93.カキ鳥とマジックミラー
今日も朝から変わらずグリとヘンリーさんのふれあいを終えて、只今グリは体を乾燥中。多忙な日々を送るのに毎日毎朝ヘンリーさんはいつも満面の笑みで、ゴシゴシジャブジャブとグリを綺麗に洗ってくれている。それに付き合うアーロンさんも有難い限りだ。
「アーロンさん、ちょっと相談なんですけど、うちのお店とのやりとりの連絡手段が次の旅の時に欲しいんですが何か良い手段ってありませんかねぇ」
「そうですねぇ。毎日となると手紙などでは厳しいですね。商人ギルドに頼むとしても、あの連絡係の女性ではザマゼットまでは距離がありすぎてきっと彼女の魔法スキルを使っても不可能でしょう。あとはレイブンパロットをテイムするというのが一番の手段かもしれませんが旅に同行させるまでに手に入れるのは時間的に難しいと思いますので、もっと手軽なもので行くとなるとそうですねぇ、うーん、そうするとあれが良いかもしれないな。タクミ殿、高価な道具でもよければ短文でしか使用できませんが、使えそうな魔道具があります。」
「高価でも構いません。教えてもらえますか?」
「では朝食後、書斎へお越しください。お見せ致します。」
「ありがとうございます。」
「おーいタクミ!喉が渇いたぞ。」
「ああ!いつものジュース今すぐ出すなぁ!アーロンさん、後ほど。」
「はい。」
そして俺たちは朝食を済ませてヘンリーさんの書斎にいくと、立派な机に二本の羽ペンが用意されていた。
「アーロンさん、これは?」
「はい、これは二本で一対のマジックペンです。」
「マジックペン?」
「はい、片方のペンで文字を書くともう片方のペンも反応して同じ文字を書くことができるのです。」
「へぇーーー、そんな便利なものがあるんですかぁ。」
「ええ、便利なのですが1日に20文字しか書けないのです。」
「20文字ですか。かなり少ない文字数ですね。」
「はい、しかも必ず紙か羊皮紙、木の板でも構いませんがを何か書きとめるものを用意しておかなければなりません。あと、ダンジョンの中では使えないのです。ですから宿などに紙や羊皮紙を用意しておいて、後に確認となります。物理的に考えてダンジョンを探索するとなりますと流石のタクミ殿達でも最低2、3日はダンジョン内にこもる事になりますので毎日の報告という点ではこれも意味がなくなってしまう可能性が高いですね。」
「そうですねぇ。まあ俺としては毎日の報告も、正直そんなに必要無い気もするんですが緊急時の連絡手段は確保したかったのでこれはこれで使えると思います。」
「それでしたらマジックミラーというのもありますよ。」
「マジックミラー?鏡が喋るとかですか?」
「いえ、鏡は話はしませんが姿を映して見せる事ができます。これのメリットとしては文字数は関係なく文字を書いたものを鏡にうつせば相手に伝わります。しかしデメリットはまず、声が聞こえない、映したものが反対に浮かび上がるため文字を見るときはさらに鏡を用意して映し見る事が必要になる。あとはタイミングですね。アイテムボックスなどに入れていると気がつかないという事でしょうか。」
「うーーーーん。どちらもダンジョンの中では難しいですね。ちなみにその羽の魔道具ってどうして二本だけ同じ内容が書き表されるんですか?」
「こちらやマジックミラーは付与魔法でリンクという魔法を使います。そうする事で魔力の力により2つのものをつなげる事が出来るのです。」
「なるほど、どの位の距離とか違いはあるんですか?」
「はい、高価なものになればなるほど遠くまでリンクが可能ですし映りも鮮明です。」
「普通の羽ペンに付与したら同じようになるんですか?この羽ペンの羽は今までに見たことのない羽してますけど、何か特殊な魔物とかですか?」
「はい、御察しの通りでこのペンの材料となる羽はカキ鳥という魔物の羽を使っています。魔法で書き取りを行う物は全てこのカキ鳥の羽を使っており、例えば議事録をとる時には必ずカキ鳥の羽を使った速記ペンが使用されます。こちらの速記ペンは速記者が魔力を注ぎ随時書き取りが行われ膨大な量を処理する事が可能です。念筆も可能ですので喋られなくなった者などが、このペンを使い筆談をしたりもします。ちなみに一本で使用しリンクの付与魔法を使っていないこちらは文字数の制限などはありません。」
