表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/199

77.冒険者ランクとドッグタグ

俺たちは部屋で冒険者ギルドの仕組みからドッグタグの事を

しっかり聞いてそして依頼を受けて

そのままリースという村に飛んだ。

グリのスピードなら2時間以内で村に着くだろう。

着く頃には昼前になるから一旦村まで行って

休憩を取ってから討伐に出かけようと思う。


ギルドの仕組みはまず冒険者にもランクがあるけど

それは受けられる依頼を指し示す者らしい。

ランクは上がSで一番下がG。

上から順にS A B C D E F Gらしい。

内容はというと・・・


Gランク : 初心者、冒険者になりたての子供でも

倒せるレベルの魔物。

Fランク : 魔物が1匹であれば、冒険者なりたてでも

大人なら倒せる。


Eランク : ある程度の依頼数をこなして

経験を重ねたり戦い方を知らないと危険なレベル

この辺から冒険者はパーティーという4人から5人の

チームを組んで行動する者が増える。

例えば二人組が臨時で二人ないし3人と組んだりもするそうだ。


Dランク : 経験や戦闘技術を身に付けている

一人前の戦士や武人、魔法使いや冒険者が集まれば倒せる。

安全のために大抵の冒険者はパーティーを組む。

何も知らない者が挑むのは大変危険で無謀らしい。

たまに勢いのあるEランクのチームが

ノリノリで俺らならいけるぜ!!!っと意気込んで

大怪我ないし死にかけ、病院に直行!

たしかに行けたな!病院に!というのが

たまにあるそうだ。


Cランク : 俺というかグリやポヨのおかげで

すんなりもらったランクだ。本来は講習が必要なやつ。

この依頼完遂後に講習を受ける事になった。

個々の実力が高く連携が出来ないと倒せない魔物で

冒険者のランクの壁となる段階らしい。

この辺りで年齢も重ねているし引退を考えたり

ある程度の蓄えもできる頃で転職を考えたりするランクだそうだ。


Bランク : Cランクを軽々乗り越えたいわゆるエリート冒険者がパーティーを組んで討伐する魔物。

この辺りがオーガだったりオークジェネラルだったりする。

ちなみにこの辺から魔石も付いてくるから報酬がグンと上がるぞ!


