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春の暖かさと消失

銃声が響き渡り立ち籠める硝煙の匂い。

ドサッ

そして、倒れる香恋。

「終わりました」

そしてガラスの割れたところから、1人の影。

謎の仮面の女「ふふふ、これで所有者は後2人」

仮面越しににやける狂人。

それは、まるで人間とは思えない者だった。


一方、美玲。

私は苛立ちを隠せない。

ヴェスターが私たちを使えない宣言したこと。

それと先輩が私に相談せず、独断で決定したこと。

「あたしの好きになった先輩じゃないみたい」

「…」



先輩自宅、20時…。

「今ローラスは、能力を保持していません」

そう言ったのはガードマン。

「どういうこと?」

僕はそう聞く。


「彼は今隣に写っている仮面の野郎に力をすべて与えたからな」

「なんでそんなことをガードマンのあんたが知っている?」

「だって俺は…」

そう言って顔に手を近づける。

そして、ペリペリという音とともにはがれ落ちる肌。

肌と言ってもおそらく変装で一枚何か被っていたのだろう。

「カディアだから」

そう言って野太い声を響かせる。

しばらく僕は唖然としていたが、家から追い出そうとカディアの背中を押した。


「仕方が無い、今日は帰ることにしよう」

「だがな、先輩あんたは若い」

「その、妙に大人ぶった対応、止めた方が良い」

「君はまだ勢いで壁を乗り切れる」

「じゃあな、先輩」

何しに来たのだろうあの人は、そう思いながらその日は寝落ちした。


そして、翌日。

寒い温度から一変して春の陽気を感じる日もある。

そして、最近学校が始まった。

僕は通学路を1人、いや監視役兼護衛のカディアが居るのだが。

学校の校門を抜け、教室に行き久しい友達と挨拶を交わし、始業式が平和に行われていた。

護衛の兼監視のカディアは俺についてくる。

トイレですら…。


ふぅ、用を足して廊下に出た。

すると、美玲がいた。

「おはよ」

僕は挨拶をするが美玲は何も言わず黙って通り過ぎた。


さて、今日の授業は終わった。

そして校門を抜け帰ろうとした。

そして、帰り際にも香恋とあったが眼を会わせただけで去って行った。


悲しさよりもうれしさよりも僕はこの生活にもう開き始めていた。

平和な日々、それはとても良いことだがやはり1人とは寂しいもの。


「…」

「…」

「…」

花咲市、ビル屋上午後11時」

ローラス「…様、今夜美玲を」

仮面の女「ふふ、順調ね」

仮面の女「これで、あの計画を進められる」

「ふふふ、あはは」

高笑う声が花咲始終に響き渡った。

まずは、第一段階実行ね。

「カチッ、ピッ」

ボフゥ。

その音とともに花咲市は業火に包まれた。



「好き放題するのもこれまでだ」

そう言ったのはヴェスターだった。

「ローラス、おまえ」

抜きしみ混じりに声を荒げる俺


「…様お下がりを」

ローラスの言葉に仮面の女は消えていった。


「久しくだな、ヴェスター」

「国の犬が、俺に何のようだ?」


「おまえにお灸を据えに来たのだよ」

「元調査班のおまえにな」

「あの失敗以来、おまえは調査班をやめたからな」

「足どりをつかむのには苦労したよ」


「おまえの親父さん、悔やんでいたぞ、おまえが道を踏み外したのをな」

「だから、おまえを止めに来た。」

「旧友としてな」


「おまえにはわからないだろうな」

「俺の苦しみなんて」


「そんなことはどうでも良い、香恋はどうした」

焦り気味にヴェスターが言う。

「情報が早いな」

「この計画を遂行するのには彼女が必要だ」

「まさか、貴様」


「そう、彼女は俺がアクティベートしたよ」

「そう、俺がネラスの力を使う度彼女の命が減る」

それでも、俺と戦うか?


