19.ガタイのいい姉ちゃんできました
「ふぅーー、沢山採れたなぁー」
あれからオレンジにグレープフルーツ、マンゴーにパイナップル、エミエミの実。
そしてカカオだ!
びっくりしたよ。
カカオがまさかあるとは思ってなかったよ。
なんかデザート系ばっかりだな。
だけど人間ビタミンは大事だからな。
ここで一旦ランチ休憩だ。
結界もあるし、周りに歩いてきそうな魔物の気配もない。
この場所でパパッと食べてしまおう。
清潔魔法をかけて水魔法で顔と体を洗う。
あぁ、やっぱりタオルほしいよな。
顔洗ったあと風魔法で乾燥。
するとさぁ。ざらつくっていうのかな。
持ってる水分まで全部乾く気がするんだよ。
なんか保湿するもの塗った方が良いんだろうな。
熱帯エリアでは別に気にならないけど、家の方だと寒い日なんか、顔がカサカサして、こなふきを通り越してひび割れるんじゃないかと思うくらい渇いてる。
潤いの、うの字も今の俺の皮膚にはない砂漠の状況だ。
これが全身。
一年もしたらシワシワの爺さんになってしまいそうだ。
なんとかしなきゃな。
鳥モモ肉のサンドイッチを食べ終え、次はデザートサンド。
ホイップクリームを塗った果物サンド。
「うん。旨いな」
甘いホイップクリームに酸味の効いた、ラズベリーとバナナ、コーヒーチェリーのバランスが思いのほかあってる。
食べていてもくどくならないのがまた良い。
俺はどちらかといえば、ただ甘いだけのスイーツより、酸味の効いたカシスのムースとか、果物いっぱいのタルトとかが好きだ。
クリームもさっぱりな方が好みなんだよな。
でもこの暑さだとアイスクリームやソフトクリームが食べたいな。
ココナッツミルクで作れるかな?今度試しにやってみよう。
最後にコーヒーを飲んでホッと一息。
「はぁー。食後にコーヒーまで飲めるようになるとはなぁ。この島に来て本当によかったよ」
もう一口。手元のコーヒーを味わう。
「そういえばリスボンとの精霊の話で、ロカイって名前が出てたな。あれってやっぱり木なのかな?確かヒールポーションの鑑定の時に、同じ名前が出てたけど、もしそれなら手に入れたい材料だよな。サーチと感知を合わせて探せないかな?」
まず感知を使って地図のイメージを出し、魔物の気配を探る。
「おぉぉー、やっぱりこの森は、いろんな魔物がいるけど動かないな」
動く魔物だと赤い点が移動する。
もちろん地図上でも移動している魔物はいるが、小さなものであったり、中くらいのサイズであったり。
湖にいるような大きく動く魔物はどうやら少ない。
基本的には、この森の多くの大きな魔物は止まったままになっている。
植物系の魔物なんだろう。
次にこの中で対象物があるかを探る。
『サーチ、ロカイ』
すると赤く点滅する地点がある。
どうやらロカイがあるようだ。
しかもここから10分ほど離れた所と近い距離にある。
この距離なら今から行っても良さそうだ。
さっそく目的地に向かい、あたりを見回しながらトコトコ歩き出す。
歩きながらも食材となる木や草を物色。
魔物ではない野菜や草を見落とさないようにキョロキョロしながら歩く。
これを街中でやればきっとただの不審者、もしくは田舎者丸出しの挙動不審者だろう。
だが、俺にはそんなことを気にする相手はここにはいないので、思いっきり挙動不審を発揮する。
でもそんな歩き方をしていれば、当然何かのツタや草に引っかかりつまずく。
「おっとぉー。上ばかり見てるとついこうなるんだよな。気をつけなきゃな」
引っかかったツタを引っ張ると、地の中から何か実が出てきた。
「ん?なんだこれ?」
つーーっと引っ張ると見覚えのある形をした実が、沢山出てきた。
「これって、あれだよな」
すぐさま鑑定をかける。
【 名前 】ピーナット(ピーナッツ)
【 用途 】殻のまま炒るか殻からむいたものを炒ることが多い。もしくは炒った後にバターや油を絡める。殻のまま塩茹でも旨い。
ピーナットを炒ってすり潰して練るとピーナットバターもできる。油脂含有分が高くピーナットオイルも搾油可能。
サラダ油やマーガリン、石鹸、シャンプーなどに利用できる。ビタミンEが豊富。
ピーナットには抗酸化作用がある。
ポリフェノールも含まれ、老化を防ぐ効果が期待できる。
血管をきれいにし、血行をよくするのとともに、ホルモンのバランスを整える。冷え症や肌のシミを防ぐなどの効果も期待できる。
ただし乳児には使用禁止。
ピーナットアレルギーの発症を引き起こすことが多いため。
「やっぱりピーナッツみたいだな。ピーナッツにもオイルがあるのか。初めて知ったよ。熱帯地域はオイルが取れるものが多いんだな」
とりあえず収穫をして、アイテムボックスにしまう。
すると目的地とは違う方向だが、ヤシの木のような葉が遠くの方に見えた。
「ん?海の近くじゃないけど、ヤシの木って生えるのか?
