75.お茶会無事終了
「皆様、こちらの者が皆様のお顔にお化粧をしますので
それをぜひ覚えてお帰りくださいませ。
お土産には皆様のお肌に合わせたファンデーションと
必要でしたらお粉もお渡しいたしますわ。」
マーガレットさんが笑顔で説明しながら
その間に従業員達が奥様方の後ろに回り
メイクを落とす。
あれよあれよと言う間にパリッパリッと
音がしそうなほどの白粉が剥がされていき
皆さんスッピンになっていく。
一番この中で美しかった女性は顔中シミだらけで
白粉の分厚さの意味がわかった気がする。
そしてそれぞれ従業員が肌タイプを伺いながら
基礎化粧品をすませるが、そこでマーガレットさん。
「奥様、よろしければこちらの素晴らしい美容液
お試しになりませんか?
シミにとてもよく効くのです。
こちらの部分につけさせて頂いてもよろしいですか?」
「え、ええ。いいわよ。」
「では、失礼。」
マーガレットさんがシミに美容液をつけると
あら不思議!くっきりハッキリと存在感を示していた
シミがほんのり薄くなった。
「まぁ!なんて素晴らしい美容液なの?!
こちらぜひ、売ってくださらない?
ペニーならいくらでも出すわ!!!」
マーガレットさんの腕を恐ろしい力で握りしめる女性。
これぞまさに豹変だ。
「お客様、大変心苦しく申し訳ないのですが
どちら様も店舗での販売となりますので
どうぞオープンまでお待ち頂きご来店を
お待ちいたしておりますわ。」
マーガレットさんがもの言わせぬ笑顔で
さらに言葉をつなぐ。
「それから、この美容液も優秀ですが、
他にも素晴らしい商品を取り揃えております。
合わせて使っていただく方が効果もでますわ。
さ、他のお化粧品もお試しくださいませ。
従来のものとは違う素晴らしい物ですわよ。」
マーガレットさんが言い終わると納得して
手を離し従業員にメイクを続行してもらう。
他の人たちもこの光景を見逃さない。
そしてそれぞれの肌タイプに合わせたベースクリームや
コントロールカラーで下地を作りファンデーションや
フェイスパウダーで仕上げていく。
ベースメイクの後は好みの色を選んでもらい
ポイントメイクをして完成だ。
「皆さまいかがでしょうか?
ぜひオープン致しましたら
当店にご来店下さる事を心待ちに致しております。
それでは私どもはお暇させていただきます。」
「ちょっとお待ちなさいな。
どちらにオープンするのかしら?
商人ならば貴族に挨拶回りするのが常識ではなくて?」
「はい、オープン前の7日間貴族の方々へ
招待状を送らせて頂きましてご都合が合えば
お越し頂ければと思っております。
その中でもこちらにいらっしゃる皆さまは
一番初めのお客様としておもてなしさせて頂きます。
さらに本日のお土産のファンデーションは
まだ、どなたにもお譲りしていない物でございます。
じっくり試して頂きましてお気に召して頂ければ
ぜひ招待状をお持ちの上ご来店くださいませ。
お気に召して頂けなければ残念ですがこちらの製品も
処分してくださって構いません。」
「あら?私の言っているのは各家に回れと言っているのよ?
ねぇ〜みなさん?」
「私はぜひお店に伺いますわ。
美容液を是非購入したいし、
それにいつもの白粉とは違ってこちらの
ファンデーションだったかしら?」
「はい、ファンデーションでございます。」
「とても素晴らしいわ。
この場で売ってくれなど不躾なことを言ってごめんなさいね。
あまりにも素晴らしかったから舞い上がってしまいましたの。
お許しになって。
オープンを楽しみにしておりますわ。」
「そうですわね。私も是非伺いますわ。
もし、販売してもらえなくなったら困りますもの。」
「そ、そうですの?皆さまがそう言うなら・・・
わ、わたくしは別にお店に行くのは全然構いませんのよ。
ただ主人になんと言われるかオホホホホ」
「それは残念ですわねぇ。
よければご主人様にもお勧めになってはいかがかしら?
