおごりじゃ。たかぶりじゃ。根源は金欲じゃ」
この金を得るために五条袈裟の僧侶は悟りの道を学んだのだろうか。15と思しきその弟子は、師の行為 を仏性の顕現と心酔するのだろうか。
15の頃の宗純は寺で漢詩を詠んでいた。
洛中の評判となった詩もあった。宗純は評判という事実よりも、親代わりとも言える住職の笑みが嬉しかった。ではあの僧侶の弟子も、師匠の微笑みを嬉しく思ったのだろうか。それは無邪気に。犬のように純粋に。
「嘆かわしい」
宗純は獣のように唸った。あの僧侶の顔を宗純は見知っている。同じ禅宗の者だ。
だが向こうは知らないし、朱雀大路を上り下がる時も、宗純を一瞥もしない。
時折鼻をひくつかせる。臭いからだろうと宗純は推測する。では何故今日は足を止めたのか。答えは単純。隣に輿の上に貴族がいたからだ。
貴族の前で銅銭を消費し、さらに多くの銭を得る。その算用の皮の臭いが宗純は不快でならない。
僧侶が穢れているのではない。銭にすがる思いが間違っているのだ。
ではこの忌々しい銭をどうしてやるべきか。宗純は考えあぐねる。河原町まで歩いて淀川に捨ててやるか。いや、違う。僧侶どもが忌むものに使ってやろう。
洛に生まれ育った宗純は、その中も外も知り尽くしている。
肉を売る場所。織布や木材や魚を卸す船着き場。遊女が踊り春をひさぐ街も。
その外れの不浄の一角、つまり男が尻を遊ばせる場所すらも。
だが知っているだけで、赴いたことはない。30となった現在も、宗純は童貞である。
「捨ててやろう」
宗純は言葉を吐いた。銅貨を穢れの場所に捨てる。そうして誰かと肌を合わせた経験のない自身も捨ててやろう。
心を決めた宗純は、不浄の場所に向かって歩き出した。
途端に水滴が宗純の頬髭に当たる。
見上げると八の字の眉間で雨粒が弾ける。
今は弱いがやがて強い雨になるかもしれない。常ならば、
「濡れとうない」
と洛北の橋の下の庵に急ぐところだ。
が、その晩の宗純は何かに燃えていた。偽善の僧侶に対する怒りではない。
穢れの中で、3年間の乞食生活という行を自身に行わせた何かは、存在し続けるのか。もちろん失われなどしない。印可を受けたという事実は変わらない。
それは宗純は承知しているが、確かめたいのは事実ではない。もっと違う、説明のつかないものだ。
「雨降らば降れ」
つぶやいて目をつむり、宗純は春の夜を歩き出した。
雨雲の垂れる空に月はなく、洛内の街は鬼神の跋扈を確信するほどの暗闇に抱かれている。
だから乞食坊主はこういう夜は、盲の方がよく見えるのだろうと考えたりした。
※※※※※※
目をつむった乞食坊主が歩き出してから4刻(2時間)ほど後のこと。
春の洛中の闇には鬼が潜むと言われるという噂を、男娼は、ひたいの上で闇を横に割る白い歯列を仰ぎながら思い出した。
「尻を商って欲しいのじゃ」
梅雨の淀川の発着場で籠からこぼれた魚が腐ったような臭いを、男娼は一瞬忘れた。
そして何かとてつもないものが、背骨の内側から蘇ってくるような、そんなきざしを感じた。
噂できく鬼の怪異よりも不可思議な感覚。
男娼は一度呆気に取られてから、我に返り、すでに自身に背を向けている小山のような闇、闇と見まがう人間、人間とおぼしき何かに右手を伸ばした。
「お待ちください。承りますから。商いますから。ひさぎますから。売りますから」
早口で放たれた言葉は、しかと闇に届いたようで、藁が腐った異臭を放つ草履の足は止まった。
洛の闇と区別のつかないほどに黒ずんだ爪先は、男娼に向いた。
「僥倖じゃ。諦めて帰る所じゃった」
瞬間、雲が割れ、天の闇から星がのぞいた。
男娼は現れた双つの眼を、星よりも清いと感じた。
「目を閉じていらしたのですね」
「うむ。洛なら目を閉じても歩けると思ったのじゃ。じゃがそうは問屋がよこしまなものでのう。泥に転び池に落ち川に進んだ。おかげでこんな身なりじゃ。常もこんなもんだがもうちょおとはましじゃぞ。そのちょおとが大きいのだのう。あちこちで尻を断られた。無念じゃ」
