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62.冒険者ギルド

噴水でバシャバシャと水浴びを終えて

皆で朝食を済ませるとさっそくギルド登録を

行う為、なぜかイケメン軍団総出でギルドへ向かう。


城からぐるっと一周するように街へと降りて

領地を管理する役所や教会のそばに赤煉瓦で

作られた重厚感あふれる佇まいの冒険者ギルドの

前にやってきた。

アーチをくぐり中に入ると沢山の人が

仕事の依頼書を腕を組んで眺めたり

仲間と相談しながら依頼を吟味しどれを受けるか

悩んでいたり、そのままいくつかの依頼書を

ボードからとり、受付に持って行ったりと様々だ。


するとアーロンさんが颯爽と受付のカウンター

まで進み何やら話している。

すると受付のお姉さんがこちらを見てというより

ヘンリーさんを見て軽く会釈しすぐに席を立ち

どこかへ足早に歩いて行った。

しばらくすると先ほどの女性職員を後ろに従えて

プラチナブロンドの長髪で耳の尖ったスリムな

男性がこちらへ歩みを進める。

おお!エルフだ!やっぱりかっこいいな。


「公爵、お待たせ致しました。

おや?随分と顔色が良いですね。

本日はいかがされましたか?

あなた様がこちらに出向くなど

とても珍しいですが、何か事件でも?」


「いや、新たに冒険者登録をしたい友人がいてね。」


「ほう、さようですか。」


エルフのイケメンはちらっと俺とグリを見て


「テイマーですか。とにかく私の部屋へ」


「ああ、そうしてもらえると助かるよ。」


そうして俺たちは二階にあるエルフさんの部屋に

案内された。

どうやら彼はここのギルドマスターらしい。


「さてと、いつも通りでよろしいかな?

リッチモンド公」


「あぁ、堅苦しいのは苦手だよ。」


「そうか、ヘンリー。

お前、一体どうしたんだ!

病が治ってるじゃないか?」


「ああ!見ての通り、ピンピンしてるよ!」


「やったな!お前と言う奴は私がどれほど

心配した事か!それに、この従魔、

お前は何てものを連れてきたんだ。

昨日の騒ぎのグリフィンだろ?」


「やっぱり君ならわかったかい?」


「当たり前だ!あんな馬鹿でかい

ヒッポグリフなんかいるわけないからな。

しかもグリフィンの中でも上位の者だろあんた?

話せるんだろ?」


グリに話しかけるエルフさん。

この人ギルドマスターになるだけあって凄い

願力の持ち主のようだ。


「やはりエルフは人族とは違ってよくわかっておるな。」


「ああ、あんたのでかさ、俺の爺さんから

聞いたことがあるぜ。

あんた、キンググリフィンだろ?」


「ほう、お主の祖父は関わりでもあったか?」


「ああ。俺の爺さんは子供の頃に川に落ちて

流されたところをグリフィンに助けられたそうだ。

そん時のグリフィンが言葉を話し陸地まで

連れてってくれたって嬉しそうに話してくれて

その時の姿があんたと特徴がよく似ていてな。」


「ほう、エルフならあるかもしれんな。

人族よりはエルフにはそこまで警戒しておらん

かったのだろう。まして子供ならなおさらだ。」


「それにうちの爺さんは長生きでな。

かなり古い話のはずだ。」


「ほう。そうか。」


「それにしても、そんなあんたがなんで人族の

従魔なんかやってんだ?」


「暇つぶしだ。」


「長い年月生きてりゃ、そんな事もあるか。

まあいい。あんた、変化もできるんじゃ

他の城門通る時、面倒だろ?」


「その事なんだ。何かうまい手立てはないかな?」


「そうだな。まぁ、変化可能とでも登録するしか

ないだろうな。」


「そうか。

じゃあ彼の登録と一緒にお願いできるかい?」


「いいぜ。しかし、長生きはするもんだな。

まさか、爺さんの言ってたグリフィンと

話ができる日が来るとはな。

で?ランクの説明とかいるか?

