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9.マーニン島〜二週間目〜

ようやく家の中もまともになって、周りにある倒木のおかげもあり、内装から生活道具までかなり充実してきた。


今まで作っていなかった部屋の内装も乾燥したオークの木で板を作り、貼り終えたし食器もかなり揃った。


食器を洗って、置いておく棚とか水差しボトルとか椅子も土魔法のものから木のベンチタイプに変更した。


布や布団はないけどベットも作った。

何だかんだで魔法を駆使して生活用品はそれなりに揃ったと思う。


山菜採りにも出かけていて、あれから ラベンダーとかも見つけた。


そうして落ち着いてきたらある物を思い出した。


そう。神様からもらったマジックアイテム。


神様からは簡単だから使ってみたほうが早いと言われて説明を割愛されたでかい釜…。


とはいえ、使い方もわからないから、どうしたものかと考えていたが鑑定をかけてみる事にする。


【 名前 】神の錬金釜


【 用途 】

サイクロプスが神の世界にいる頃に作られた錬金釜。

神の世界で大流行したがその後調子に乗り、悪さをして神落ちとなり地上に追放される。

その後、神の力を失い寿命が尽きる。

子孫が残り錬金釜を作るが神の錬金釜とは違い性能の劣るものしかできなかった。

地上の通常釜とは違い、永久的に消滅せず無限に使える釜であり、品質も最上級のものが100パーセントで出来上がる。

サイクロプスの知能が、あまり高くなかった為イメージ重視で細かい知識など必要なく作れる神アイテム。

オーデンでもその構造は謎らしい。



「お────! なんか、ものすっごい貴重な品くれたみたいだなぁ────! でも使い方がかいてねぇ!」


サーチだ!サーチ。


『サーチ、神の錬金釜、使い方』



【神の錬金釜】

ー 使用方法 ー


作りたい物をイメージして材料を入れる。


以上


あははは…。

説明になってない。

マジか?


う────ん、まいったな。


とりあえず 採取したラベンダー入れてみるか。


イメージは瓶に入った食用の調味料とラベンダーウォーターと精油か?


「まぁ試運転って事で、やってみるか」


釜の蓋を開けてラベンダーを入れてみる。


イメージを浮かべてスイッチオン


……チーン


ん?早くないか?

5秒くらいしかまだ経ってないぞ。

振動とかもなかったし。

失敗か?


恐る恐る蓋を開けてみると……。


出来てるよ!

コルクの蓋がついたガラス小瓶の中に調味料っぽい粉末と、同じガラス瓶に金色の蓋のついた透明の液体。

もう一つクリスタルっぽい形のガラス瓶に入ったトロッとした感じの透明な液体。


「待て待て、おかしくないか? この金属とガラス瓶はどこからきた? しかも5秒で3種類もできたぞ。まぁ 神様も説明割愛するくらいだし、使った方が早いって言ってたのも、なんか納得できるような…」


これは鑑定だな。




【 名前 】神の錬金釜で作ったラベンダーの最上級食用調味料

【 用途 】食欲増進のハーブ。

料理や菓子の風味付けに使用。

サラダやドレッシングにも利用。

これをかけた食事は、

通常時の30%旨味がアップする




「さすが神様の錬金釜だな。やっぱり効果がついたよ。どれどれ次はこの縦長の瓶の透明な液体だな。」



【 名前 】神の錬金釜で作った最上級ラベンダーポーション


【 用途 】リラックス効果と鎮静効果。

殺菌作用、防虫作用があるため、

衣類スプレーとしても使用可能。

不安やイライラ、不眠も改善。

通常のものより効き目が80%UP!