品種が違うやつかな?」
気になってそちらの方に歩いて行ってみる。
進んでいくと、そこに樹高10メートル?20メートルくらいだろうか。
背の高い、でこぼこした木の幹に、噴水を思わせるアーチを描いた葉をつけたヤシの木が生えていた。
海がないのになんであるんだ?
鑑定でみてみると
【 名前 】マーニンオイリーパーム。
(アブラヤシ)Eランク。
樹高20メートル、葉3〜5メートル。
体を捻る事はないが葉が刃物のようによく切れる。
その葉が上下に動き、果実を獲ろうとする者を切り裂く。
さらに風魔法も使うため飛ばされる。
木に近づいたり登ったりしなければ、葉は動かない。
果実を取る場合、風魔法を防げる防具をつけ、長い棒の先に刃物をつけた物でくるっと回転させて、果実を下に落とす。
果実の周りは棘で守られており毒があるので素手では触れない。
回収する時も風魔法の攻撃が来るので、注意しながら手で触れないように果実を回収しなければならない。
強力な防具や道具が必要になるためEランク。
果実は六ヶ月に一度実がなるが、マーニン島の物は三ヶ月に一度実る。
果実は鶏卵大で集団をなし、油分の多い多肉質の果肉と、同じく油分に富んだ、一つの種子から構成される。
重さは1房あたり通常は40-50kgほどだが、マーニン島では倍量の100キロほどとれる。
オイルは100キロで22キロ分のオイルが絞れる。
果実のうちの果肉からはパーム油が。
中心部の種子からはパーム核油が得られる。
そうか! 品種が違うやつなんだな。
しかも風魔法まで使って、刃物ばりの葉って殺傷能力が高すぎるだろ。
防具については結界があるからいいとして、問題は棒だよな。
俺には高枝切りバサミ的なものは持っていない。
今回のヤシの木は実を飛ばさないようなので、こちらから水魔法と風魔法をミックスした、名付けてシャボンボールを使って果実をとって来ようと思う。
果実は、噴水のように幹から伸びた葉っぱの付け根に赤く実っている。
葉が上下に動くなら、幹のすぐ側を這うように浮上させて、葉の隙間を縫うように、実の所まで近寄って包み込む。
包む時に幹から切り離し、タイミングを見て今度は降下。
よし、やってみよう。
『シャボンボール』
ふんわりもちっとした、いいシャボン玉ができた。
形状を確認。
うす〜く板のように伸ばしてみたり、丸い形をねじってみたり。
ぽよんっ。ぽよよーん。
うん。これなら割れる事はなさそうだ。
それでは行ってみよう。
俺は幹まではゆっくりとシャボンボールを、地を這うように滑らせていく。
そして幹まであと3メートルくらいの所から、葉がゆったり動き始めた。
「動きが遅いから平気か?」
ブンッ。
「あれ?なんかものすごい音がしたぞ」
ブンッ。
「やっぱり、なんか音がおかしい」
よくみると確かに動きは遅いが、葉が大きいので振り下ろされる威力が桁違いのようだ。
これ人間なんか行ったら、きっとギロチンみたいにスパーンと腕やら胴体やら簡単に飛ぶんだろうな。
うん。ホラーだ。怖い怖い。
とりあえず俺が傷つくわけではないから、作業を進めよう。
すると近づけば近づくほど上下の動きが速くなる。
だが、その動きを無視して木の幹に辿り着き、でこぼこした木の幹に沿って上昇していく。
そろそろ葉の先が当たるくらいの高さまで来た。
そのまま進むと、思っていた通りになった。
幹まで来ると自然に避けるように、葉を上下に振っている。
俺の予想では、この魔物は攻撃を放っても、自分自身に当たらないようにするのではないかと考えていた。
だって身を守るために自分も怪我したら本末転倒だろ?