一緒にお出かけになるといいのではないかしら。
仲良く外出するのも楽しいのではないですか?」
「そ、そうですわね。そうしてみますわ。」
「それでは、これにて失礼致します。
皆様とまたお会いできるのを心よりお待ちしております。」
やった!うまく言ったぞ!
マーガレットさん、メアリーさん、従業員のみんな!
ありがとう、お疲れ様です!
かなりヒキガエル夫人が手強かったけど貴族が
買い物に出るのはあんなに抵抗があるんだな。
『主人、戻りました。』
『『『『『『『戻りました』』』』』』』
『みなさん!お疲れ様ですぅー!』
みんなヒソヒソ話しで声をひそめながら言葉を交わす。
『どなたがどのタイプでした?』
『あのふくよかな奥様は・・・』
俺は奥様方のタイプと必要なファンデーションを
聞いてその場を離れて自室に戻りお土産を用意する。
それをマーガレットさんに渡して中身を確認してもらい使用人さんに渡す。
それぞれのお客様のお付きの侍女さんに渡してもらう為だ。
「本当に素晴らしいお化粧品ですわ。」
「奥様、お邪魔した時よりお顔が小さく見えますわ」
「私、顔の大きさが気になるのよと言ったら
フェイスシャドーという物を使ってくれたの。」
「あら、素敵!奥様こそ一段とお肌に輝きが増しましてよ。」
「オホホホホホ」
なんとかうまくいったようだな。
みな、早く他の人に見せたくてウズウズしてる。
「そろそろ私達はお暇しましょうか。」
「そうですわね。本日のお茶会、素晴らしい
ご招待でしたわ。ありがとうございますメアリー様。」
「いえいえ、今までご招待できず、申し訳なかったわぁ。」
「そんな事、気にしてませんわ。
どうぞおかまいなく。それではこれで。」
「ええ、ごきげんよう」
「「「「「ごきげんよう」」」」」
皆さんルンルンでおかえりになった。
「お疲れ様です!メアリーさん!」
「タクミ様、大成功でしたわ!ウフフ」
「それにしても貴族の買い物って大変なんですね」
「そんな事ありませんわ。あの方がワガママなんですのよ。でもあの方を押さえれば後はなんの問題もありませんからオホホホホホ」
「は、はい。」
「次のお茶会のお客様は私の仲の良いお友達ですから
タクミ様が同席頂いてもかまいませんがどうなさいます?」
「えっ?でもすっぴんになる姿を男に見られるのは嫌じゃないかな?」
「それもそうね。ではお化粧の間は退席してもらうというのでどうかしら?」
「わ、わかりました。」
「そんなに硬くならずとも大丈夫ですのよ。
今日のような雰囲気にはなりませんから」
「は、はぁ。」
「それにしてもやっぱり凄いわ。
この化粧品!あの変わりよう。凄まじいわ。
これは絶対売れますわよ。」
「ありがとうございます。
たしかに皆さんの化粧のレベルが今では
俺をはるかに超えてますね。
さすが毎日練習して下さっただけのことはありますね。」
「そうね。素晴らしいわ。マーガレットもお疲れ様。
さすがだわ。」
「いえ、これからさらに多くのお客様にさらなる美を
お伝えする事と比べたらまだ、入り口ですので、頑張りませんと。」
「頼もしいよ。マーガレットさん。
俺があの場に行ったらやり込められて
う、伺いますって言ってたかも。」
「それぞれ得意不得意がありますので。
私にはこんな素晴らしい化粧品は作れませんから。
製品あっての接客です。
それに物も良いものですから自信を持ってご案内できます。」
「皆さん、これからもよろしくお願いします。」
「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」
読んで頂きありがとうございます。




