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46.船旅1日目

「うおーーーーーーなんだこれぇーーー!」


「うむ、この景色は確かに凄いな。」


俺たちは船の中を色々と案内してもらっていた。

この船の構造は地下一階を含めた4階建てに

なっていて一番下が個室とキッチンがあり6室

これは一番揺れない所だかららしい。

下から二番目の階が船員用のスペース三室と

みんなが共同で使うトイレと王のみが使うトイレ

下から三番目は操舵室や会議室であり

お客になる乗船者のサロンとしても使われるので

内装がすごく豪華で外の日差しも入り

室内からでも外の景色が眺められる作りだ。

4階の端っこは一番揺れるが外の景色が見える為

ここが船長室だそうだ。

この船は古くは軍用船として使われていたが

小型のため今では改造されてもっぱら

王家専用の居住スペースと設備のついた

レジャー用の船として使用されているそうだ。

外観はマストが4本付いている帆船でこの船は

小型だけあり他の遠洋用の大型船と比べて

スピードがとても速くさらに大型船ではいけない

浅瀬の所や河川なども入ることのできる

使い勝手のいい船らしい。

大型船は岩とかにぶつかったりして浅い所は

いけないんだって。俺は船とか乗らないから

知らない事だらけで話を聞くのが面白かった。

まぁ、王家専用と聞いてもちろん俺は驚いたが

ヘンリーさんはケロッと貸してくれたんだぁ〜と

フワッとした、大した事無い様子で話していた。

あと俺が不思議に思ったのはどこにも生活物資が

置いていない事。そう。倉庫がない。

だがそこは異世界であり王家専用の船。

船員用の荷物は専用のマジックバックに。

食糧や水もキッチン専用のマジックバックに

収められているらしい。

もちろんマジックバックも貴重だから管理責任は

船長とキッチンはコック長さんが担う。

船長はもちろんコック長さんは責任重大だね。

そしてイケメン軍団の荷物は城の時からお世話を

してくれているピシッとした男性召使いさん。

この方が全て任されているらしい。

この人ヘンリーさんのお抱えの

召使いさんだったんだな。

俺はてっきり城の召使いの人かと思ってたよ。

貴族は旅行するにも身の回りのお世話をしてくれる

召使いさんを同行するらしい。

冒険のような事をする時はヘンリーさんは

召使いは連れて行かないよぉ〜。だそうだ。

そのかわりにアーロンさんがヘンリーさんの

身の回りのお世話をしているっぽい。

高貴な方って凄いね。

そんな感じで荷物が少ない分、居住空間は大きく

贅沢に使えるようだ。まぁ、風呂は無いがな。

風呂に入る概念はこのお方達には無いよな。

病気になるだの体に悪いだの言ってるし

水魔法の使える人がいると言っても貴重だから

そんな体を洗う事なんかに使わないよな。

クリーン魔法はみんな使えるわけだし。

残念。ひじょーーーーーーに残念。

王様も風呂には入らないんだな。

チッ。


俺たちは上から順に船内を案内されて

最後に個室にやってきたのだが

これが一番驚いた。

なんとガラス窓だ。

しかも水族館ばりの大きなガラス窓。

ここは地下になっていて海中部分。

海を泳ぐ魚が見えるようになっている。

これ凄いけど割れて浸水とかしないのか?

そんな疑問を抱いていると上から順に

設備やら何やらまるで観光ガイドのように

スラスラと説明をしてくれていたアーロンさんが

きっちりその疑問を解いてくれた。


「こちらの客室はこの船一番の自慢のお部屋で

海中を楽しみながらゆったりとくつろげる

空間となっています。

さらにこの船のガラスは結界石という

特殊な鉱石を用いて造船しておりますので

通常のガラスとは異なり強度においても

対魔物においてもとても強く頑丈にできております。」


「すっごい綺麗ですね!

