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28.ポヨの進化

とうとうポヨが来て一月がたった。

見た目は特に変わっていない。

さて鑑定してみよう。



 【 名 前 】 ポヨ エンザイムスライム

 【 年 齢 】 1ヶ月

 【 レベル 】 1

 【 体 力 】 1000

 【 魔 力 】 1323

【 スキル 】 消化酵素液 代謝酵素液

活性酸素液



●消化酵素

口に入れたあらゆる物を消化して、栄養素をとりこむ。

又、外敵から身を守るため液を飛ばし

相手を消化し魔力を吸収後、自らの養分とする


●代謝酵素

栄養素をもとに身体の各細胞を作り上げる。

老化を防ぎ、毒素を解毒し、

免疫力や自然治癒力を向上する

それぞれのポーションを生成。


●活性酸素

酸素から取り込み分解した活性酸素を

放出できる。


・オキシドール 消毒に使える

ばい菌を毒で酸化し殺菌。飲用禁止。

濃度を濃くすると攻撃にも使用可能。


・ハイドロキシラジカル

酸。攻撃用水。

相手をとかす。



エンザイムスライム?

なんだそれ。

てっきり俺はスカベンジャースライムに

なると思ってたけど何やら違うらしい。

しかもスキルが酵素とばかりついている。

これだけではわからないので

サーチで調べるとどうやらエンザイムというのが

酵素という事らしい。

そもそも酵素ってなんだよ。

俺は無知なのでサーチでとにかく調べまくる。

だって知らないんだもん。


酵素を調べると難しすぎてよくわからない。

ざっくり言うと生物の体にある物質の一つで

酵素がないと体の働きが上手くいかなくなる

病気になったり臓器の働きが悪くなる

もっといえば酵素がないと死んでしまう。

そんな物質だ。

さらに活性酸素は酸素から吸収する際に含まれる

酸素みたいだが、

これは体にとって毒になる成分らしい。

それを人間の体は酵素でやっつけたり

動きを鈍らせるようだが、

ポヨは酸素から必要な物は取り入れ

必要ないものは外に吐き出すことができるようだ。

以前食べた後の水を鑑定した時は

老化を遅らせるポーションだったが

それ以外にも解毒や治癒力を高めるポーション、

さらには消毒に酸まで追加されたと言う状況だ。


「ポヨ、おまえとんでもない奴に進化したなぁ」


グリの頭の上でポヨポヨ跳ねている。

グリに鑑定の内容を話すと


「それではそろそろポヨも狩のやり方を

教えてやらねばなるまいな。

このひと月は何があるかわからぬゆえ

この敷地におったが、そろそろ良いであろう。

我が指導してやろう。」


「おい、大丈夫なのか?」


「お主より体力があるしスキルも何やら

面白そうだ。それに産まれてひと月。

伸びしろもあるだろう。」


「まぁ、たしかに。でもあんまり

危ない事はさせるなよ。」


「うむ、言われるまでもない。

我に任せておけ。フフフフフ」


そうでした。このお方育成のプロでした。

はい、お任せします。


「ではさっそく、我らは森にでも行くか?」


「そうだな。どんな動きをするのか

俺もみてみたい。スライムって基本は弱いはずだろ?」


「うむ、始めのうちはな。

だが生き残り成長した者は案外敵に回すと

厄介だな。魔法が効かない者や

物理攻撃が効かない物と様々だ。

ポヨはどちらでもなさそうだが

お主の話を聞くと攻撃が特殊なようだな。

まぁ今から色々試してみる価値はあるぞ。」


「そうか。じゃあ、行くか。」


俺たちは外に出てグリに乗せてもらい

まずは湖へ向かった。

湖には魔物が多く住むからだ。


俺はいつも感知で魔物を避けながら

歩いていたので弱めのホーンラビットや

グリーンキャタピラーとかにしか会わないが

実はここには色んな魔物がいる。

魚は以前獲ったサルビーフッヘンにロックや

ロックトラウト、レインボートラウトや

スチールヘッドなどだ。

それ以外にも魚ではないがグラシュティンという

馬の姿をした魔物がいる。


「グリはよくここで狩をしてるんだよな。」


「うむ、我はグラシュティンをよく狩るのぉ」


「前獲ってた奴だよな。」


「うむ、あやつは人族や獣人を自分の背に乗せて

そのまま湖の中に引きずり込みむさぼり食うと言う

姑息な手を使う奴だ。

しかも女子には若い黒髪のハンサムな

男の姿に化けて誘惑するやつだ。

この辺りは人族も獣人もおらんのでもっぱら

馬の姿の奴ばかりだ。」


「流石に詳しいな。

そんなに悪い奴だとは思いもしなかったよ。」


そういえば黒馬だったな。

あいつに捕らえられて悲痛な叫びをしていた馬。


そんな話をしていると遠くから

騒がしい物音がする。

目を凝らしてみると

そこにはゴブリンがいた。


「うむ、ゴブリンなら害にしかならぬ故

排除しても構わぬだろう。

よし、ポヨ行くぞ。」


俺とポヨはグリの背に乗りゴブリンの

上空にやってきた。


もちろんゴブリンはこちらに気がついた。

牙をむき出しにして威嚇してくる。