どうせ、この人族も普通じゃないんだろ?」


「いえ、俺はいたって普通です。」


「そうだねぇ。Gランクとかではないかな。」


「そうですね。彼の結界は素晴らしいものですし

それに従魔のグリ殿だけでなくスライムのポヨも

変わっておりましてタクミ殿を筆頭に従魔だけで

AランクやもしかするとSランクの依頼もスムーズにこなせるでしょう。」


「アーロンが言うなら間違い無いな。

だが、一応どれほどの実力か見せてもらわないとな。」


「実力試験ですね。

見ていただいた方が早いかもしれません。」


「じゃあとりあえずタクミとか言ったな。

俺はカミルだ。付いて来い。」


「はい。」


俺たちは案内された広い部屋に入ると

藁を束ねて木に縛り付けたものや

ぶら下げ吊るされたもの。奥は

射撃場のようになっている所もあり、

そこは正面に的が設置されている。


「あんたの武器は?」


「俺は魔法を使いますので武器は持ってません。」


「じゃあ、あそこの的を撃ってみてくれ。

特殊な魔法をかけてるから力一杯やっても

火魔法なら焦げる程度のはずだから、思いっきり

やっていいぞ。」


「はあ。何でやりましょう?」


「ほう、属性がいくつかあるのか。

じゃ、できる属性で一回ずつ魔力切れを

起こさない程度に配分して撃ってくれ。」


「わかりました。じゃまずはウォータボールで。

俺もどの程度の力加減が良いのかよくわからないんでいつも使ってる物を攻撃用で試しにやってみます。」


『ウォーターボール』


「無詠唱か。しかし小さいな」


「それっ。」


シュッ!



ドーーーーーーーーーーーンッ!!!!



「なにぃーーーーーー???????

どう言うことだ!あんな小さな奴がこんな威力ってどうなってんだ!」


「いや、的が小さいのでウォーターボールも

小さくして、そのかわりに出力を上げたんです。

でも、的は揺れただけで倒れませんでしたね。

出力が足りなかったかな。

もうちょっと上げたやつをもう1発・・・。」


「いや、十分だ。他の属性をやってくれ。

出力は今くらいで問題ない。

むしろこれ以上、上げるな。」


「え?はい。わかりました。」


俺はウィンドカッターやファイヤーボール

ストーンボール、サンダーボール、ライトアロー

ホーリーアローなど淡々と撃っていくと


「ちょっと待て!あんたもしかして全属性か?!」


「はい。そうです。

ライトアローとか今初めて使いました。」


「なに?!」


「いやぁ。俺、攻撃魔法ほとんど使うことなかったんで。」


「あちゃーこいつはあれだ。

うん。とりあえず飛び級でCランクにするわ。」


「え?あのぉ。」


「実力はもちろんそれ以上だが、

やはりある程度の経験と信用が必要なんだ。

悪く思わんでくれ。

これから依頼をこなしてもらえれば

結果次第だがまたランクについて検討する。

強いだけでランクを上げてるわけじゃ無いんだ。

ちなみに、Cランク以上は講習受けてもらうから

依頼をいくつかやったら、こちらから声かけるぜ。」


「は、はあ。わかりました。

俺は別に最下位のランクで構いませんが。」


「あぁ。それでも良いかもしれんが

流石にキンググリフィンをテイムしている

テイマーをなりたて冒険者と同じランクには

それこそしておけねえからな。

今度は登録間違いを疑われるからよ。」


「あぁ、なるほど。」


「んじゃタグの製作するけどドッグタグでいいか?」


「はい。お願いします。

あと、従魔がグリだけじゃなくスライムも

いるんですが。」


「あっ?スライム?どんなスライムだ?」


「ヒュージエンザイムスライムです。」


「新種か?聞いたことないな。

まぁ、スライムなら問題ないだろう。

スライムをテイムしている奴は

珍しくないからな。

まあ、Gランク冒険者ばっかりだが。」


「カミル、彼のスライムは凄いよ。」


「は?スライムが?」


「ポヨちゃんの実力みせてあげなよ。」


「はぁ、ポヨ、あの的をそうだな、ゴブリンと

思って攻撃してみろ。」


ポヨーン


ピシュッ



ジューーーーーーーーーーー!



ドロドロドロドロドロ



「なにぃーーーーーー???????

なんだこのスライム!!!!

こんな威力、見たこともないぞ!

しかも今の液体はなんだ?!」


消化酵素っていってもわからないよな。


「えっと、酸です。」


「マジか?!」


「こりゃ大変な冒険者を連れてきたな、ヘンリー」


「だろ?」


「あぁ、これは今後の活躍が楽しみだ。

どうする?ついでに依頼も受けていくか?」


「とりあえず今日は商人ギルドにも行きますので

登録して、あと買取と解体をお願いしたくて。」


「お?物はなんだ?」


「ワイバーンです。」


「ワイバーンだと?!どうやって倒した?!

ま、まあこの従魔じゃ、不思議じゃないか。

倒したのが飛び級Cランクなんて聞いたら

ひっくり返るな。

よし、この隣が解体倉庫だからそっちに今から行くか。」


「はい。」


そしてこの後、倉庫にて、またもや

あまりの綺麗な仕留め方に驚愕される事になった。


読んで頂きありがとうございます。

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