これはかなり贅沢ですよ!」


「お気に召していただけて何よりです。

河川で使用する場合はあまり意味を成しませんが

短距離の航海については、とても素晴らしい

景色が眺められるかと思います。

さらに船長がこの船底と窓の部分に

さらに結界を張っておりますので

海中で付いてくる小さな魔物やゴミも付かず

ヒッポカムポスの負担も軽減されて

船のスピードはもちろん落ちませんし

航海中の故障などもあまりなくスムーズな船旅が

堪能できます。」


「凄いですね!結界石なんて物があるんですね!」


「はい、ですが魔石同様、非常に高価なものゆえ

通常の船にはごくわずかしか使用されず軍船や

豪華な旅船のみ多用に使用されております。」


「そうなんですね。通常の船って荷物とか

運ぶ船とかですか?」


「そうです。マジックバックも高価なので

大抵の商人の船などは大型の船で

沢山の荷を積み運びます。

その為窓などはあまり必要ないのですよ。

それに最上階の部分しか外には出ていませんので

その部分のみ窓が使われています。」


「ん?最上階の部分しか?」


「簡単に申しますと船の構造が異なりますので

また港に着いたら沢山の船が見られると

思いますからそちらでお話ししましょう。

現物をご覧いただいた方がわかりやすいかと

思われます。」


「確かにそうですね。ありがとうございます。」


「しかしこの部屋の眺めは凄いなぁ。グリ」


「あぁ。

我はこんな深い海ずっと潜ることはないからな。

これは良い眺めだ。

しかしあいつら美味そうだな。ジュルッ」


「そういういい眺めかよ。

お前はいつも食い気だな。」


「ふんっ。美味そうなものをいい眺めと言って

何が悪い。捕獲できぬのが残念だな。」


「グリ殿、

うまい食材は十分に持ってきておりますので

どうぞご安心下さい。」


「うむ、そうか。ムフフフフフ」


「そうだ、あのお願いがあるんですけど

俺が育ててる木があるんですが

日の当たる場所に置かせて頂けませんか?」


「かまわないよ。ねっアーロン。」


「はい。ではサロンにおけば陽もあたりますし、

いつでも眺められますので

そちらはいかがでしょうか?」


「はい。有難いです。助かります。」


「こちらでお預かりして設置しますか?

それともご自身で設置なさいますか?」


「手を煩わせるのもなんですから

邪魔にならないようなところに

後で自分で設置しますよ。」


「かしこまりました。」


一応念のため結界も張っておきたいしな。

揺れで倒れたら大変だからな。


「あと、グリが水浴びできるような

そんな場所ってありますか?」


「それでしたら甲板でよければ

樽を使って浴びる事は可能ですが

グリ殿が入れますかね。」


「その点は問題ないです。

俺のウォーターボールを使いますので

水も甲板には溢れないように

うまく浴びますから。」


「あぁ。今朝のようにですね。わかりました。

タクミ殿の魔法操作能力は素晴らしいですね。」


「なんだい?今朝のようにって。」


「えぇ、巨大なウォーターボールを使って

今朝グリ殿が水浴びされているお姿を

拝見しまして。実に見事な球体でした。」


「へぇー攻撃用を樽も使わず形を留めたままとは

それは凄いね。もしよければ水浴びの所を

見せてもらってもいいかい?」


「良いぞ。なんなら我の背中でも流すが良い。」


「おい!グリ!」


「い、良いのかい?それは物凄く楽しそうだ!

タクミ殿、グリ殿!是非やらせてくれよ。」


「えぇぇぇーーーーーー!

ヘンリーさんがグリを洗うんですか???」


「あぁ!ぜひやってみたい!

実はね私は魔力量はあるんだがテイマーの素質が

全くと言って良いほどなくてね。

だけどね、そのぉ〜動物が大好きなんだよ。

でもね、あまり好いてもらえなくて

昔から寂しい思いをしてたんだよ!

ずっとテイマーみたいに触れ合いたかったんだ!

グリ殿、本当に良いのかい?」


「気持ちの悪いやつだな。

お主が好かれぬのはその触れ合いたい欲求が

あまりにも強すぎてひかれてるのではないか?」


「そ、そんなぁ〜」


ヘンリーさんの意外な一面だよな。

動物って魔物なんだけどね。


「では水浴びは甲板にて早朝に行うという事で

翌朝ヘンリー様にもご案内致します。

それではまもなく昼食となりますので

サロンに参りましょうか。」


「そうだね。もうそんな時間か。

あぁ、明日の朝が楽しみだ。」


「グリ、よかったな。」


「あ、あぁ。」


絶対こいつ、余計な事言っちゃったぁーとか

内心思ってるんだろうな。

それにしてもあの優雅で麗しいヘンリーさんが

グリの背中流すなんて想像つかないよ。

こりゃ明日は朝から大騒ぎだな。




読んで頂きありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 船の構造を説明するのに地下一階って初めて聞きました。斬新な感性をお持ちな様で感心しきりです。 ちなみに船の地下とはどこを示すものなのでしょうか? 喫水線以下の意味ならば積載量や海水の…
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