「うーーーん、羽ペンはすごく便利なものですが今回の旅で使うにはどれも難しいですねぇ。マーガレットさんが悩むわけです。」
「では、もし仮に何か大変な事が起これば、フィッツロイ家の代官が動くというのはどうでしょうか?こちらの都合でタクミ殿をお借りするわけですし、さらにマジックミラーに関してはフィッツロイ家の鏡を使って私にご報告頂ければ対処いたします。」
「そんな、俺の商会の事まで面倒見てもらうわけにはいきませんよ!」
「そうですか?ですが飛行中であったりダンジョンの中では通じないというのが現状ですので緊急の時には誰かが対応するべきですからどうしても難しい時はお手伝い致します。」
「たしかにそうですね。でも他の商会とかから文句が出ませんかねぇ。」
「でないと思いますよ。売り上げ報告を領主にするような商人なんておりませんから。」
「た、たしかに」
アーロンさんに報告なんてしたら脱税ですねとか、これは経費になりませんよとか、めちゃくちゃ厳しそうだし、そう考えたら文句を言ったが最後かもしれないな。
「では、そう致しましょう。困った時はお互い様です。」
「わかりました。じゃあこの羽ペンセットとマジックミラーのセットを俺が持つという事で連絡がつかない場合、フィッツロイ家の鏡を使ってアーロンさんに連絡して判断を仰ぐという事でどうでしょうか?」
「そうですね。それがよろしいかと思います。ではマジックミラーのセットですが出入りの業者に用意させます。こちらの羽ペンについては当家の予備ですのでお持ち下さい。」
「あ、おいくらですか?」
「いえ、予備ですしお貸し致しますよ。もし、今後もご利用になるならプレゼント致します。」
「そういう訳にはいきませんし、ほら、経費も使わないといけませんから教えて下さい。」
「そうですか?こちらのセットで500ペニー しますが大丈夫ですか?」
「はい、問題ないです。ありがとうございます。」
「こちらはたまにペン先を削ったりと手入れもしないといけませんのでご注意下さい。そのままにしておきますと非常に字が見難くなりますので手入れは大切です。マジックミラーは2000ペニーと高額ですがこちらは羽ペンと違い割れるまでは永久的に使えますのでご安心ください。」
「わかりました。ではマーガレットさんに今の話を伝えておきますので、よろしくお願いします。」
「はい。かしこまりました。」
とりあえず、これでお店との連絡は何とかなりそうだな。時間とかを決めて明日は連絡ができないとか細かくスケジュールを伝えてやり取りして迷惑をかけないようにしていくしかないな。本当にこんな店主で申し訳ないなぁ。マーガレットさんの給料、来月から上げよう。あと、店舗を大きくして風呂とかも販売するなら、商人ギルドで土地とか良い物件を探しておいてもらわないといけないよなぁ。マーガレットさんと出かける前に商人ギルドに出向いた方がいいかもしれないな。しかし俺の構想としては4階建ての建物でワンフロアごとに化粧品、食料品、冒険者グッズやポーション、さらに各店舗スタッフの休憩所やら事務所を作りたいんだよな。欲を言えば俺専用スペースと言うかグリやポヨ、俺の住居スペースも欲しいんだよなぁ〜。とか考えるとやっぱり土地を買ったほうが早い気がする。一棟丸ごとなんてきっと難しいだろうし正直、一棟丸ごと借りても俺たちのスペースは手に入らないからなあ。やっぱり五階建ての建物がいいよな。となるとやはり土地を購入プラス建造かあ。俺の持ちペニーで足りるかなあ。でも流石にヘンリーさんが留守の時までずっと城でお世話になってるのはいい大人として情けない気もするし、ヘンリーさんがいる時はふれあいタイムの事も考えて城にいた方が便利かなとも思うけどいらっしゃらないのに俺が我が物顔で居候するのは何か違う気がするからちゃんと家は押さえたい。