「っく、…」

カチャッ

パーンッ

俺は銃弾を放った。

銃弾のコースは彼の鼻先に当たるコースだった。


しかし、彼は微動にせず銃弾を受けるかと思えた。

しかし、彼は衝撃波の振動のような纏った。

そして、銃弾が彼の顔まで差し掛かった時には銃弾は下に落ちていた。

甲高い金属音が響き渡る。

それは銃弾の落ちる音だった。

「そんな攻撃、効くと思うか?」

ローラスは平然と立っていた。

「良いのかヴェスターこれ以上、俺が力を使うと彼女がどうなるのか」

「分るよな?」

「っく、お前はなぜ仮面の女に従う?」


「それはな、ヴェスター」

「勝ったら教えてやるよ」

そう言ってガトリングを出し対角線上に撃ち続ける。

銃声に慣れているがそれでも少しうるさい。

そして情報通りリロードなしか。

オーバーヒートを狙うしか。


カチャッパーン。

俺は彼のガトリングの持っている手を狙ったが、能力にはじかれた。

はじかれた銃弾が俺の頬を擦る。

血が少し滲む。

「…何か倒す方法はないのか」

そう頭を最大限働かさせるが、あいにくいい案が思いつかない。


ババッババ。

そのガトリングの音だけが響き渡っていた。

皮肉にも倒す方法がない以上よけるしかない。

カチカチカチ。

ガトリングの音からその音が聞こえてきた。

オーバーヒートの前兆だ。

俺は拳銃を構え彼に正面から発砲した。

無謀かもしれない、でも俺はもうこれ以上大切なものを失いたくない。

そして、彼の銃弾はガトリングの回転モーターに被弾して、ガトリングは爆発した。


無慈悲かもしれない、だがそれが一番の薬になるだろうそう思った。

燃えさかる炎に少し安堵する。

それもそうだろう強大な敵を一人倒したのだから。

あっけなかったな…。


そう感傷に浸る。

コツコツコツコツ。

今度は足音のようなものが響き渡ってきた。

ここはビルの屋上誰からせん階段で登ってきているのだろうか。

バタンッ

ドアを思いっきり開けたのは、美鈴だった。

「なんでここに?」


「後ろ」

彼女は叫ぶ。

「えっ」

胸がとてつもなく熱くなる。

下を見ると滲みだす血。

「これまでか」

ドサッ


「嘘だよね。」

後ろから撃った人物はローラスだった。

しかし彼は意識がもうろうとしていてもう一発撃つのは不可能な状態だった。


ヴェスター息をしているか確認したが息を引き取っていた。

「…」

もの静かな闇夜に炎の光が揺らいでいた。



私はしばらくその場から動けなかった。

それもそうだろうあと数秒あれば助けられたそれだけの思いがこみ上げる。

私は学校をしばらく休んだ。

それだけショックだった。

だが、心配して毎日来てくれるのは彼、いや先輩だった。

「おーい、美玲いるか?」

そう言って有無を言わせず部屋に上がり込む。

「…」

そして何も言わず頭を撫でる。

そして、私は彼の中で寝てしまった。

暖かく落ち着く。

彼が恋人らしい行動に少し見直した。

というより惚れ直した。

一つと歳は違うけどそれを感じない仲、そんな関係。

それはとてもいいもので、私はどうすれば良いのだろう?

ヴェスターは死んでしまい、ローラスも瀕死状態。

なので、仕えていた上司に当たる人物の詳細も分らない。

絶望的だ、ネラス後からの使い方も良く私たちは分っていない。

でも、希望を無くしたら終わり。

だから私は…。


そして、しばらくして私は目が覚めた。

彼は隣ですやすやと眠っていた。

もう良いよね。

そうやって、私は彼の唇に顔を近づける。

そして…。


部屋の暖かさを感じながら、ファーストキスをした。

そう、私たちは恋人らしいことはこれ一つしていない。

だから、良いよね一つくらい。-

青春、青い春と書いて青春。

しかし私たちは、青い春どころか灰色の春を歩むところだった。

そう思えたのはついさっき。


恋人になってから、恋人らしい事をしていないことに

気づいた。

私は普通の恋人になりたかった。

同い年であればそう思うときもあった。

でも彼は違った。


彼は呼び捨てで良いと言って、私に気を使ってくれた。

でも、彼は私を恋人として扱ってくれているか正直不安だった。

付き合ってから、何ヶ月が経っても私と肉体的な関係を持たなかった。

肉体的関係はいけないことだが、キスぐらいならいいと思う。

だが彼は理性の塊のような人間でキスは愚か、一緒に帰宅すること出すらしてくれなかった。


そんな中、私は本当に恋人として見てくれているのか不安になった。

でも、これでキスしたから恋人だよね?

そう自問自答して、赤面していた。

彼の寝顔を横目に見とれる美玲であった。


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