「ギィーギギーーーーーー」


「あいつら本当に猿みたいな鳴き方するよな。」


「では、ポヨよ。まずは上空から

あやつらに攻撃してみよ。」


するとポヨがなんとウォーターボールを出し

ゴブリンへ飛ばした。

俺が作る物とは少し色が違う。

おや?っと思いながら

フワフワ浮かぶウォーターボールの行方を

見守っていると、ゴブリンが持っている槍で

ウォーターボールを突いた。


「うーーん始めはこんなもんだよな。」


「いや待て。ゴブリンを見てみよ。」


「ん?」


ポヨの放ったウォーターボールの水分が

どうやら槍でついたゴブリンに飛び散っている。

するとそのかかった部分からモヤのような

煙とは違う何かがフワァ〜とくゆるように

浮かび上がってきた。

そして音もなくゴブリンがパタリと倒れ

そのままゆっくりと消滅した。


「な!なんだあれ?モヤがこっちくるぞ」


するとそのモヤはどんどんこちらに近づいてきて

やがてポヨが吸収するではないか!


「なんだったんだ?今のは?」


「うむ、あれは魔力の塊だったな。

きっとポヨはゴブリンからあの液体で魔力を

吸い取りそして自らに運び吸収したやもしれん」


「そ、そうなのか。たしかにスキルに

消化酵素ってあったな。それを玉にして

飛ばしたってことか?!」


「うむ、スキルがあるならば

そう言うことであろう。」


「にしたってゴブリン消滅したぞ!

ポヨおまえ凄いなぁ!」


「ポヨよ。でかしたぞ。他にも何かできるか?

お主の力、見せてみよ。」


ポヨはさっきとは違う色のウォーターボールを

二つ出した。


そしてまたフワフワとゴブリンに飛んでいった。

流石にゴブリンも先ほどのことを見ているため

警戒して槍でつくようなことはしない。

だがゴブリンの真上に来た時。

それは爆ぜだのだ。


ビシャッ。


「・・・」


「ギィーギギーーーーーー」


「「ギギギギギーーーーーー」」


二匹は時間差で凄まじい悲鳴をあげて

ジタバタしている。


一匹の体は始めはなんともなかったが

時間が進むにつれ触れたところが真っ白になり

立っていられずもがき苦しんでいる。


もう一匹はもうすでに虫の息だ。

体が溶けている。


「こ、これは・・・」


「うむ、酸だな。スライムはよく酸を

出すものがおる。だがあの白いのはなんだ?」


もしかしてオキシドールか?


「ちょっと待ってくれよ。調べてみる。」


●オキシドールとは

(過酸化水素水)

熱や強いショックを与えたりすると

爆発することがある。

容器のふたには穴があいており

少しずつ蒸発していくようになっている。

そのため、長期間置いておくと濃度が薄くなる。

栓を開けるときに噴き出すことがあるので、

手や目を保護して開けると良い。

過酸化水素水を100℃以上に加熱すると

爆発するので注意が必要である。

オキシドールは傷の消毒に使う薬品なので

取扱いにとくに問題はないが

濃度30%の過酸化水素水は劇物である。

濃い過酸化水素水を直接皮膚につけると

皮膚がおかされて白くなり激痛が走る。

皮膚についたらすぐに多量の水で洗い流すことが

必要である


⚫︎人体に対する影響

通常、症状は時間をおいて

やけど(腐食性薬傷)を起こす。

眼に入った場合は角膜が侵され、

場合によっては失明することがある




「な、なにぃーーーー?!」


こ、これめっちゃ危ない代物じゃないか!

俺ただの消毒液だと思ってたよ。

無知って怖いな。

確かにスキルに濃度を濃くすると攻撃可能って

書いてあるわ。

なんだこれ、相当強いぞ。


「グリ、ポヨはやばいかもしれない。」


俺はグリに調べた内容を話した。


「はっはっは。そうか。

それは頼もしいではないか。

それにお主の指示がない限り

こうした攻撃はせぬはずだ。

それが従魔だからな。

暴走するならばお主がこやつを

あやめようとしたならば

歯向かう事もあるだろうが

それさえせねば

こやつが牙を剥くことはないわ。安心せい。」


「そ、そうか。うん。確かに俺がポヨに

危害を加えることはないな。」


「うむ、仮にこやつが暴走しても

我が止めてやろう。心配は無用だ。」


確かに人格者?のグリがそう言うなら

問題ないだろう。


「だが、獲物をとるには、これではいかんな。

我がしっかり訓練をつけてやろう。」


そうか。ポヨに歯がないのは

分解吸収できるからか。

確かに本人は生きていけるが

従魔として獲物の採取とかになると厳しいな。

倒すだけなら問題ないんだろうけど。


「グリ、よろしく頼むよ。」


こうしてグリとポヨの訓練という名の狩が

永遠と続いた。


なんの恨みがあるのか知らんが

ひたすらグラシュティン。

そう、馬をターゲットに

ポヨに指示を出している。

純粋に馬が嫌いなんだな。グリよ。









読んで頂きありがとうございます

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