「あの、アーロンさんもう一つ相談ですがリッチモンドの街中で土地を購入か賃貸して建物を建てる事は不可能でしょうか?」
「そうですねぇ街中は難しいですね。ですが、二つ広大な土地は空いているところがあるんです。一つは城壁外、一つは城壁内ですが市場からは少し離れている現在ヘンリー様所有のガーデンがございまして、そちらなら都合はつけられますが、こちらのガーデンには廃墟がございましてもしこの土地を使用されるならば整備が必要となります。」
「そんな、ガーデンなんて使ってもいいんですか?」
「はい、実はこちらの土地は以前は修道院として使われていたようですが城壁内と城壁外、どちらもヘンリー様の父王に破壊された場所でして、よく言えば広大な土地であり緑豊かな為今の所は手をつけずに管理をしながらガーデンの保存に努め美しく残していた、悪く言えば広大な土地過ぎて借り手も見つからずさらに緑は素晴らしいのでそこはいじらずに使ってくれる相手を募集していましたがそんな都合の良い方はおらず管理費がかさむので誰か管理費だけでも払ってくれたらありがたいのに〜と思うような土地がございます。」
「あの、心の声がだだ漏れですが・・・。」
「すみません、つい。まあ、こんな状況なので朽ち果てた石造りのタワーがございますが、保管状態も悪く使うには不便ですし安全性も怪しいので、あそこを取り壊して新たな建物を建てていただいて構いません。ガーデンについては今まで通りガーデナーを派遣いたしますので、土地をうまく利用していただいて商売して賃料を頂ければ領地としても潤います。道幅も馬車が行き交いできる広さがありますから、馬車で訪ねてくる貴族のお客様にも都合が良いのかもしれません。以前おっしゃっていたマッサージなどもこちらでしたらできるのではないのでしょうか?」
「あの、どの位の広さのある土地なんですか?」
「これは失礼。だいたい、この城の敷地面積の3分の1又は4分の1位で殆どが木や芝生、そして手入れされた花々たちが咲き誇っております。お茶を飲んでくつろぐには街の雑踏から離れていますので心の癒しにも良いかもしれません。」
「それは素晴らしいですね。あの、俺の支払いのできる賃料だと嬉しいのですけど、おいくらほど?」
俺は正直そんなとんでもない敷地の広さを借りるなんて恐ろしい賃料を想像し、つい生唾を飲んでしまった。
「そうですねぇ、ガーデナーの日当が5人分と土地の年間維持費で7000ペニーほどかかっておりますのでそれに賃料として年間3000ペニーほどつけさせていただいて1万ペニーで如何でしょうか?」
一万ペニーと聞くとかなり大きな額だけど敷地面積から考えるとかなり破格だし建物を建てるのも許可してもらえてる訳だから、これは破格だよな。だって街中の店舗のワンフロアの家賃で月々60ペニーだけど年間3000ペニーの上乗せ分だけで考えると約4倍から5倍、もちろんそれだけじゃなく、維持費の負担もあるが人をそのまま使わせてもらえてガーデンの管理ができるわけだろ?年間一万だと月々は833ペニー、うん、安いぞ。だって1日化粧品店だけでも3000ペニーを切ることはまだないし、これからは食料品やら冒険者グッズにポーションも販売するからその額でも問題ない。それにマッサージエリアもついてスタッフの休憩所も作れるし俺たちの居住スペースだって作れる!これはかなり有難い話だ。
「ちなみにこの賃料に関しまして経費として認められますので税の対策にもなりますよ。」
「でも俺としては商業スペース以外に俺たちの居住スペースも作りたいなと考えているんですよ。それでも問題ないですか?」
「そうですね、全部は認められないかもしれませんが何割かは税の対策となりますので問題ないですが、このお城から出ていかれるのですか?」
「ええ、ヘンリーさん達がお城にいらっしゃらないのに俺たちが居候しているのは心苦しくて、それに料理を作るスペースだったり風呂を作ったりと俺なりに新しい物をどのように活かせるかも試してみたいのです。」