だから幹にくっつくようにして浮上させたんだ。
オイルパームは幹が邪魔で攻撃できない様子だが、ブンブンと物凄くいやぁーな、鈍い音をたてて葉を動かしている。
あの葉、めちゃくちゃ切れ味良さそうだな。
そう思いながらとうとう実の所まで昇った!
よしっ!次は包み込んで離脱!
じわじわと近づき房を包み込んでいく。
うまく包めたようだ。
よし!もぎ取るぞ。
『カット』
すると怒ったように、魔物が葉のスピードを上げてブンブン音をさせながら乱高下している。
「ヒェーー怒ってらっしゃる。早く持ち帰ろう」
タイミングを見計らい、一枚の葉の上に転がるようにのせて
葉を伝いながら下に転がり落ちる。
「よーし!うまくいったぞ。これはなかなか大変な作業だったな。プロならもっと手際よくさっさと回収するんだろうなぁー。あー変な汗かいたわ」
地面を見るとすっぽ抜けた葉が落ちていたので、この葉ももらうことにして、果実と葉をアイテムボックスの中へ。
カッターみたいな形で使えないかと思って拾ったが、ペラペラしていてこれ単体で使うのは意外と難しそうだ。
切れ味は……。
「よっと」
シュパッ!
うん。抜群。
さすが天然素材100%のギロチン。
何かにできないかな。
とりあえず包丁にするのは無理そうだ。
また、おいおい考えよう。
それじゃ道を戻ってロカイだな。
来た道を戻り今度は寄り道せず、感知の地図を頼りに点の示す所まできた。
すると20メートル近い木の周りに、色んな種類の草が生い茂っていた。
肉厚のものから細いもの大きな物から小さな物。
トゲトゲしいものから斑点の模様のあるもの。
「これは…… アロエ? だよな?」
アロエってこんなに種類あるのか?
それともこの島特有のものか?
うーーん。はっきり言って、どれがどんな効果や効能があるものなのか俺には見分けがつかない。
ロカイと混ぜると…ってポーション作りの時に書いてあったけど、どれでもいいのか?
さすがにこの数を一つ一つ鑑定していくとなると、今日一日……いや一週間は最低でもかかるぞ。
う────ん。
どうしようかな。
一か八か念話で語りかけてみるか。
『こんにちは、ロカイさーんロカイさーん。聞こえますかぁー。僕はこの島に住んでいるものです。ぜひあなたの薬効の力にあやかりたく、効果のある物を分けていただきたいのですが、どれがおすすめか教えて下さいませんかぁー?
