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35.旅に行く前にご挨拶しました。

「ではタクミ殿、またお会いしましょう。」


「はい、どうぞお気をつけて。」


俺はイケメン集団を転移で森の外れの

人里に近い場所まで送り届けた。

ここで一旦別れ彼らは最寄りの人里で馬を調達し

元々滞在していた大きな街へ2日ほどかけて戻るそうだ。

その後、俺の身分証明書を発行するための準備や

グリが速やかに街におり立てるように

手配してくれるらしい。

大きな街ではグリくらいの魔獣は

よく出入りがあるので驚かれる事は少なくないそうだ。

というのもこの島は左右に分かれる2つの

大きな島の中継地点になる場所でヘンリーさんの

グランド王国では地図で言う所の左の一部から

エアル共和国やルクブラー連邦などで

商品を買い付け売りにくる行商人や

買い付けした商品を持ち帰る大店の商人などが

訪れるそうだ。

グランド王国の者はマーニン島を入国料なしで

使えるが、その他の国の人は別途入国料が発生し

船だと上陸手数料が取られるそうで他の国の人は

あまり利用せず独自のルートで

海から輸出入を行うらしい。

もちろんグランド王国の国民であっても

普通に船なら停泊手数料はかかるようだ。


彼らも手配や今までの事を本国へ報告したりと

何かと時間が必要なため二週間後に俺たちは

この森を飛び立つこととなった。

グリが飛び立てば30分から1時間以内には

たどり着ける街のようで地図で場所をしっかりと

グリを交えて打ち合わせをした。

俺ははっきりいって地図を見たところで

全くわからないからグリ頼みになる。


その二週間の間に俺も荷造りや家の整理だ。

そこで困ったのはこの家だ。

さてどうしたものか。

結界を張っておけば侵入される事は

まず無いのだがもしもの事を考えて

防犯装置以外の魔石は取り外す事にした。

玄関が壊されたり特殊な魔法で侵入されたりとか

色々考えたら外すのが手っ取り早いと思った。

旅に出かけても転移ですぐ戻ってこれるので

始めはそのままにしたいと思ったんだけど

仕方ないよなっと踏ん切りをつけた。

あとは隣人へのご挨拶。

旅行に出かけますよ、くらいは言っておいても

良いだろうと思いホイップクリームを沢山持って

キラービーの巣にやってきた。

巣まで来るのは初めてだ。

キラービーのナイト風な蜂に事情を説明したら

良好なお付き合いのおかげで巣へ案内された。


すると中から女王蜂がわざわざ出てきて


「お主、旅に出るそうだな?

妾から良いものをくれてやろう。

きっとお主の役に立つはずじゃ。」


そう言って蜂蜜と綺麗な蜜色のビー玉のような

小さな石をくれた。

それは透き通っていて陽の光が入ると

とても美しく輝く。

何か魔石のような力でもあるのだろか?

だが魔力のようなものは感じない。

不思議そうに石を眺める俺に

ゆっくりと落ち着いた声で女王蜂が話し始めた。


『それはの、キラービーだけが

作ることのできる石じゃ。

巣から少しずつ魔力が集まりできる石でな。

魔石ほどの力はないただの飾りの石じゃ。

だがな、これは巣が破壊されたり

壊されたりすると石もまた壊れる。

それゆえ、この石を持つ者は我らから

贈り物として渡されなければ手にできぬ

代物であり略奪などせぬ良好な友好関係を

築いておる証となる石じゃ。

我らは別の地域にて営みを送っておるが

全ての世界のキラービーと繋がりを持っておる。

もしキラービーに遭遇した際にこの石を見せよ。

さすれば、お主は攻撃されぬであろう。』


『えっ!そんな大切な石もらっても良いのか?』


『うむ、お主には何かと

世話になっておるからの

本来であれば人族は我らの巣を破壊し

蜜と蜜蝋を奪っていく者なのじゃ。

その為我らも必死で守る為、

略奪者に立ち向かい報復する。

だがお主は我らの状況も考慮し

我らを受け入れそれだけでなく焼けた地に

花を植えてくれたであろう?

他にもあえて結界の外側に花壇まで

作ってくれもしたしの。

妾はそのお主の優しさに報いたまでのこと。

堂々と胸を張って受け取るが良い。』


いつもは尊大な女王さまがびっくりだ。

花壇は確かに作ったけど

そんな風に感謝されるとは思ってなかった。

俺的には貴重な蜂蜜をもらったから

その分、労力はかかってしまうけど

摂取できるようにと思って植えた花々だ。

この人というかこの蜂はやはり

女王蜂なんだな。

数々の恐ろしく強い魔物である

蜂の上に立つだけの事はある優れた蜂だ。


「あ、ありがとう。

初めの時は悪いことしたな。

この石だけど確かに持ってれば

この辺りに異変がおきて

お前達に何かあっても

すぐ分かるし駆けつけられるな。

俺も安心して旅に出ることができるよ。

ちょくちょく帰ってくるから

その時はよろしくな。

あとこれ、よかったら食べてくれよ。」


俺は持ってきたホイップクリームを

何匹かの蜂に渡した。


『こ、こんなにくれるのか?

悪いな。ありがたく頂くぞ。

気をつけて行ってまいれ。』


『あぁ、ありがとう。

じゃあまたな。

戻ってきたら、また顔を出すよ。』


俺は少し嬉しくなったと共に

ちょっぴり別れの寂しさを覚えた。

だが、実際にはちょくちょく

戻ってくる予定なので今生の別れ

というわけではない。

でも俺と関係を持ち、仲良くしてくれた

魔物の1団体だ。

ぜひ今後とも仲良くしていきたい。


後から知ったけど蜂だって言ったって

ランクでいうとBランク。

これはヘンリーさんたちを襲った

あの、ロックバードと同じランク。

めっちゃ強いやつじゃん!

俺、最初に散々脅しかけたけど

キラービーがもし疲弊してなかったら

たぶんやられてたよなー。

とヒヤヒヤしたもんだ。

それを教えてくれたのも


「蜂蜜なんて高価な物どうやって

手に入れたんすか?キラービーなんて

Bランクの危険な魔物なのにすごいっすっ!」


とジョージ君に言われたから。


「もらったんだよ。

ところでBランクってなぁに?」ってなノリで


「魔物の強さをランク分けしたもので

Bランクは一流の冒険者がパーティーを組んで

討伐する魔物っすよ。」


と教えてもらったんだ。

それを聞いた瞬間、めまいで座ってる椅子から

転げ落ちそうになったよ。

今考えるだけでも鳥肌がたつ。

だってそうだろ?

知らないとはいえ、よくもまぁそんな強い魔物に

俺は脅しをかけるような恐ろしい真似ができたもんだ。

ある意味、無知って最強だよな。


さて挨拶は済んだし今度はロカイとリスボンに

話をしないとな。

また二人に来てもらうか。

そうなると食事やお菓子をたくさん用意しないとな。


とりあえず旅用にも作り置きが必要になるし

それも合わせて作るかな。


さーーーーぁ 忙しくなるぞぉ!

読んで頂きありがとうございます

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