「たしかにお城にいては試す事は難しいですね。かしこまりました。ヘンリー様にもお知らせいたします。」
困り顔をしながらも了承してくれるアーロンさん。
「もちろん、いつ来て頂いても歓迎しますし
もしかするとヘンリーさんに今後もついて回る可能性も高いのでマーニン島の家のように留守がちになる事も考えられますがあちらだと魔石を毎回着脱しないといけないので付けっ放しでも安心して離れられる家にできればと考えてます。」
「たしかに、そう言われてみればそうですね、来年の王都での議会が開かれる季節になれば夜会やお茶会、それにお芝居の鑑賞など多くの催し物がございましてきっとエリザベス様からの夜会やお茶会のお呼びもかかると思われますし。」
「そうなんですか?!俺、庶民なのに?!」
「爵はなくとも女王の招待客となれば行かざるをえないでしょうね。」
「えええええ!!!!そんな話、出てるんですか?」
「はい、特許状を授かっておりますので最低でも一度は王都に顔を出さなければならないと思いますよ。今回の議会の季節はエリザベス様のご配慮にて病気のためフィッツロイ家は参加を致しませんでしたが公的にもヘンリー様の復帰を示さねばなりませんしお仕事ですので次回の議会は私共は必ず参加する事になります。その際にタクミ殿を同行せよとお達しが間違いなく来る事でしょう。」
「そ、そんなぁ、でもそれもそうか、礼儀としては当たり前の事だよな。え?アーロンさん、そうなった場合って・・・」
「色々と不安なお気持ちになるのはわかりますが、その際には私共がサポート致しますのでご安心下さい。ちなみにダンスのご経験は?」
「ダ!ダンス?!すみません。皆無です。」
「ではレッスンあるのみですね。」
「いや、それだけは勘弁してください。」
「私共はそれでよくともエリザベス様はご納得頂ける方ではないと思いますよ。」
ニヤニヤしながら俺をおどすアーロンさん。
「はぁ、わかりました。」
「向こうの領地でレッスンをつけて下さる講師を手配しておきますので頑張りましょう。ムフフフフ」
笑顔だけど目の奥が笑ってないよこの人。
「と、とりあえず話を戻して先ほどの土地の件ですがお借りできますか?ただお借りするのは来年からでお願いしたいです。従業員が揃うかとか考えると今すぐというのはちょっと心配ですから。」
「結構ですよ。特に誰かが借りたいと言っているわけでもありませんしそれに本当はペニーを頂く気はないのですがそれではタクミ殿が納得しませんよね?」
「はい。きちんとお支払いしたいです。」
「そうおっしゃるであろうと思い賃料を提示させていただきましたので来年までは予約という形で、他の者との契約がないように致します。あと、建物の建築作業に入られても構いませんし、ガーデナーにガーデンのご要望などございましたらお気軽にお申し付けください。例えばサロンの位置などを教えて頂ければ、そこから見えるお庭を美しく作ってもらいますから。」
「そんな配慮してくださるんですか?通常ならその時点から家賃が発生しますよね。」
「通常ならそうかもしれませんが今回はタクミ殿にお貸しするのですからそのくらいさせて頂きませんと」
「ですが、それだと・・・」
「この領地で、あそこの賃料の年間一万ペニーを払う事ができる商人は今のところおりませんし、今後長らく契約頂いて領地の経費負担を少しでも減らし税を楽にするという考えの元で動いております。
それに遊ばせている土地を有効利用するのも領地経営の一つですし商人ならおまけの一つもしますよね?」
「た、たしかに。」
「私が判断を間違えたなどと今後言われないためにも是非末永く商売をして成功し賃料を払って頂ければ
何の問題もないのですよ。」
「わ、わかりました。感謝します。」
「では、そうなりますと建物の建築も必要になりますね。」
「それですけど、建てられた時代によって建材が違うような気がしますが、今はどんな建物や建材が主流なんですか?」
「そうですね、今は富裕層にはレンガであったり木材とレンガと漆喰やガラスを使った建物が人気ですね。建物を建てられる際は職人を使われますか?」
