戦闘準備>影の気配
9話目です。
それではどうぞ。
ネラス、それは人によって能力が違う。
じゃあ、僕の能力は…。
「君の能力は、能力強化か」
そうカディアは言う。
「うーん、まあ頑張って」
そう言って、カディアは苦笑する。
「まあいい、君はまだ余り力の使い方が分っていないようだな」
不穏なことをカディアは言った。
さてじゃあ、移動しようか。
そう言って、リーリアを部屋に残し、2階の部屋から移動した。
さて、そう言ってカディアは家の外の噴水に案内した。
カディアは、噴水のくぼみに懐中時計をはめ込む。
すると、振動とともに階段が現れた。
埃の被った匂いとかび臭いが
薄暗い階段が目の前にあった。
そして、カディアは、スマホのライトを使い階段を降りていった。
僕と香恋と美玲も階段を降りていった。
その途中、美玲が僕の服の袖をつかんできた。
「怖いのか」
っと、こっそり聴くと。
体をつねられた。
「痛い、美玲」
素直に言わない、美玲のかわいさがそこにはあった。
そんなこと考えてたら、美玲が察したように僕の頬をつねる。
「美玲、顔は止めて」
「あと、無言でつねるの止めて怖いから」
「痛いから」
「うぁぁぁあ」
それから僕は、美玲に力良く頬をつねられた。
僕の頬は、赤く腫れた。
そして、そんなこんなで下に降りていった。
どうして、つねられなきゃいけないのだ、そう思いつつ長い階段を降りる。
一番下まで着くと、今度は指紋認証システム式のドアがあった。
そして、暗いこの空間に扉の先の光が眩しく感じた。
光に目が慣れてきた、そしてそこで最初に見えた景色は、研究所みたいな内装をした施設だった。
その空間は、野球のドームが2個ぐらい入るぐらい広い。
そして、その空間には規則的に柱が立っていた。
しばらく経って、カディアがパチンッと指を鳴らした。
さて、見せて貰おうか君らの実力。
規則的に並んでいた柱が光に消えていった。
そして、次に眼を開けると僕らは町の中心街にいた。
「え…、なぜ道路」そして、なんで僕一人?
「あ、美玲と香恋はこの後実量はかるから」
そう言って、カディアはビルの上まで飛び上がった。
「では、ゲームを始めよう、まあ死なないから安心せい」
「今の台詞で台無しだよ」
そう言いながらも、僕は意識を集中させる。
あのときを思い出せ。
そして、体が熱くなる。
守りたい物をイメージする度、身体から沸き出る力。
そうして僕は、気がつけば全身が波動のような物に覆われた。
そして、光がらせん状に僕の手のひらにまとわりついた。
しばらくして、光が消えて物体が現れた。
美しい剣身をした剣が出てきた。
赤いポインターが僕の頭を狙う。
「ポインターが見えたって事は…」
プシュッンッ
ビルの屋上から銃弾が飛んできた。
ぎりぎり気がついて避けることが出来た。
サプレッサー付きのスナイパーライフルか。
だいたいの位置は把握できたが、細かくまでは分らない。
そもそも、音がほぼしないのでポインターの指す位置で割り出すしかない。
だが、ポインターが見えるのはほんの数秒、どうする。
プシュッンッ
そう思ったとき、またもう一発放たれた。
さて、どうすれば良いのだろう。
上にはサプレッサー付きのライフル。
そして、僕の持っている武器は剣。
短距離武器じゃ、太刀打ちできない。
プシュンッ
っく、顔の横に擦り傷が出来た。
じわりと痛む傷を押さえると、少し血がにじんでいた。
「って、死なないって言ってよな」
僕は少し焦る。
まぁ、でも倒さなければ自分がやられてしまう。
そう思い、僕は走り出す。
プシュンッ
また、銃声が響き渡る。
僕は、剣を振り上げて銃弾を防ぐ。
銃弾は、半分に割れ下に落ちる。
見切れていたから良いが、かなり危なかったな。
そう思い、僕はまたは走り出す。
すかさず、僕に向けて銃弾を放つ。
そして、僕はスナイパーのいるビルの下まで着いた。
ドゴッンッ
その瞬間、ビルの2階部分の天井が抜けて僕に降りかかってきた。
もはや、避けるのは不可能。
崩れたビルの天井の素材が僕に向けて降りかかってくる。
それはまるで、槍のように見えた。
そして、人間の最後はなぜかスローに見える。
そして、全身に駆け巡る。
痛みとともに落ちる意識。
僕は、その場に倒れた。
一方、その頃イメルダとヴェスターは水面下に浮く蓮の葉の上にいた。
「それで、力の使える者の選び方は私の母が勝手に決めたの」
そして、俺ヴェスターはイメルダの衝撃発言に固まっていた。
「そんな、適当な」
それを聴いた俺ヴェスターは思わず口にしてしまう。
「だが、それが事実よ」
そう言って、イメルダは上を指さす。