「は、80%!!!!アップーーーー!!!?」


すごいな。


次だ次。もう驚かないぞ


【 名前 】神の錬金釜で作ったラベンダーの最上級精油

【 用途 】リラクゼーション効果がポーションより高く、

他のポーションや精油と配合することにより、

新たなポーションが出来上がるため広く原料として用いられる。

通常のものより製品価値が100倍ほど高くとても貴重な物。



「こ、これはたぶん売れるぞ。いつか街に行くようになったら、その時に販売してみよう。」


しかし恐ろしくチートなアイテムだな。

俺、神様に依存しまくりだよ。

頑張ってレベルも上げないと、これは流石に申し訳なくなってきたよ。


よし。そろそろ川に行ってみるか。

目的は魚だ。

鶏肉ばかりで魚が食べたくなってきた。

もちろん水場だから魔物もうじゃうじゃいるけど、結界と反射の効果はホーンラビットで検証済みだしなんとかなるはず。

よし。川に行く準備でもりを作ろう。

魚をグサって刺すやつ。


土魔法を利用して、かえしのついた先の部分をイメージして

そこと持ち手を一体型にする。

途中で先の部分だけ抜け落ちても嫌だからな。

持ち手の部分は滑り止めを付けるために格子の模様をつけよう。


イメージはできたな。

では


『クリエイト』


ポンっ


よし。できたな。

鑑定するまでもないだろ。


川までは歩いて15分くらいだけど、念のため弁当も持っていくか。


朝ごはんを食べた時についでに作っておいたサンドイッチ。

鳥もも肉とキノコとワイルドガーリックを炒めた物を食パンで挟んだやつ。


手持ちの調味料の乏しい俺としては山菜のワイルドガーリックは非常に有難い。

味はニラっぽい。


あとは炭酸水をアイテムボックスに入れて…。


よしいざ レッツ川!




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




歩き始めて五分でホーンラビットに遭遇。


でも構っていたら日が暮れるので結界魔法と反射で無視。


案の定、大地を蹴り突進してきて吹っ飛んで行ったよ。


ボフッボフッボフッ。


ペチッ。



ポ────────ン。



うん。気にしない気にしない。

今日は魚を取りに行くんだからな。


また五分ほど歩くと、今度はほうれん草みたいな葉っぱを発見!


これはほうれん草か?!

と興奮気味に鑑定すると…。


【 名前 】マーニンチャード。

【 用途 】マーニン島固有種。

季節に関係なく生える。

繁殖力が旺盛。

刈り取りしても根が残っていれば、3ヶ月ほどで再生

おひたしや和え物に利用。

葉軸が赤、黄色、緑、白ピンク、オレンジなどがある。

他のチャードより味がよく栄養価も高い。


【 名前 】マーニンビート。

【 用途 】マーニン島固有種。

季節に関係なく生える。

繁殖力が旺盛。

刈り取りしても根が残っていれば3ヶ月ほどで再生。

根は皮をむかずに茹でて、茹で上がったら皮をむき、スライスしてバターを添えて食べると美味い。

おろしてサラダに加える事も。

ピクルスにしても美味しい。

若い葉と茎はクセがなく食べやすい。

ほうれん草に似ている。

葉軸と肥大した根は赤紫色。

他の地域のビートより味がよく栄養価も高い。


【 名前 】マーニンビート 異変種

【 用途 】マーニン島固有種であり異変種。


季節に関係なく生える。

葉は魔物の好物。

繁殖力が通常ビートより旺盛。

魔力豊富な土に根の一部を植えればその根からすぐに再生し 成長する。

育成期間は1ヶ月程度。

根だけ残っていれば葉は一度刈り取っても1週間ほどで再生される。

肥大した根から絞った汁を煮詰めると砂糖が取れる。

出来上がる砂糖は茶色くなるが、煮詰める時のアクの色により変色。

根中糖分は20%以上。

大きさは600グラムから1.2キロほどの大きさになる。

絞ったカスは従魔の餌にも使える。

テイマーには最高の野菜。


「なんか全部同じかと思ったらすごいの見つけたよ!ほうれん草じゃないけど近いってことはスープとかできるよな。バターがいつか手に入ればキノコと炒めたり、それにこの最後のやつ! もしかしたら砂糖に近いものができるんじゃないか? しかもこの島の固有種の異変種って。これだけ葉っぱが食われてるもんな。他の葉っぱのないやつもどうやらそれっぽいな。再生力がハンパないな。マーニン島って特殊エリアなのか?地質的には魔力が豊富ってことだよな。自然の力を使わずに魔力で成長する土地柄だからってやつか。まぁ、考えてもわかんないしよし。全部持って帰ろう!」


土魔法ですぐスコップを作り、一生懸命掘る!