Aランク : エリート冒険者の中でもほんのわずかな者達

が討伐可能で特殊な攻撃の仕方や桁外れの強さを持つ

魔物が多く強いだけでなく知識も絶対的に必要なランク。

Bランクの魔物を一人で倒せるレベル。


Sランク : 討伐するには領地や王国が独自に抱えている

兵士や傭兵を招集するか冒険者ギルドで特別緊急依頼

としてそのギルドに在籍する上から下までの冒険者が

集められて一つの集団として戦わないといけない災害級の魔物。

ちなみにドラゴンとかワイバーンとかね。

グリも分類はSだろうな。おひょひょひょひょ。

冒険者の基準としてはAランクの魔物を一人で倒せるレベル。


こんな感じでランク分けされている。

ちなみにこのランク分けはSランクの魔物討伐の時にも

生かされるようでSランクの冒険者を筆頭にAランクが

補助をしてとか役割分担もあるらしい。


次に討伐をした証拠についてだけど、これがまた

ドッグタグさえあれば問題なし。

ドッグタグとは支払いの時や身分証で使ってるあれ。

個人使用の際は魔力を軽く流すと使える。

他人の魔力では反応しない。

ただし登録ギルドや衛兵の詰所では

ステイタスの名前から職業、犯罪歴や戦った相手等を

クリスタロスで確認できる。

それで本人確認や討伐任務などの成果も確認する事ができる。


これが導入されてからは冒険者が任務達成の証明となる

魔物の一部を持ってギルドに戻らずに済む事。

ゴブリンなど臭い魔物は持っているだけで

恐ろしい臭いを発するので食事処や宿なんて

泊まれないし立ち寄れない。

もちろん素材を買い取ってもらうため討伐した

魔物を持ち帰る事も多いがアイテムボックスの

スキルの無い冒険者にとってマジックバックに

入れる物は出来る限り素材になる物や私物を入れたい。

アイテムボックス持ちでも同じでやはり容量は

無限では無い。

出来る事ならゴブリンの耳や指などは

触りたくも無ければ極力持ち歩きたく無い代物だ。

それを解消したのがドッグタグ。

元々作った理由は遺体確認用らしい。

魔物に食べられちゃったり身体を半分にとか

八つ裂きにとか、まぁあるよね。判別不明なご遺体。

ご家族への通知にドッグタグを渡すらしい。

だから簡単には切れたり落としたりせず

肌身離さず持てるような設計で身につけている間は

伸縮自在で紐の所を引っ張られても伸びるから窒息しない。

安全面だけでなくこれはかなり便利でギルドでの

討伐完遂報告とか以前は持ち物やアイテムボックスなど

から取り出すという動作があったけど、

これだと首元から魔力をちょこっとかけて伸ばすだけ。

これに切り替えてから認識証を落としたり紛失する人が

激減したらしい。

さらに個人的にも嬉しいのが貨幣の代わりになる点。

簡単に言うと電子マネーでもちろんペニーが入ってないと使えない。

クレジットカードのようにお金が無くても

商品を購入するという事はできない。

冒険者ギルド又は商業ギルドでの売り上げ金は全てこの

認識証に登録されて、その売り上げから支払われる仕組み。

これは世界共通の認識証であり身分証明なので各国から

技能が持ち寄られて完成した特殊なものなんだそう。

もともとお隣の商人の国では国内で使用されていたらしい。

そのほかの国も足並み揃えて改革したのは偽造の

身分証明書などが横行して犯罪が多発した時期があり、

それと同時期に貨幣の偽造が行われ、大混乱した末の

対応策がこのドッグタグなんだそうだ。


これは人だけでなくお店用の物も作られ

店主又は店主代行の者が管理する。

うちの店ではマーガレットさんが管理してる。

内容はお客が支払った料金がお店の認識証に登録される。

商品の仕入れなども全てこれ一つで行えるため

便利だが利益を誤魔化して税金を安く済ませられなくなり

頭を抱える商人もいたとか。

また店舗型のお店は受領用の固定型水晶クリスタロスを設置している店が多く、うちも精算カウンターにこれを設置して支払ってもらった代金を読み取り店舗用の認識証(ドッグタグ)に転送する。

