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88.俺とお店とマーガレットさん

「こんにちは〜。解体お願いしたいんですが。」

「はい、こちらの番号札を持って隣のカウンターへどうぞ」

「はい。」

いつものように受付カウンターに行って解体カウンターに行く。

「解体お願いします。」

「物はなんだ?」

「ポイズンスネークです。」

「そいつはでかいな。ここじゃ、邪魔になるから

悪いが倉庫まで頼むわ。」

いつも通りの流れだな。

ここで受け渡しした事よく考えたら一度もないな。

全部大型だもんなあ。

「おっ!兄さん、今日は何持ってきた?」

「イーサンさん。こんにちは。」

イーサンさんやジェイクさんが倉庫で解体の仕事をしていた。

心臓の弱い方は見ないでくださいってテロップが流れそうな光景だ。

こりゃモザイクいるな。

「今日はこいつです。」

「うお!ポイズンスネークじゃねえか!どこで出たんだ?!こんな奴!この辺じゃ居ないはずだぞ!」

「はい、グリがとってきまして。」

「ああ、なるほどそう言うことか。ビックリしたぜ・・・こいつがこの辺りに出たら大事だからな。」

「そうなんですか?」

「そりゃそうだ。こいつは熱帯エリアにしか居ないはずだからこの辺に居たら新種になるからな。」

「ああ、そう言うことなんですね。これからもちょこちょこ熱帯エリアの物とかも持ってくるかもしれませんが、お願いできますか?」

「ああ、問題ねえよ。大丈夫だ。しかしこりゃあ高値がつくな。」

「え?なんでです?」

「もちろん、この辺りじゃ居ねえからほとんどが違うところから取り寄せたもんばかりでな。そうすると運賃がついて高くなるんだけどよ、それが運賃をすっ飛ばしてここに物がある訳だから運賃の半分くらいは価格につけても取り寄せた物と比べると安く売れるんだ。」

「へぇーーーーそうなんですね。グリ、お前凄いな。」

「たまたま、そいつしか居らなかっただけだ。」

「んじゃこいつは肉はどうする?この辺じゃ肉も高く売れるぞ」

「そうですねぇ。沢山あるし半分売ります。少しは食べたいので」

「そうだな。こいつの肉はスープにして食うと良いぞ。体の冷え対策にもなるってんで貴族は寒い日はこいつを食うんだ。脂肪が少なく、高タンパクで栄養豊富だ。体の毒抜きもできるし滋養強壮といった効能もあるから薬膳スープとして人気な食材で上級冒険者にもかなり人気でな。しかも毒が強ければ強いやつほど効果も高いんだぜ。これから寒くなるし良いもんとってきてくれたなぁ。」

「そうなんですか?毒抜きまでできるんですね。毒持ちなのにそんな効果があるんだ。」

「こいつはな。毒袋がもし破れても自分の毒で死なねえように毒抜きできるようになってんだ。レディーキラーを患ってるご婦人にはなぜか特に人気でな。なんでも症状が和らぐそうだ。」

毒抜きだもんな。メアリーさんにもおすそ分けするか。治ってはいるけどまだ、鉛毒が抜けるのは時間かかるだろうからな。

「じゃあ、よろしくお願いします。」

「おう、受け取りは2日後で良いか?今日はちょっと立て込んでてな。」

「ええ、急いでないのでいつでも良いですよ。」

「悪りぃな。んじゃ、2日後にまたきてくれ。」

「はい、お願いします。」

「兄さん、この前のレッドボアできてるからカウンターで肉と買取のペニーもらっていってくれよー。」

「ジェイクさん、ありがとうございます!そうだ!イーサンさん、ジェイクさん、ちょっといいですか?」

「どうした?」

「これ、いつもお世話になってるお礼です。夕飯の時にでもどうぞ。」

俺はスライスした玉ねぎとワイバーンの肉で作ったワイバーン丼を二人に渡した。

器はカツ丼みたいな土魔法で作った蓋つきの丼だ。

「なんだ?開けてもいいか?」

「はい。」

「こりゃあ旨そうだな。なんか白い粒が入ってんな。なんの肉だ?これ。」

「食べてからのお楽しみです。明日、2日後に答え合わせしましょ。」

「はっはっはっ。ありがたく頂くぜ。」

「今日は飯が楽しみだぜ!」

「じゃあ俺はこれで失礼します。」

俺はカウンターによってレッドボアの肉を受け取りさらに解体料を足りない分支払った。

牙の買取価格が3ペニーで解体料がそれだけでは3ペニー足りないのでその支払いをして肉を受け取った。

これは牡丹鍋かな?でもかなり臭みがあるからな処理をきちんとしないとなぁ。

なんか、よくわからないけどこの世界のお肉は旨いがなぜかどれも臭みが強い物が多い。なんでだろ?