ロカイさ────ん。』
「……」
ダメかなぁー。
返答はないなぁ。
仕方がない。鑑定をかけていくか。
そう思った時だった。
『あらあら? 声がしたと思ったら人の子じゃないの? こんな所で迷い子かしらぁん?』
目の前に、緑色の細くて長いアロエの葉のような髪をポニーテールにした、お肌ツヤッツヤのちょっとガタイのいい美女が俺の目の前に現れた。
『こ、こんにちは。ロカイさんですか?』
『そうよーーん。あらぁ?私を見てもあまり驚かないのねぇ。珍しいわーん。』
『あっはい。リスボンにあなたの事を少しだけ聞いていたので、不躾ながらお声がけさせてもらいました。こういう美しい方だとは思いもしませんでした。』
『いっや────ん。あなた嬉しい事言ってくれるじゃなぁーい?まぁいいわーん。あなた、私に何か聞きたいことがあるんでしょ。』
『はい。ポーションを作成してたら、ロカイを混ぜると火傷や痘痕に効果があるって俺のスキルに出てきて、ぜひその薬草を加えたいんですが、俺では見分けがつかなくて。できればお勧めの薬草を教えてもらえないかとお呼びしました。』
『あら、そうなの。あんまりそういうのは、私教えてあげないんだけど、リスボンの知り合いだっていうしぃ、まぁ、教えてあげてもいいわよ。』
『本当ですか?ありがとうございます。』
『とりあえず、私堅苦しいのは苦手なのよぉ〜。普通に話したらど〜おぉー?』
『じゃあ、お言葉に甘えて普通にするよ』
『そうね。こっちまで堅くなっちゃうわぁーん。ウフフ。さてと、人の子やエルフが好んで使うのは、この子達かしら?ロカイとロカイベラ。他にも使ってるけど大体育てやすくて
使いやすいのはこれらね。』
ロカイの方は1メートルくらいあって、葉を縁取るようにトゲが列になってついてる。
ロカイベラは背丈はロカイより少し低めだが、葉がものすごく肉厚。
『このロカイがきっとあなたの探す火傷や痘痕に効くって方じゃないかしら、こっちのロカイベラは食べたりお化粧品とかに使っているわねぇ。』
ロカイベラをサクッと切って断面を見せてくれた。
『この中身のプルプルの透明な所をみんな美味しいって食べてるわねぇ。』
『あのぉ、少し分けてもらってもいいかな?』
『いいわよ。そのかわり魔力注いであげてちょうだい。うちの子たちもリスボンの所とおんなじ仕組みよーん。』
『わかったよありがとう。ところでリスボンのじーさんと
どうして知り合いなんだ?』
『あぁ。リスボンとはね、どこだったかしらね。ずいぶん昔のことだけど、たまたま新しく宿れるようになったロカイに行ってみたら、となりにリスボンが生えていて、100年超えてそうだっから話しかけてみたら爺さんだったのよぉ。』
『そうなのか。精霊は宿木から離れないはずだから不思議に感じたんだ。』
『そうね。でも私の場合、基本的にどの子も寿命が長いからどこにでも行けるわよ。』
『寒いところもか?』
『そうねぇ。寒いところの外は難しいわね。でも耐寒性のある子もいるし、室内で育てられてる子もいるから、案外行けたりするのよね。』
『そうか。ロカイはすごいんだな。』
『ウフフ。それほどでもないわよーん。でも褒められて悪い気はしないわね。ありがとう。んふっ』
『そうだ。ロカイは甘いものとか好きか?』
『そうねぇ嫌いじゃないけど、好きってほどでもないわねぇ。たまに供えられてるけど……なんていうのかしらお砂糖の塊?ジャリジャリしててボソボソして、味もただ甘いだけというか。供えられるものは工夫が無いのよね。』
もしかして落雁みたいなやつかな。
砂糖は貴重だし最高のおもてなしなんだけどな。
『じゃあこんな物とかどうかな?』
コップをアイテムボックスから取り出して、まず手持ちのグラニュー糖をコップに入れる。
水魔法で少しお湯を出して、グラニュー糖を溶かしてシロップにする。
次に氷魔法を使って丸氷をポンっと入れ、炭酸水を注ぐ。
最後にリスボンの実をスパッと切って、軽く絞りかき混ぜて出来上がり。
『よし、できた。お供えです。召し上がれ』
『なに?なんか冷たそうな飲み物ね。』
『あぁ。よかったら試しに飲んでみてくれ。』
『なにこれ?!冷たくてシュワシュワしてて、しかもリスボンの汁?かしら?甘さの中に爽やかな香りと、さっぱりとした風味! 砂糖の甘みも調和がとれていて美味しいわ。こんな美味しいものがあるなんて!』
『気に入ってくれたかな?教えてもらったお礼だよ。』