「いえ、色んな建造物を見て内装は職人さんやデザイナーさんにお願いしますが外の建物は俺が作ろうかと思ってます。」
「そうですね、建築スキルはタクミ殿はきっと高い物をお持ちかと思いますので費用面も考えますとその方がよろしいかと思います。」
「また今後も色々と相談に乗ってもらってもいいですか?」
「はい、もちろんです。」
「ありがとうございます。」
「では、さっそくガーデナーに石畳の破損などがないか確認をさせ、ご婦人が喜ぶようなデザインに変えてもらいましょう。
そうそう、この事はメアリー様にもお話しいたしますがよろしいですか?」
「はい。もちろんです。そういえばメアリーさんは次の出張にお供されるのですか?」
「今の所は同行予定ですがもしかすると変更になるかもしれません。何分長旅ゆえに危険もありますし議会のシーズンに向けての準備もありますのでドレスの製作やらで
時間が必要ですから。」
「なるほど、議会のシーズン・・・」
「タクミ殿も頑張りましょうね。」
「は、はい。」
書斎から出た俺はその後メアリーさんと会い議会のシーズンのことを尋ねると男性は基本的に昼間は議会へ参加し夜は領地間のお付き合いなどの為、夜会、いわゆるパーティーに呼ばれたりするらしいがそんなに頻繁でもなく毎夜あちらこちらで開催されているわけではないとのこと。さらにフィッツロイ家はまだ子供もいないので、子供のお披露目というのもなく7日に一度くらいのペースらしい。あとはお付き合いでのお芝居の鑑賞やらもあるが、忙しいのは主に女性で男性、特に俺のような議会に参加する必要のない人はそんなに身構えなくても大丈夫だと教えてもらった。女性はというと茶会などを開いたりしなければならないので大変なようだがメアリーさんは慣れたもので問題ないとのこと。
「強いて言えばドレスなどを新調しなければならないのが大変ですわね。」
との事。ドレスはかなりの高級品だし採寸やらデザインやら一から測って決めなければならない。
「流行遅れを着ているとそれこそ領地経営がうまく言ってないだの何だのと一気に噂が広まってしまいますのよ。」
そう言う事に気を配る方が大事なんだとか。女性って大変。だが、それも今回は俺の化粧品があるのでいつもよりは楽ができると感謝された。いつも議会のシーズンの時になると特に体調が悪くなっていたそうでそれも鉛毒によるものだったのだろうと言う話。とにかく影ながらでも応援できるのは良い事だ。シーズンの時期は王都から遠い領地の貴族は、寒い時期から移動を始めて本格的に議会が始まる、春頃に間に合うように王都へ集結し早い人では秋口の頃から領地へと戻るらしいが基本的には貴族と上級冒険者による大規模な魔物狩りを終えるまでは大抵王都に残りそれを終えて領地に戻るらしい。いつ何時、隣国から攻められたり魔物の奇襲に対しても民を守れるようにするための訓練の時でもあるそうだ。貴族は基本、民から税を徴収し非常時には民を守るための存在だと言う。俺が思っていた威張っているだけの貴族とは少し印象が違ったので少し驚いた。貴族の子女であっても守られる対象ではなく戦闘する剣士であったり魔法使いだそうだ。実はメアリーさんも幼い頃よりジャックさんのお母様に稽古をつけてもらっていたとか。本人曰く、憧れが強かったらしく頑張ったがそんなにスキルは上がらずどちらかと言うと頑張っていない、お裁縫などのスキルの方が上がって辞めてしまったとか。一応護身術程度は習得しているが本格的な戦闘となると介抱などの裏方に回るという。ジャックさんのお母様からは剣を交えるものだけが戦闘するのではなく裏で支えてくれる人がいなければ安心して戦うことなどできないのだから、介抱したりする事も戦闘の一つだと教わったそうだ。聞けば聞くほどジャックさんのお母さんって格好いい女性だな。そんな事を話した後に俺はお店の商品になる物を考えたりして、その日1日を過ごしマーガレットさんが来るのを待った。
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