表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/199

84.とうとうヨネとソイヤスゲット!

「へい!いらっしゃい!」


そこらかしこで威勢のいい声が飛び交う市場。

そう、今日はグリの水浴びを終えて朝から市場にやってきた。

ヘンリーさん達はまだ鉱山に調査に出かけているので俺とポヨとグリで水浴びを済ませてこっちにやってきた。

朝食も買い食いしようと思って食べてこなかった。

「らっしゃい、らっしゃい!朝飯にどうだい?

旨いスープだぜ!」


「あっ3杯ください。」


「毎度!3杯で3ファージングと税で1ペニーな!」


?3ファージング?そういや前もファージングって言ってたことあったよな。

ペニー以外の単位か?安いのか?高いのか?

とにかく支払いしよう。


「あのファージングってペニーとどう違うんですか?」

俺はスープ皿を三枚屋台のオヤジに渡した。

この世界は基本、皿などの器や持ち帰りの袋は

基本持参が当たり前だ。

スープ皿を三枚受け取ったオヤジはファージングについて教えてくれた。


「あっ?兄さん外国の人か?1ファージングは1ペニーの1/4だ。昔の名残でな。屋台なんかじゃ

1ペニーもする飯なんて高すぎて売れねえからファージングだけは残ったんだ。

昔はシリングだのポンドだのマルクだの、あと王が変わるたびに貨幣が発行されて使えねぇ奴まであったぜ。

そんなんがごちゃごちゃしてたが、とりあえずこの国じゃ今はこの二つだな。

他の国じゃペーニヒやらリラやらフィオリーノにリーブルやドゥニエとか匁だよな。

今は楽になったぜ。昔は他の国の貨幣まで気にしなきゃならなかったから本当、こいつは助かるぜ。」


「そうですか。他の国の貨幣なんて覚えられないですよね。

俺もこれのおかげで計算とかしなくていいし出し間違えとかもないので助かります。」


「そうなんだよな。

受け渡し間違えやらないから俺らにゃありがてえんだ。

んじゃ支払い頼むわ。」


オヤジから皿をもらうと俺はグリとポヨに皿を渡して支払いをする。


チロリーーーーーーン


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


販売者 ジーク


野菜スープ 3杯 3ファージング


税 1ファージング

合計 1ペニー


支払い者 タクミ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「兄さんありがとうな。いい旅を!」


「ありがとう。」


「おいタクミ、いつから外国人になった?」


「あ?マーニン島の森暮らしだ。外国人と変わりないだろ?」


「まあ、田舎者には違いないな。」


「そうだな。それにしてもこのスープ、案外旨いな。」


「ああ、おい、あそこの屋台で売っているのはなんだ?」


「ありゃ肉を串で刺して焼いて売ってるんだ。食うか?」


「もちろんだ!」


グリはとっても嬉しそうだ。

口の周りがべちゃべちゃなのが気になるがな。

あとで拭いてやろう。

キリがないからな。


「いらっしゃい!キラーグースの串焼きだ!どうだい?うまいぜ?」


「2本ください。」


「ありがとよ!二本で2ファージングだ!」


チロリーーーーーーン


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


販売者 サントス


キラーグース 串焼き 二本 2ファージング


合計 2ファージング


支払い者 タクミ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あれ?税はいくらですか?」


「おう、うちは税込でこの価格だぜ。お得だろ?」


「そうですね。ありがとう。」


「毎度あり!またよってくれ!」


内税とかもあるんだな。


「グリ、どうぞ。ポヨもお食べ。」


俺は串から肉を取って皿に入れてやる。

流石に俺は朝から串焼きは食えないしさっきの店のスープがどんぶり一杯あったから腹がいっぱいなので俺の分はなしだ。


「タクミ、水くれ。」


「あいよ。」


腹ごなしが済んだので目的のヤポーニアの品を扱う店を探す。

色んな店を物色しながら教わった場所まで歩いて行くとマタタムブを置いてる店をグリが見つけた。


「タクミ!マタタムブがあるぞ!しかも前の物とは違う柄だ!あれは何だ!」


「どれどれ?」


本当だ。どうやらマタタムブのシリーズらしく上とか中とか書いてある。


「すみません。これってヤポーニアの酒ですよね?」


「はい、ヤポーニアの薬酒です。他にもヤポーニアの物を揃えてますぜ。」


「あの、昨日商人ギルドに問い合わせた物ですがヤポーニアへ買い付けに行かれた商人さんですか?」


「おお!あんたかい!早速来てくれたのか。」


「はい、調味料とかヤポーニアの主食が欲しくて売ってますか?」


「ヤポーニアの調味料か。あるぜ!少し値は張るけどな。あと主食ってこいつの事か?」


店主はごそごそとマジックバックからツボを取り出して蓋を開け中を見せてくれた。


「やったーーーーーー!!!!!!