指す方向に目線を向けてみれば、一人の女性が宙に浮いていた。
そして、その女性はこちらを向くなり笑顔で駆け寄ってくる。
「あらぁ、イメルダちゃんのお友達?」
ふくよかな、胸部を揺らしながら俺の腕をつかむ。
「あなた、渋い顔ねぇ」
そう言って、顔を見るなり言ってきた。
「誰?」
思わず口にする。
「イメルダちゃんのお母さんでぇす」
「よろしくね、ヴェスヴェス」
彼女は、にこやかな笑みでこちらを見つめてくる。
「俺の名前、ヴェスターなんですけど」
「そういう、細かいことは気にしない」
「気にしていると、老けちゃうぞ」
また、にこやかな笑みをこちらに向けてきた。
何だろう、どこかうざさを感じる。
「はぁい、問題です」
「このキャラは、誰のまねでしょう?」
「はい、ヴェスターさん」
「えっと、ちょっとわかんないです」
「正解は香恋のお仕事モード以外のキャラですが」
「まぁ、今は香恋ちゃんの中で封印してるようですけどね」
「弟に会えて、よっぽどうれしかったのでしょうね」
淡々とイメルダの母は話す。
さて、お母さんは使い手さんに会いに行きましょうかね。
「ちょっと待ってください、俺も連れて行ってください」
「先輩のとこ、行くんですよね?」
「いいわよ、ついてらっしゃい」
「イメルダちゃんはお留守番ね」
「じゃあ、お母さん行ってくるね」
そう言って、親子は抱きしめ合う。
俺は何を見せられているのだろうか…。
しばらくして抱きしめ合う手が離れた。
さて、いきますか。
「我はネラスの創造主イメルダのお母さんことミカルダ」
「我が願いは、ネラス使いの所に、行くこと」
ミカルダが中二病っぽい台詞を言うと水面に波紋が出来た。
そして、水が僕らを包み込んだ、
不思議とその水は暖かさを感じた。
そして、少しの重力の重さを感じて、周りの景色が暗転した。
「お・・・い」
遠くから声が聞こえる。
意思が遠退いた、僕は遠くから声が聞こえる気がした。
その声は、だんだん近づいてくる。
「起きて」
はっとして僕は目覚めた。
僕はあのとき天井が落ちてきてそれで。
「だから、死なないといったじゃよ」
そう言ったのは、カディアだった。
あれは、立体映像を元にしたプログラムじゃ。
リアル4Dと言ったところかな。
「それ、なんか違うんですけど」
僕は少し怒り気味に言う。
「それに当たって血が出てきているんですけど」
そう言って被弾した箇所に手を当てる。
すると、その傷は消えていた。
「あれ、確かにダメージを負ったはずなのに?」
すると、カディアが口を開く。
「そう、それがリヤル4D」
「おお、リアル4Dすげー」
「仕組みはどうなっているのですか?」
そう、カディアに訊いた。
「企業秘密」
その言葉でその場はまるく収まったのであった。
「それより、君は力をまだ制御できていないようだな」
カディアは、そう言って難しい顔をしていた。
「弟君、少し休憩したら?」
そう言ったのは香恋だった。
そして、香恋ことお姉ちゃんは僕の頭をなでる。
「そうだよ」
そう言って美玲も言った。
僕らは、寝転がった。
「ふぅ」
ため息をついた僕。
ドスンッ
鈍い音が響き渡る。
「あらぁ?降りる所間違えたかしら?」
そう言って、ふくよかな胸の女性が言う。
僕のお腹に知らない、女性がどこからか落ちてきた。
ぐふぅ、思わず声が出てしまう。
そう知らない女性が僕のお腹の上に馬の状態になり重い。
「重い」
思わず声に出してしまった。
「今、なんて?」
とても、冷たい声で言う。
その女性は、僕を見てとても殺戮的な眼をしていた。
「何でも無いです」
僕は震えながら、言う。
「そう」
彼女は僕の腹から立ち退いた。
「先輩、何怖がってるんだ?」
そう言ったのは、ヴェスターだった。
「生きていたの?」
「ああ、何とかな」
「ここには居ないけど、イメルダに助けて貰ったんだ」
「生きてて良かった」
思わず僕は、泣きついてヴェスターに飛びつく。
ヴェスターは、頭を撫でて言葉をこぼした。
「心配させたな」
「あぁ、弟君私の時は抱きついてくれなかったのに」
そう言って香恋は僕に抱きついた。
そして、負けずと美玲も抱きついてきた。
「…」
その光景にミカルダは固まっていた。
笑い合う光景にとてもほほえましい感情を抱いていた。
「この後、起こることも知らずに」
同刻、花咲市街。
ビルの上、ワープしてきたのは仮面を被った女性だった。
女性は仮面で顔をかくして、フードを深く被っていた。
「ここも、時期に私もの」
ローラス「準備整いました」
ローラスは敬語でその女性に話す。
「では、行きましょうか」
「ふふ、ふふふ」
そう言って不敵に笑う。
次もお楽しみに!