マーニンチャードは葉だけウォーターメスで刈り取ってアイテムボックスにしまう。

そしてまた鑑定。

これをどれだけ繰り返しただろうか?

とにかく大量にあったから、鑑定して見分けるのも一苦労。

だけど異変種は大体葉っぱが食われてて、たまに残ってるやつもあるから見分けるのが難しかった。


たまにホーンラビットがやってきて攻撃してくるけど勝手にどこかへ吹き飛ぶので無視。

きっとあいつが異変種の葉っぱを食べてたんだろうな。

悪いなぁ ホーンラビットよ。

全部はとらないからな。

葉っぱ付きのも一応欲しいんだよ。

もしかしたら後々俺もペット飼うかもしれないから、その時の家庭菜園のために持っておきたい。

複製も助かるけど自分で育てるのも楽しそうだしな。


さてと、かなり収穫できたし、そろそろ川に行こう。

川に行って仕掛けを作りたいんだ。

そしたら川辺で昼飯だな。


野菜を収穫した所から川はすぐにたどり着いた。


そして探知をすると、なぜか川の中に結構な数の魔物がいる。


あれ?もしかして川魚って魔物か?

うん。絶対そうだよね。

となると川のすぐ側まで行って食われるパターンか?


いや。そうかもしれないけど結界と反射があるから大丈夫だよ。ビビってたら魚が食えない。


やはり食欲とは偉大だ。

怖さと食欲だと食欲が俺は勝つ。

よし、アイテムボックスから自作のもりを取り出してまずは川のチェックだな。

何かあると怖いので使ったことないけど銛が護身用がわりだ。


一歩一歩と近づくと…。

うん。川からなんかくる。やばいな。一旦逃げよ。




ザプ────────────ン




デカ────────────ッ!!!!


なんだあれ?

2メートルくらい余裕であったぞ。

しかも一瞬だったから鑑定も無理だな。

あれは銛じゃ無理だ。

だけど、アイツ俺を狙ってたよな。


う────ん。

俺でおびき寄せて仕留めるか!


まだ すぐ近くにいるもんな。

絶対またくるよ。


何か良い魔法はないかな。

よし、まず俺の目の前にでかい落とし穴を作って、その中に氷水のイメージで満たす。

そしてその穴に誘導して落とす!


俺不器用だし、あんなでかいやつ、おさえて締めたりとか

無理そうだから氷水の中に入ってもらって美味しく氷締めになっていただこう。


よーし!土と氷と水の魔法ミックスできないかな?

でも穴を掘らないと無理か。


よしここは土から行こう。


『ピットフォール』


ズシ────ン



よし、次!


『アイスウォータープール』


ゴゴゴゴゴッジャ────



よぉし。俺の目の前にでっかい穴を開けて、イメージ通り水がじゃぶじゃぶ下から湧いて出てきたかと思ったら途中からロック氷が続々と浮いてきた。


これならいける!


俺は川岸のプールの端ギリギリに立った。

目の前にはプールがある。

川から俺はほんの少し距離があるが、どうやらこちらへ向かってきてるので、おびき寄せる作戦は成功のようだ。

でかい音がしてるのに、こっちにやってくるとは。

ヤツも恐怖心より食欲が勝ったんだろうな。

もしくは、やられない絶対の自信があるのかもしれない。


さぁ──くるぞ──!

5 . 4 . 3 . 2 . い…


ザップ────────ン


「うわ────っ!


マジ怖ェ────!」



けどっ!


『アイスウォール』





ガッツ────────────ン!