これです!これ!俺ずっとこれを食べたかったんです!」


「兄ちゃん、相当こいつが好きなんだなぁ。

だけど兄ちゃんうまくこれ調理できるか?俺はどうもうまくできなくてよ。」


「ちょっと待ってください。」


俺はすぐさま鑑定をかける!

すると、ちゃんと米だ!

俺が探し求めていた米だーーーーー!

でもどうやらこちらの名前はヨネというらしい。


「すみません、大丈夫です!これ、あるだけください!」


「いや、実はよお、こいつは商品じゃねえんだわ。

こいつは俺が食いたくて買ってきたもんなんだが

どうもヤポーニアで食ったみたいにならねえんだわ。

もし、兄さんがうまく調理できてそれを俺に食わせてくれるなら少し分けてやってもいいぜ。

もちろんペニーも頂くがな。高いんだわこれ。すまんな。」


「そうなんですね!量はどのくらいありますか?」


「俺は壺10個買ってきたんだが1壺は上手くできずに使っちまって残るは9壺だ。」


「あの1壺でいいんで分けてもらえませんか?」


「いいけどうまくできるのか?調理?」


「はいっ!あっ!ちょうど良いものがある!よし、ここでさっそくやりましょう!」


「何?ここで?火も鍋もねえのにか?!」


「大丈夫、大丈夫!あっ!マジックバックとかアイテムボックスとか持ってますか?

お持ちならその使い残しのやつでも十分足りるので料理してお出ししますけど、どうします?」


「おっ!そうか。どうせ1壺分開くことになるし頼むわ。」


「じゃあ失礼しますよ。」


俺はコンロを取り出してその上に土鍋をセット。

壺の残りの米は3合分残っていたので壺に水を入れてジャバジャバといで米を土鍋に入れ水魔法で水を入れて待つ。

この間にさらに買い物だ。


「おい、あのまま水につけて放置して大丈夫か?」


「ああするとあの粒が水を吸って美味しくなるんですよ。

それより、他に調味料とかありませんか?

あの茶色くてしょっぱい液体なんですけどないですか?」


「あ?これか?ソイヤス。」


また壺を開けたので俺は鑑定をかけると

醤油キターーーーーー!!!!

やっとだよ。どれだけ待ち望んでいたか!

それにしてもこのおっちゃんすごいな?

何だ?ヤポーニア好きか?


「これです!これも売ってください!あと他に何がありますか?」


「兄さん、ほんっとに珍しいなぁ。

俺はぶっちゃけ自分が欲しくて買い付けに行ってこっちで売れる物といやぁ酒か緑茶くらいなのになぁ。」


「そういえば緑茶ってめちゃくちゃ高級品でしたっけ?」


「いや、ヨネも高級品だぞ、小麦よりたけぇからな。

だからヨネは本当に売れねえが俺が好きなんで買ってくるんだ。

元々は緑茶を買いに行ったのが始まりだがな。」


「そうなんですね。ぜひ、売ってください!」


「わかったわかった、あとこんな物もあるぞ。」


出してくれる物を鑑定するとわさびに生姜、酢

それから乾燥わかめに昆布がちょろっとと、ごま、寒天なんて物まであった!


「なんで、こんな物まで持ってるんですか?」


「いや、わかめと酢の和え物が旨くてなぁ。

わかめ買ったらおまけでピューコスの切れ端をくれたんだが、使い方がわからなくてな。

俺はこれはいらねえからおまけでつけてやるよ。」


うおーーーー!!!ラッキーーーー!!!


「これは何に使うんです?」


「アガーか。これももらったんだ。いつもの仕入れ先の店からな。」


「そうですか。あの、少しずつでも良いので全て売ってもらえませんか?」


「兄さん全部、調理の仕方わかるのかよ?」


「はい!大好物なので!」


「そうか。だけど悪いがうちは高えぞ。

ヤポーニアで買える額ではねえけど大丈夫か?

見たところ兄さん若そうだけど。」


「大丈夫です!俺の従魔が優秀で稼いでくれるから美味いものが買えるんですよ。

ちなみにマタタムブは従魔の大好きな酒なんです。」


「へぇーーーー!!!!こりゃ参った!

従魔が稼ぎ頭で酒までイケるとは!!すげえなぁ。」


「あっ、ちょっと待ってください。

そろそろ火をつけますね。鍋。」


「あ、ああ。だけど火をつけるって兄さん、ここには焚き火も暖炉もねえぞ。」


「ムフフフフフ」


俺は魔力を注ぐ。

すると・・・



ボッ



火を中火から弱火くらいに加減してよぉーしこれで沸騰するまでまつ!

沸騰したら弱火で15分!

あとは蒸らして出来上がりだ!

あぁー楽しみだなぁ〜。


「なんだそりゃ!!!火がついたぞ!!!