少し高くかれた、しかし腹に響く声で、わははと愉快そうにその大男は笑った。歯列の奥からのぞく舌が星の闇の中でも赤く、健全を男娼に印象づけた。
尻をひさぐ男が集まるこの区画の空気とは、あまりにも無縁な健全さである。しかも話しぶりからすると、この界隈は初めてらしい。
穢れたこの区画を洛と受け入れ、踏んだこともないのに目を閉じて歩こうとする。
かなりの馬鹿者か。春の気にあてられた狂人か。
狂人なら厄介だし、巨体の狂人ならさらに危険だ。
それは同業の者たちも拒むだろう。むしろ逃げ出す。
新月の闇をまとう草や木の影に隠れる。川にもぐったって良い。闇も草木も男娼を軽蔑はしない。花は咲く。毒があるけれど、良い香りのする花だ。
そして、この巨きい人には、混じりけのまったくない瞳には、花が似合う。淡い紅と炎の橙。
「無念のお心をおくみします。私はちゃんと尻をひさぎましょう。せっかくこの闇の中をいらしたのです。私は心を込めて尻を売りたい。
この坂を右に下れば小川があります。淀川からささやかに分かれた流れです。御身をお清めください。その間に私は準備をいたしましょう」
男娼婦の言葉に、巨人は快諾した。まずは払うぞ、と節くれだった手で男娼に銅貨を握らせてから、坂を下りていく巨人。
その黒い輪郭を眺めながら、男娼は、尻はもつのだろうか、と思った。
根が巨大過ぎる木は岩を破壊する。草木ですら石畳を割るのだ。明日は屁もできなくなるかもしれない。屁という事象を思い浮かべた時、男娼を動悸が襲った。
「何だ。これは」
胸を抑える男娼。その膝は曲がろうとするが、男娼はこらえて荒壁の小屋に戻り、かまどに火をくべようとして思い直す。
『本当に嫌になったら、これで絶命なさい』
この区画につれてこられた子ども時分、顔もさだかではない女の人に渡された、その壺を取り出す。
中には油が入っている。とても高価なものだ。
本当はさらに貴重な何かが入っていたらしいが、男娼の小屋の家主である老人が取り上げて、どこかに売り払ってしまった。
『お前に必要なのはこれだ。高貴な御仁がたわむれに、お忍びでこられる機会もあるだろうから。その時に使いなさい』
男娼はその後、老人の言葉の通り、何度か高貴な客を取ったし、その場合には壺の油も使った。
今夜の客にこの油を使う。その決心を聞いたら老人は卒倒するだろう。
けれど使いたい、と男娼は心から思いつつ、鼻の息を強くしながら、欠けの無い皿に注いだ油に芯を置き、松明の火を移す。
藁の寝床とかまどしかない荒壁の小屋を、空間を橙の光が舐めるように照らす。入り口と反対の壁には文字が浮かぶ。下の端が千切れた掛け軸。
この小屋の昔の所有者が好んでかけていたらしい、と男娼は老人から聞いたことがある。が、文字の意味は知らないし、興味もないと、巨人が川から戻ってくるまで、男娼は思っていた。
そうして男娼は巨人を待つ。
灯火の炎のゆらめきがずいぶんと緩慢に感じられる。動悸は大分収まったが、川のせせらぎの低い音のように、密かに続いている。
男娼は部屋の隅に歩き、油と別の壺を取り出して、中から乾燥した花たちを取り出した。毒がある、しかし良い匂いのする花。春を象徴するこの花を匂いを、巨人が喜んでくれれば良いと男娼は願う。
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春の洛中の闇には鬼が潜むと言われる。これは平安の代から伝わる説で、室町幕府の治世となって長い時間が経過してもすたれることはない。
むしろ、特に奇病が流行る昨今は鬼の気配も濃厚で、怪異も相次いでいる。
そんな噂を宗純は小屋の奥で灯し火の橙に浮かび上がる楷書の列に、思い出していた。
一 枕 開 吟
場 上 花 行
春 香 百 客
夢 風 花 袖
不 寐 天 幾
分 耶 地 詩
明 寤 清 情
「どうかされたのですか?」
見上げ問うてくる男娼の声を受けて、幽玄は消えた。
「いやなに、覚えのある詩だのでのう。その掛け軸で踊っておるのは」