でもグリは臭みのある肉も大好きだからまぁいっか。さてとそろそろ城に戻るか。俺はグリ達を連れて城に転移した。


するとサロンではマーガレットさんが俺を待っていた。どうやらもうそんな時間のようだ。

「おかえりなさい主人、今日の報告です。」

「いつもすみません。これからは俺が店によるようにしますか?」

「いえ、問題ないですよ。メアリーさんともお話がしたいですしそれにここの紅茶はとても美味しいですから仕事帰りの楽しみです。」

「それならありがたいです。」

俺は報告を聞いて順調に白粉の回収が進んでいることに安堵する。

売り上げもまずまずのようで一安心だ。かなり大量にストックを作ったので補充も必要ないとのこと。

「マーガレットさん。夕食まだですよね。よかったらこれ夕食にどうぞ。」

「なんですか?変わった器ですね。」

「ちょっとマーガレットさんには味が濃いかもしれませんがお家でゆっくり召し上がって下さい。」

「はい。ありがとうございます。」

「あら?なんですの?」

「あっ!メアリーさんも召し上がります?ちょっと男の料理で無骨で味が濃いですけど。」

「まあ、タクミ様のお料理食べてみたいわ。ウフフ」

「では、コック長さんに渡しておきますのでもし、お口に合えば召し上がって下さい。」

「マーガレットさんも味が濃いので無理して食べなくていいですからね。量も多いですから。」

「はい、ありがとうございます。」

「あっそうそう、マーガレットさんに相談があったんです。」

「なんでしょう?もし、店舗を増やすとしたら2、3店舗分の経理ってマーガレットさん担当できますか?」

「え?と言いますと?」

「まだ、先の話なんですけどもちろん仮の話です。化粧品の販売が今後もうまくいって安定したら

なんですがどこかで土地を購入するか賃貸して一棟うちのお店にして化粧品店と食料品店と冒険者グッズやポーションを売るお店を考えてるんですよ。」

「それは凄いですね。それぞれにうちの化粧品店のように経理を置いてくだされば管理は可能ですがそんな大役、私でよろしいのですか?」

「できれば信頼の置ける方にお願いしたくて。商人でも職人さん達を大事にするタイプとそうじゃないタイプの方がいるって聞いて、俺的にはマーガレットさんのような人柄の方に是非お願いしたいと思ってるんです。それにマーガレットさんなら大きな商会でバリバリ仕事をこなす力をお持ちだと思ってますし

お願いできるんじゃないかなって勝手に思ってるんです。」

「それは買いかぶりすぎですわ。私よりも有能な方は沢山いらっしゃいますよ。」

「あら?私もマーガレットなら素晴らしい活躍ができると思うけど」

「メアリー様まで、どうしましょう。」

「すぐに返事はしなくても大丈夫ですけどもし、嫌でなければお願いします。もちろん日当もそれに伴い変更しますしね。」

「わかりました。少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

「はい、もちろんです。」

「ありがとうございます。では、私はこれで失礼致します。」

「はい、また明日。」

マーガレットさんがサロンを出て行くと

「タクミ様、もしかしたらマーガレット、先ほどの大役の件はお断りするかもしれませんわ。」

「そうですか。何か理由でも?もしかして仕事を丸投げしすぎて嫌になったとかでしょうか?」

「あらあら、違いますわ。お仕事は生き生きと楽しんでしていますがお家の方がどうもね。」

「お家?」

「ええ、縁談ですわ。縁談。」

「あっ!そっか。マーガレットさん、大商会のお嬢様でしたっけ?」

「ええ。しかも怪我も治ってどんどん美しくなるマーガレットを世の殿方が放っては置かないようで、

さらに店先でマーガレットを見た奥様がどうやらマーガレットを調べて家柄まで確認して是非うちの嫁に!とか、なってるそうよ。」

「ええええ!!!そんな事になってるんですか?」

「ええ、仕事は楽しくしているようだけどやはり婚姻を結んで欲しいとご両親にも言われているようで、そうなると仕事を辞めないといけなくなるかもしれないからと困っていたのよ。本人としてはこちらで働いても良いなら婚姻しても良いなんて条件付けてるようよ。」

「ええええ!!!それって俺、かなり迷惑かけてますね。しまったなぁ。そんな時にこんな話。」

「でも、マーガレットとしてはね、今まで見向きもしなかったくせに体が治ったら縁談話を復活させたお家もあるようであまり良い顔はしていなかったわね。」

「まあ、そうですよね。誰か気に入ったお相手とかはいらっしゃらないんでしょうか?」

「それがいないらしいの。だから誰でも同じなので仕事を続けさせてくれる相手が良いって言ってたわ。」

「誰でも同じ・・・。」

「政略結婚なんて基本そんな物なのよ。タクミ様」

「そうですかぁ。だけど女性はそういう事情があるから難しいなぁ。相手が商人なら当然そちらのお店を手伝わないといけないでしょうし、お家のことだってありますよね。」

「そうねえ。困ったわねぇ。」

マーガレットさんの幸せを願うならばやっぱり他の人を探すべきだよなぁ。

うーーーーん。


読んで頂きありがとうございます。

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