しかも、薪なしでどうなってんだ?!」


「あっこれ?俺が作ってもらったコンロです。調理器具です。」


「さあ、お買い物の続きしましょう。魔力を注いでおけば大丈夫ですから。」


「ほぉ〜。兄さん、何者だ?」


「ただのヨネ好きです。」


「間違いねえなぁ。」


「それでこれ、どのくらいをいくらで売ってくれますか?あと、マタタムブもお願いします。

良いやつで。」


「ちょっと待てよ。そんなポンポン買えるような額じゃねえはずだぞ。

兄さんの熱意で売ってやりたいのは山々なんだが、こっちも商売だから悪く思わねえでくれよ。」


「全然!どうぞ、教えてください。」


「んじゃまず、ヨネは1壺15ペニーだ。

ソイヤスは1壺9ペニーアウチョレマは一本1ペニーにジンギベリスは50gで4ペニーオクソスは1壺13ペニーでそれから乾燥わかめは5ペニーにピューコスがちょろっとしかねえしもらったもんだからうちもおまけでつけるぜ。ゼサムは50g、4ペニーでアガーは貰いもんだが悪いがこれも高く売れるんで10ペニーだ。

あと、うちは全て内税になってるから安心しな。」


ヨネは米でソイヤスは醤油、アウチョレマはわさび、ジンギベリスは生姜オクソスは酢アガーは寒天、

ゼサムはごま、ピューコスは昆布、わかめはわかめなんだな。不思議だ。

予想はしてたけど高いな。

だけど俺には複製スキルがある!

これで毎日米が食えるぞ!全部で61ペニーか。

あとはマタタムブだな。


「マタタムブはいくらですか?」


「これいっぱいでこっちが2ペニー高い方が4ペニーだ。」


前買ったところより高いなぁ。

あちゃ、これはぼられてるけど仕方ないな。

一度しか買わないしこれっきりにしよう。


「わかりました。マタタムブは高い方をください。

それから壺売りの物は全て1壺づつとこれとこれは50gづつで売ってください。」


「じゃ、全部で65ペニーだな。」


「結構です。あと、約束のヨネはもうすぐできますから。」


「わかった。まあ、兄さんの熱意に負けてヨネも分けてやるよ。」


「では精算お願いします。」


チロリーーーーーーン


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


販売者 テッド


ヨネ1壺15ペニー

ソイヤス1壺9ペニー

アウチョレマは一本1ペニー

ジンギベリス50g4ペニー

オクソス1壺13ペニー

乾燥わかめ5ペニー

ピューコスおまけ

ゼサム50g4ペニー

アガー10ペニー

マタタムブ4ペニー


合計 65ペニー


支払い者 タクミ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「たしかに!んじゃ、これな!しかし兄さん金持ちだなぁ。

なんか不思議な道具も持ってるし景気がいいねぇ。」


「そんな事はないですよ。ありがとうございます。そろそろできる頃です。」


「おっ!本当か?!」


「開けてみましょう。」


パカッ



「おおおおおお!!!!」


「これだよこれ!ヨネが艶々に輝いて出来上がるとふっくら粒が立つんだよ!」


う、うまそー!!!米だよ!米!あー!食いてぇ!


「んじゃ、食うぜ!兄さんも食おうぜ!」


「いいんですか?!」


「当たり前だろ。兄さんのそんな物欲しそうな顔見ちゃおあずけなんてできねえさ。」


「す、すみません。遠慮なく頂きます。」


俺は器によそって米を食べる。


「「うめぇーーーーーーーーー!!!!!!」」


「これだよ!これ!このフワッフワで噛めば噛むほど甘みが出てきておかずがなくてもこれだけで

腹一杯食えるんだよなぁー。俺はこれが食いたかったんだよ!」


「よかったですよ。望み通りの出来上がり具合で。」


「ありがとな兄さん。ところで、その魔道具凄いな。どこで売ってんだ?」


「これはまだ販売されてないですよ。

俺と職人さんで作った試作品です。」


「そうなのか?それ、売ってくれねえか?」


「そのうち販売しますのでその時にぜひお店で買ってください。」


「そうだよな。試作品なんだもんな。じゃあこの鍋はどうだ?売ってくれねえか?」


「え?こんなのでいいんですか?」


「ああ、ヨネがやけにうまくできたからなぁ。どうだ?ダメか?」


「うーーーん。すみません。売れないですけど

普通のお鍋でも同じようにできますよ。

水に浸すことが大事なのとおいしい水で調理するのとあとは蓋を絶対に開けない事。

これを守れば美味しくできますよ。」


「そうなのか?!わかった!やってみる。ありがとな!」


「はい、じゃ、俺はこれで。」


「あいよ!毎度あり!」


しっかりぼられたっぽいけど仕方ないなぁ。

さっ!次はテントを見に行くぞ。



読んで頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