これはお客さん側が魔力を使って支払いを行わない限り

勝手に読み取りなどは出来ないものだ。

この取り組みはクリスタロスを使っての犯罪を防止する役目がある。

有無を言わさず読み取りできたら恐喝や強盗に非常に

便利な物になってしまうからだ。

さらに詐欺にあったとしてもギルドや役所に届け出を

すれば詐欺を働いた者の手配がすぐに可能になる。

対戦相手だけではなく売買の記録も全てこのドッグタグに残されているからだ。

行商人や露店の店主との支払いはお互いのドッグタグを近づける事で支払いが完了する。

改革時にもちろん反対した者もいたらしいが最終的に

導入にいたったとか。

これを聞くと商人や役所だけにメリットがありそうだが

収穫した野菜を販売する農夫達にもありがたいシステムだ。

貨幣を持ち歩いていた頃は必ずと言っていいほど

スリに遭いわずかな売上金が奪われてしまって

いたが、このドッグタグにより軽犯罪も無くなった。

さらに冒険者にも喜んだ者が多くいた。

というのは年に一度、ギルドに登録更新の申告書を

提出するためにはどうしてもギルドで高価な紙や羊皮紙

を購入しなければならなかった。

さらに文字を書けないものは代筆もしてもらわなければならない。

それでまた、出費になってしまう。

上の方のランクの者はまだしも冒険者になりたての者にとっては痛い出費だ。

このシステムが導入された事によりペーパーレスに

なったおかげで今まであった羊皮紙代や紙代の更新手数料が軽減された。

それから冒険者ギルドもランクごとにそれぞれ税が

かけられていて依頼の年間報酬の何パーセントかを

支払うことになっている。

ちなみに怪我をした場合はその分控除されたりと

きちんとしているようだ。

G、Fランクは3% 、Eランクが5%、Dランクが7%、

Cランクが10%、Bランクからは一律15%だそうだ。


ギルド側や役所にもメリットがある。

やはり高い紙や羊皮紙を購入する経費が

節約できるし処理をする者の負担が軽減。

これにより労働環境の改善と人件費の節約。

以前は事務処理を担当する者や税をちょろまかす

やからの摘発を担当する人などみな鬼の形相で

職務を執り行っていたのだろう。

それがこのドッグタグを使う事で余分な紙代も

代筆代も人件費も時間すら節約できるようになったそうだ。

ただ冒険者の初回登録時の発行手数料は

以前と比べるとかなり跳ね上がったらしい。

冒険者の場合、初めからお金を持っている人など

皆無なので登録時の発行手数料は任務を遂行後に

天引きされるそうだ。

Gランクの冒険者がFランクに上がる条件の一つが

発行手数料の完済。

これが3ヶ月以内にできなければそのドッグタグは使えなくなり完済していないという記録も残る。

無謀な若い冒険者を犬死させない為にも役立っているみたいだ。

自分が冒険者に向いていないと辞める場合は

申請すれば借金として残りほかで稼いだお金で

支払いをきちんとすれば記録はなくなるそうだ。

商人ギルドのドッグタグはまたシステムが

異なる。冒険者ギルドの発行手数料は一律だが

商人ギルドの場合ランクの分かれ方は商業形態や規模など

で変わってくるのでランクが上がれば大きな店舗を構え

たりしそれに伴い支払いシステムを増やさなければ

ならないのでその分手数料が高くなる。

だが以前と比べたら天と地ほど楽になったため

思っていたより文句はでなかったとか。


商業ギルド、冒険者ギルド両方の登録を

している人も俺のように稀にいるがそういう人は

また別の共通タグを持っている。

商業ギルドが黄色、冒険者ギルドが赤色

共通タグは青色で俺は青色だ。


ギルド登録していない人は役所から発行される

身分証明書のドッグタグ又は腕輪を手数料を払い受け取る。

これにより税の徴収もスムーズになった。

このドッグタグはギルドの物よりは機能的には

少し劣るもので、給料の受け渡しや日頃の買い物

といった電子マネー機能と身分証明書機能のみ。

死亡記録や戦歴記録の機能はない。

役所の物でも種類があり大人の物とは別に

子供用などもあって色は緑で子供用は白らしい。


俺はその話をはじめ聞いた時に

それってものすごいデータ量なんじゃないの?

と感じたが科学が発達していない分

この世界は魔法が研究されていて

俺には詳しい事はわからないが問題ないらしい。

ただしタグに使われる材料に鉱石が使われている

ので多少高くなるが半永久的に使える為

紙や羊皮紙でできたカードより長い目で見れば

かなり安く上がるそうだ。

例えば紙が高価な理由は木から紙を作り出す

技術が発達していないため。

紙を大量生産するにはこの世界では大型の錬金釜

がいるがそれ自体が数も少なく貴重で高い。

さらに大型の錬金釜を駆使する為の魔力量も

膨大に必要で魔力操作能力も高くなければならないし

質の高い紙を作るならグレードの高い錬金釜を使わなくてはならない。

大型でグレードの高い錬金釜などなかなか手に入る物ではない。

さらに印刷業になると転写のスキルが必要になる

がこれもやはり印刷する枚数が多ければ多いほど

魔力量が必要な為高額になる。

お店のチラシなどを作ろうものなら

そこにデザインスキルまで必要になる。

この世界にチラシがないのは割に合わないから。

本が高額なのも頷ける。

つまりは設備投資の金額が高額で人件費のかかる

物は自ずと高額商品になるみたいだ。


布や洋服が高いのも同じ理由。

布の材料になる繊維を錬金釜で抽出し

さらに糸から布を機織り機を使って作るが

これも魔道具で人件費がかかる。

高い布になればなるほど糸を紡ぐのも機織り機で

布にするにも高い魔力操作が必要で制作日数もかかる。

材料も国内にあるものならばまだしも

貴族が着るような服の糸は大抵輸入品だ。

そうなると糸の値段も輸送費などがプラスされ

それはもう恐ろしい金額になる。


さらに布から服にするまではデザインスキルや

服飾スキル系が必要となる。

服飾スキルは字のごとく服を作るスキルで

立体裁断やら縫製やら数多くのスキルが必要となる。

職人を養成する為ギルドも力を注いでいる

そうだが、やはり一人前になるにはかなりの時間も

かかるし人気デザイナークラスになると

固有スキルで服飾系とデザインスキルを

持っている人がほとんどだそうだ。

そうなれば当然商品は高い物となる。

貴族の服なんて農民の70倍とか。

金額を想像すると目の前がチカチカして目眩で倒れそうだ。


話はずれてしまったが、この世界は魔法の

研究は色々されて進歩しているが

その分、日本のように科学や機械化は

あまり進んでいないらしい。

でも魔法でできるから当然そうなるよな。

魔法がないから日本は科学や機械化が

発展してるんだから。

とにかく貨幣の種類を覚えなくて済むのは有難い。

海外旅行とか支払いの時にどれがいくらなのかわからず

苦労した思い出があるのですごく嬉しい。

以前は色んな貨幣の種類もあったそうだが

今はグランド王国はペニーで統一されている。

もちろんグランド王国以外に行くと他の貨幣を

使っている土地もあるが世界共通でこのシステムを導入

されているためペニーに自動変換されて支払いができる。

かなり、便利だ。

俺的には電子マネーとクレジットカードの

いいとこ取りした感じがしてすごく使いやすい。


とにかく証拠も持ち歩かなくていいし

オーガを討伐してできる限り早く帰ろう。


『そろそろ村だぞ。』


『ん?なんかいつもより早くないか?』


『ああ、追い風だったからな。』


『そっか。いつもありがとな!』


『うむ、あの辺りに降りるぞ。』


『おう!』



読んで頂きありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