「ああ。ずっと以前のこの小屋の持ち主が好んだそうで、そのままなのです。今の持ち主も捨てませんし、私は詩の意味は存じませんが、花の絵が好きですから」
男娼はその細い肩越しに掛け軸を振り返りながら、そう答えた。
宗純は改めて掛け軸を眺めた。荒壁の小屋の環境を受けてひどく傷み、結果凹凸がいくつもできて、表題の字はほぼ失せて汚れが盛り上がっている。
宗純は男娼の小袖の肩を抱き、淡い朱の花が散らされた藁に分け入って、掛け軸の前まで誘い、その漢詩を朗読した。
「春衣宿花という詩じゃ。花見ののんきな詩じゃ。15の子どもが書いた」
「そうなのですか」
「そうじゃ」
「初めて知りました。目が開けた気がします。それにしても、文字が読めるとはすごいですね。誰でもできることではありません」
それが仕事じゃからの、と答えかけて、宗純は昼の銅銭を思い出し、奥歯を噛んだ。
「わしは坊主じゃ。じゃが破戒の要ゆえ、お主の尻を買うた。銅銭を渡してもうた」
「私の尻はこの詩にあまります。ここらで尻をひさぐものは誰も知りませんから。この美しい言葉の意味を」
「それなら、宿を一晩くれんかのう。カラスが鳴く朝まででいいのじゃ」
願いは宗純の思考を素通りして、言葉となり唇の隙間から出た。春衣宿花は宗純が15の時、艶やかな世界を、美を夢見ながら詠んだ歌である。
師にとがめられるかと危惧したが、詩は洛中で評判となった。
「分かりました。ただお願いがあります」
「何じゃ?」
「口を吸いは忍耐ください」
「何故じゃ? 生臭いか? 坊主ゆえ、余計に生臭く……」
「いいえ。昏く湿った目をした悪い獣のような御仁は、坊様でも富貴のお方でも、いらっしゃるのです。
私が口吸いをご容赦願いたいのは、貴方様のそのお声をふさいでしまうからです。何故か分かりませんが、私はどうにもそのお声が好きなのです」
それに貴方様の瞳は清らかで、まるで花の下で目を覚ました稚児のようで、およそ尻を買いにこられたお坊様とは思われません、と言いかけて、男娼はとどまった。
僧侶の立場を意識させては、尻を買う意志が萎えてしまうかもしれない。だから男娼は代わりに微笑み、宗純の衣をはがす指先に力を込めていく。
……小屋を満たすものが、新月の闇から朝をきざす青の静寂に変わった頃、宗純は果てた。
男娼の肉の削げた尻を両手でわしりとつかみ、痛みに似た強い衝撃が下腹部全体に走ったその時である。宗純自身の尻が轟音を立てた。、
あまりの快楽に驚いたために穴が緩み、屁が出たのである。
宗純に尻を突き出す形で、花を散らした藁に四つん這いになっていた男娼婦は、浮いた肋骨を見せる形で坊主を振り返った。
あっけに取られるように大きく目をひらいてから、けらけらと笑った。
その楽し気な声に宗純は、大悟する以前なら、殺生の禁を犯したいほどの羞恥をこの男に覚えるのだろうな、と仏像のような表情を保ちながら思った。
そうして去来したのは大悟の記憶。
夜明け前。草地の隙間に座禅しながら眺めていたのは琵琶湖の水面だ。
雲のない空がやや暗く映っていた。光がないと水面は明るくならない。
見上げると空は瑠璃。その荘厳。水面は途方もなく広がり、海のような琵琶湖を成す。
が、陽がなければ暗い。では陽なくして世を照らすのは何か。
仏法か。分からん。何かにすがりたい。
だが何にすがるべきか。分からん、と宗純の目の端に涙が浮かびかけた、その時、カラスがないた。
このカラスの声は耳どころか頭蓋の奥、さらに深淵まで響き、宗純は大悟した。
瞬間、尻から屁が爆発した。唐突に去来した大悟に驚いたために、尻の穴が緩んだのである。
……宗純は寺に戻って、師には大悟の報告はした。
が、屁のことは伏せた。大悟して屁をしたものと逸話を残すと、屁が大悟に関係があるものとと誤解するものがあらわれるやもしれぬ。
この危惧は宗純の口をつぐませた。だからこの夜明けまで、宗純は屁のことを誰にも話したことがなかった。
僧侶からこの逸話を聴いた男娼は、みずからの耳を触った。
放屁の音がまだ去らず、奥に響いているような気がしたからである。
音だけではない。けらけらと笑ってしまうような無邪気な感動。