ズルズルズルズル



バッシャ────────ン




逃げられないように掘った穴の土を使って土魔法で囲いの壁を作る。


『アースウォール』


でも大丈夫だったみたい。

小魚しかダメかと思ったけどいけたわ、氷締め成功!



いやーよかったよ。あんな魚のエラから手を突っ込むとか絶対俺の腕の方が持っていかれるよ。


今回 反射を使わずにアイスウォールで、どデカイ氷の壁を

突然出してガツーンと激突させた後、そのままズルズル滑らせ捕獲成功。


魔法もオレ流の使い方をドンドン増やしていこう。


とりあえず 今すぐ持ち帰らないとな。

すぐに魔物が来ちゃうよ。


流石に2メートル超えの魚は普通じゃ持てないから身体強化の魔法を使って力をパワーアップしてアイテムボックスに収納だな。


『身体強化』


見た目は変わらないんだな。

よいしょっと、おぉ!軽々持てるぞ!


『マジックボックス』


「よっしゃ────。入った!」

怖いから今すぐ帰ろう。

転移のスキルもらってよかったぁ────。


『転移・家』


おぉ。はやっ。


空間がぐにゅーーって曲がって

すぐに我が家についた。


何度か試しにやってみたけど、少し離れてると空間の曲がり方が強いな。


試したのは近くでやったから、こんなに曲がらなかったんだよな。


いやぁ、今考えると俺、柄にもなく大胆なことしたよな。

食欲、恐るべし。


でも勢いで獲ったけど食えるよね?


とりあえず倉庫に行こう。


いやその前に昼飯…。


食べ忘れてたよ!

あいつ突然来たから食べてる暇なんてなかったんだよな。

罠とか仕掛ける余裕も全くなかったし。


玄関でクリーンをかけて身体の汚れを落としキッチンでのんびりとサンドイッチを貪る。

いやー大漁大漁。


今日は新たな野菜も採れたし魚も獲れたし。

いい日になったな。

あとは鑑定してその後の予定を立てるか。






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






よし休憩もできたし倉庫に行って鑑定するか。



【 名前 】サルビーフッヘン Dランク。

サルビー川の肉食魔魚。

カエル、ヘビ、ネズミ、水鳥の雛、大きい個体では鹿、馬のケルピーやグラシュティン、人間等を食べることもあるほどの悪食さでも有名。

肉は白身で脂がのり旨い。

旬は特に脂ののる越冬季。

寿命は長く20-40年以上生きる。

体長は2メートルから4メートル。

メスは5〜6回に分けて産卵。

雌雄ともに相手を変えることも多い。

またオスはメスを巡っての闘争を行うことがあるが、勝敗は身体の大きさで決まる。

水魔法を使う者もいるが、温度に敏感で0度以下の水温では生きられない。

皮は水魔法に対し強い防御力があり、水の魔獣退治の時に防護服としてよく使われる。

鱗も水魔法に強い為、鎧の材料に用いられる。



「ほぉ────。鎧とかになるのかぁ。皮の防護服ってウェットスーツみたいな感じかな?水魔法に強いならウォーターメスだと効かないかな? でも包丁がないし鮮度を考えると