『あんた、見かけによらず金持ちなの? だってお砂糖なんてあんた達には貴重で高いんでしょ?どう見てもあんた、金持ちには見えないけど。』
『おぉ、痛いとこつくなぁ。その通り。俺は金なんて持ってないよ。たまたま、砂糖になる野菜を見つけただけだよ。』
『そんな貴重な物を悪いわね』
『いや、沢山あるし気にしないでくれ。俺からのささやかなお礼なんだから。』
『あんた良いやつね。私のことを、ちゃんとレディーとして扱ってくれるし。』
『あははは。まぁ、声は低いけど、心は乙女なんだろ?』
『そうよ。まぁ精霊なんてものは、基本的に性別とかはあまり関係ないのよ。でもエルフや人の子は、そういうのなんだかこだわるのよねぇー。別に私は好きな格好をして好きにしてるだけなんだけど、頭の固いエルフや人の子っているのよねぇー。そういうのってナンセンスなのよぉ〜。』
『まぁ、色んな人や考え方があるからな。俺の住んでいたところは人気のある有名人とか結構いたぞ。』
『あら、あんた、この島の人の子じゃないの?』
『あ、あぁ。色々あって今はここで暮らしてるよ』
『そうなのね。とにかく美味しいものをありがとう。あんた、なかなか見所があるし気に入ったわ。これ、育ててみない? 私の産まれたロカイの一部よ。感覚共有ができるから、困ったことがあればこの子に話しかけて。相談にのってあげるわ。他の所から来たなら、わからないことや、苦労もあるでしょう?私は人やエルフとの関わりが結構あるから、他の精霊より人やエルフ贔屓で、生活に必要な事とかも昔から見て知ってるのよ。』
『それはありがたいな。頼もしい姉ちゃんができた感じだよ。』
『うふふ。この子はね、はっきり言って手のかからない子よ。水も寒い所なら三ヶ月に一回。なんなら半年くらいあげなくても、枯れることなく持ってくれるわよ。私のこの子は特別に水分を沢山蓄える子で、砂漠とかでもやっていけるし
温度も他の子と違って、雪が降ったりしなければ外でも育つの。雪の降る地域は室内で育てられているわ。』
『なんかすごく強そうなロカイだな。』
『そうね。繁殖力も強いし生命力も強いわ。でもこの子が特別なのは他にもあってね。ロカイとロカイベラの両方の効果効能を発揮するらしいわ。だから私のこの子は大事に育てられて、お供えまでしてもらえるようになったみたいよ。』
『それってめちゃくちゃ貴重なんじゃないのか?』
『そうねぇ。どうなのかしら?私からの贈り物だから、貴重かもしれないわねぇ。』
ロカイは自分の唇に指を当てて俺を見つめる。
『と・く・べ・つ よぉ〜ん。んふっ。もちろん、他の人には内緒よぉ〜。』
『わ、わかった。ありがとう。大事にするよ。あ、あとさ。その、よくお供えしてもらう時に、白いつぶつぶの粘り気のあるものとか無かったか?』
『お供えはされないけど、ある地域では主食で食べてるわよ。白いのだったり茶色いものだったり、赤いのもあるわね。』
『本当か?やった!俺の元いたところは、それが主食だったんだ。この島ではまだ見てないから無い物なのかと思ったけど他に行けばあるんだな?』
『なによ、そんなに鼻息荒くして。んふっ。よっぽど好きなのね。そうね。あるわよ、安心しなさい。でもこの島にはないから、島から出ないと食べられないんじゃないかしらん?この島では食べてるところは見かけないわよ。』
『そ、そうか。でもある事がわかっただけでも、ものすご────く嬉しいよ。サンキュー』
『うふふ。そうそう、この先をもう少し行くとねぇ〜ほんの一部だけど、ここより涼しくて、一時期だけ雨の多く降る地があるのよぉ。そこにはねぇ〜グリークナットって言う木の実がなってるわよ』
『グリークナット?』
『ええ、そうよ。それも自然に落ちないもので、魔力を注げば実を分けてくれるわ。よかったらついでに持って帰りなさいよ。』
『それにも精霊がいるのか?』
『さぁ、どうかしら?私は見かけた事はないわ。』
『そうか。ありがとう、とって帰るよ。』
『えぇ。気をつけていくのよぉぉぉぉぉ〜』
ロカイはスーッと消えていった。
いやーアロエまでもらえるとは思いもしなかったよ。
ここの精霊は良いやつなんだな。
感謝だよ。しかもグリークナット?
それも教えてもらったし、とり方まで丁寧に教えてくれて本当に助かるよ。
さてグリークナットをとったら帰るかな。
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