去来した異様な光景。
瑠璃色の空と絶望的に巨大なくちばし。
瞬間、男娼は自身を駆り立てていた感情の正体が分かった。
だから男娼は、どこか視線を泳がせ続ける僧侶に、心からの微笑みをかけた。
「女とまぐわう時、屁をひる男は多いと聞きます。大悟で尻がゆるむということは、屁をひる男は皆大悟しているのですね」
「分からぬ。わしは女とまぐわったことがないからの。だが……」
「……?」
「女とまぐわうのも、大悟も道なのじゃろう。それぞれ違う道じゃが。いきつく先は変わらんのかもしれんの。獣道に迷うても、石段に息を上げても、山の上には同じ月がある」
「どんな道にも悟りはありますが? 衆道にも?」
「悟るのは人じゃからのう。犬にも仏性はあるからのう」
「では、毛虫にもあるのですね」
男娼は目を細め、しばし涙ぐみ沈黙した。そんな男娼に宗純は首を傾げた。
男娼は宗純を強く見つめた。
「お坊様が大悟なされました時。放たれた音に驚いて、池の端から2羽根の鳥が飛び立ちました。1匹は毛虫をくわえ、その朝の贄としました。もう1匹は何も咥えていませんでしたが、放屁の直前まで、その嘴は葉を探ろうとしていたのです。裏には毛虫がおり、餌となるはずでした。鳥は戻らず、カラスは陽が昇るまで鳴き続け、毛虫は長じて蛹となり、やがて夜を舞う蝶となりました」
宗純は刮目した。確かにその通りだった。
鳥が2羽飛んだのも、1羽が毛虫をくわえていたのも、カラスが鳴き続けたのも事実である。
それらは大悟の直後、宗純の網膜に焼き付けられた光景の一部だった。
宗純は怪異を感じた。
「お主は毛虫なのか?」
「いいえ。ただ、毛虫が憑いたのでしょう。狐が人に憑くのなら、毛虫だとて憑くのでしょう。犬に仏性があるのなら、毛虫にもあるのと同じように」
目をぱちくりとまばたきを繰り返す宗純に、男娼は困ったように笑った。
「妖しいことを口走りました。藁に混ぜた花の香りが悪さをしたのでしょうか。お坊様との夜が夢のようであったからかもしれません」
カラスが鳴いた。
刻限。朝の鳥が鳴くまで泊めてくれという約束の時間。
「のう」
「はい?」
「仏の道に入らぬか?」
「私がですか?」
「素質がある。大悟しているわしが言うのじゃ。間違いはない」
「尻をひさいでで生きるものですよ。私は」
「お主は清い。少なくとも銅銭に血道を上げる坊主どもより、よほど」
男娼はあっけにとられてから、もう一度けらけらと笑った。
子どものような無邪気な声が朝に響いた。
男娼はひとしきり笑ってから、右の目の端に浮いた涙を指の先でぬぐった。
「お坊様にはなれませんが、また、お夜伽におこしいただければ、望外の喜びです」
宗純は残念に思った。
大悟しても乞食坊主の行にいそしんでもなお、自分は盲目の家畜と変わらない。
才能ある若者という事実に執着を覚えている。
宗純は男娼に再来を約束した。が、その粗末な戸口をくぐる時、またここに来ても、ここは自身にとって、無人と等しいのだろうな、と寂寞に近い直感を覚えた。
そうするほどにその夜は、初めてのまじわりは夢のような夜だったのである。
橋の下の庵に戻って、宗純は藁の上でになる。首の下の藁を枕のように盛り上げながら、ふと、男との夜、灯りの炎のゆらめきと、藁に混じった花の匂いを思い出す。
一 枕 開 吟
場 上 花 行
春 香 百 客
夢 風 花 袖
不 寐 天 幾
分 耶 地 詩
明 寤 清 情
花の香りのもとで、たのしみをつくした一時の思いにふける。あっという間に散った百花の情。
家に帰って寝ころんでみたものの、夢かうつつか、 まだ瞼に消えず、枕もとにかけられた衣から、その香りがただよってくる。
題名:春衣宿花
作者略伝:一休宗純。
室町時代の僧侶。京都大徳寺(臨済宗)の住持。後小松天皇の落胤。6歳の時安国寺の僧となり、15歳でこの詩を発表。京で評判となった。
27歳で大悟。各地を漫遊、奇行をくり返したがその根底には仏教の世俗化に対する批判意識があったとされる。書画にたけ、狂歌にも通じていた。