風より水だよな。なんせ、旨いって書いてあるし。あら汁とか旨そうだけど塩も酒もないから生臭くなるかな。」


まぁやるだけやってみよ。

しっかり下処理で血合いとか取り除いて湯引きだな。


にしてもだ。

いざ、さばくとなるとデカイよな。

こんなデカイ魚捌さばいた事もなければ、そうそうお目にかかる事もないよ。

これは本来ならば本業の方に頼みたい。

日本に住んでたら基本切り身しか買わないからな。

たまたま、婆ちゃんがよく貰い物の鮭をさばいてたのを手伝わされてたからさばけるようなものの一人暮らししてからは、そんな機会なんてまず無い。


これは婆ちゃんに感謝だな。

よし。早速取り掛かるぞ。

まず、ばら引きでうろこを引きたいけどそんなもの無いから石で作った代用品でうろこを取っていく。


「なんかぬめりが強いな。この魚。そうそう、材料になるっていうしとったうろこはクリーンと滅菌の魔法かけて保管しておこう。」


頭を右側にし、腹からウォーターメスを入れ内臓を手で引っ張ってとる。


やはり水魔法に内部も強いらしく普段よりもかなり出力を上げてなんとかウォーターメスでさばく。

腕には身体強化も使っている。

裏返したり持ち上げたりとかなり力が必要だからだ。


血合いにウォーターメスを入れる。

包丁と違ってやっぱり難しい。

鱗、腹の血合いを洗う。

胸びれが頭側につくように斜めにウォーターメスを入れて中骨を切る。

裏返して同様に斜めにウォーターメスを入れ頭を切り落とす。


尾を左にして腹から中骨に沿ってウォーターメスを入れる。

尾の手前にウォーターメスを入れる半回転させ、背から中骨に沿ってウォーターメスを入れ、片身をはがす。

背から中骨と身の間にウォーターメスを入れる。

半回転させて同様に中骨と身の間にウォーターメスを入れ中骨をとり背びれを切り落としたら…



ひたすらサルビーフッヘンと格闘しながら作業を淡々と進める。

やはり包丁とは勝手が違いかなり苦戦するがなんとか魚を捌くことができた。


そして新鮮な魚を前に俺はどうしても抑えられない衝動に駆られる。

そうだ。刺身で食べたい。

こんなに新鮮な魚、以前の生活では間違いなく味わうことはできない。


ジュルッ


考えること数秒、滅菌魔法をかけて鑑定してみることにした。



【 名前 】サルビーフッヘンの上等な切り身とあら。

滅菌処理済み。

生食可能。脂がのっていて非常に美味。

滅菌処理済みのため刺身でも漬けにしても絶品。

塩焼き、ホイル焼き、バターソテー、煮物、シチューなんでも美味しい。

あらはあら汁が旨い。

塩と酒で下処理をすれば生臭くならない。



う────ん。

やっぱり生臭いよね。

湯引きでも無理だと、もったいないよなぁ。


それならちょっと神の錬金釜使ってみるか。


よし。とりあえず手をしっかり洗ってクリーンをかけて捌いた切り身を食料箱へしまう。


そしてアイテムボックスから神の錬金釜をだす。


結構、骨とか色んなところに身が残ってるんだよね。

でも俺の実力じゃこれが精一杯だよ。


だからこの残りを神の錬金釜に投入して、あるイメージをする。


スイッチオン!


……チンッ


ワクワク。

できてるかな?


「おっ!できてる。量は少ないけどな。」


現れたガラスの小瓶をすぐに鑑定をかける。


【 名前 】サルビーフッヘンの上級粉末だし。

【 用途 】余分な物を全て分解し必要なものだけを乾燥し粉末化した調味料。

和食料理に使用。

魚丸ごと材料にすると最上級粉末出汁が作成可能。

粉末だしを使用したレシピは水魔法の攻撃力が30分間、通常時の20%パワーアップし防御力も対水魔法には同様に能力が20%向上する。



「やった────!できたぞ!これで美味い味噌汁が飲める。」


しかも水魔法の防御にもなるなら川に行って魚とる時に、すごい使えるよな。

最上級も作ってみたいけど今はこれで十分だよ。

こんな新鮮な魚食べずに出汁だけにするのはもったいない。


レベルを上げるためにも地産地消でいこう。


あとは気になってるビートとかもあるけど、今日は疲れたから夕飯作りまで家の中で浄化槽の処理だけしてゆっくりしよ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇





のんびりと時間を過ごしてゆっくりできたので夕食作りに入る。


まずはトマトをスライスしてトマトスライスを作る。

お馴染みのウォーターメスでカット。

次は土魔法で作ったおろし金で皮を剥いたマーニンビートをおろしてトマトスライスにかける。

葉は、茹でる。茹で上がったら固く絞ってサルビーフッヘンの粉末出汁で作った。

だし汁に浸して少し味付け。

醤油や砂糖に胡麻があれば…。

とか思いながら次を作る。

味噌汁だ。サルビーフッヘンの粉末出汁ができたおかげで味噌汁が食べられる。

これはかなり嬉しい。


キノコを乾燥させて出汁をとるのも良いかもしれないな。


具材はブラッケンとマーニンチャード、それからキノコだ。

ブラッケンは日本のわらびと同じだな。

ブラッケンはかなりの期間水に浸したのでアクは抜けてると思うが。

重曹や米ぬかなんてないし、燻すって手もあるが面倒でつい

水に浸して灰汁を抜く方にしてみた。


食材をウォーターメスで切って土鍋に入れて煮る。

煮えてきたら、粉末出汁を入れてかまどから下ろし味噌をとく。

味噌こしも欲しいなぁ。

あれだとちまちま箸でかき混ぜなくても味噌の塊が味噌汁に残ることもないし、便利なんだよな。


さて最後に先程捌さばいたサルビーフッヘンをさらに刺身用に切っていく。

デカイ魚だったおかげで刺身だけでなく他の料理も、たっぷり作れるので使いやすいように切り身にして今日食べない分は食料庫に保管しておく。


「魚が手に入ると酒にみりん砂糖に醤油と塩が欲しくなるよな。あっ! そういえば、異変種ビート。あれで砂糖が作れないかな。食後に試してみるか。」


今日は醤油はないが向こうの世界からこちらに持ってきた味噌の上澄み液を醤油がわりに使う。使ってたら溜まってきたんだよな。昔はこれを料理に使い出してそっからたまりや醤油ができたとか。


たまりは俺にとっては馴染みのある味で子供の頃、刺身を食べる時は基本たまり醤油だった。醤油といえば九州の方の甘い醤油をつけて刺身を食べるのも好きだ。


さてと盛り付けだな。

味噌汁は土鍋でたくさん作ったので残りは食料庫へ。

次に食べる時も温め直しがいらないし、できたての状態で食べられる。


トマトスライスやマーニンビートの出汁だけお浸し、そして味噌汁と本日のメインサルビーフッヘンのお造りだ!


う────ん、豪華!

これで米があったら最高なのに。


では、実食!


まずはサルビーフッヘンの刺身から。

パクッ。


「なんだこれ!うまっ!」


コリコリしてしっかりしてるけど、ちゃんと脂がのってて口の中でふわっととけるような味。

デカイ魚だから大味かと思ったけど、そんな事もないし臭みも全然ない。

これは漬けにしても美味いだろうし炙りもいけるな。

あと米に乗せて昆布だしをかけてお茶漬け風にしてもこれなら美味いぞ!


これで川魚って信じられないな魔物、うめぇ!


今度はトマトスライスを食べてみる。

マーニンビートがアクセントになってなかなか美味い。

せっかく作ったラベンダーの調味料もかけてみると本当に美味しくなった!

30%美味くなるって効果はダテじゃないな。


マーニンビートの葉もほうれん草に近い味でサルビーフッヘンと合わせて料理の幅が広がりそうだ。


最後は味噌汁。

ブラッケンはわらびだな。

もうわらびって呼ぼう。

それほどまでに味が同じだ。

サルビーフッヘンの出汁が中々良い仕事をしてる。

これは美味いぞ。

大成功だ。


神の錬金釜。

有難い!最高だよ。神様。

つい涙目になってしまった。


今日も感謝だな。

しっかり拝んでおこう。


「ありがとうございます。」


よし。今日は後片付けのついでに異変種ビートを神の錬金釜に入れて実験と思ってたけど、もう風呂入って寝よ。

流石に今日はもう体がバキバキだよ。

美味いもの食べれて疲れが一気にきたようだ。


しっかり寝て明日も頑張ろう。


読んで頂きありがとうございます。

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