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168.シャツ納品

「あータクミさーん。俺久し振りにカリフワ食いたいっす!」


久し振りにみんなで宿でワイワイと賑やかに食べた夕食のこと。


「何わがまま言ってんだ。兄ちゃんに言いつけるぞ」


「えーノアさんだって食いたくないっすか?アイスとか」


「ん、んん……」


「確かに、タクミ君のご飯やスイーツは美味しいからね」


「そうですか?ここの宿のご飯も美味しいですよ」


「そうなんすけど、病みつきになるんすよ!しかもここの料理は他でも食えますけどタクミさんの料理は他では食えないんす!」


「まあ、確かに一理ありますね。材料もここでは手に入らないものばかり。厚かましいジョージですが的を得ていますね」


「厚かましいってアーロンさん厳しいなぁ」


「確かに俺も久々に食いてえなぁ」


「でも、ここで食べるのはあまりにも失礼ですし」


「そうだ!明日の朝役所の会議室で朝食食べない?ランチだと人もいるけど早朝ならさ、人いないよね?グリちゃんも一緒にさっ!宿だと一緒に食べられないじゃない?」


「ヘンリーさん、それ職権乱用じゃないんですか?」


「うーん、いいよ。場所の有効利用だよ、いいよね?アーロン!」


「アーロンさん!」


「アーロン」


「…アーロン」


「はあ、タクミ殿がよろしければ仕方がないですね。私もご相伴にあずかりたいですし」


「イェーイ!タクミさん!イイっすよね?」


「そんなにキラキラと純粋無垢な瞳で見つめられたら嫌と言えないじゃないですか」


「よーし!んじゃ明日はグリちゃんの水浴びをみんなで終わらせて役所でタクミ飯だ!」


「わーい!!」


「そうだアーロンさん、ご注文の品18着できましたよ。」


「えっ!もうですか?仕事が早いですねぇ」


「確かに彼女の仕事も早いですが、まだ他の注文が無いのでここまで早くできたと言うのが一番です。毎回こうではないと思いますよ」


「そうですか。では生地代780ペニー×18着とボタン代に手間賃はおいくらになりますか?」


「ボタン代はサービスで仕立て手間賃は6ペニー頂いて14046ペニーでどうですか?」


「うお!凄いペニー!」


「ええ、新しいシャツですよ。皆の分ありますからね。ヘンリー様にお礼を言って下さい。素晴らしいシャツなんですから。それとしっかり宣伝もして下さい」


「なんだ?また何かやるのか?」


「タクミ君がね今度はドレスとシャツを始めるんだよ。みんなもシーズンの時には必ず着てね」


「「「「はいっ」」」」


「ところでボタン代はよろしいのですか?」


「はい。かなり沢山お買い上げ頂いてますし、ぶっちゃけ値段決めてないんですよ。アーロンさんはどう思います?」


「そうですね。木のものであれば150個で1ペニーで細工がしてあるものですと30個ですとか手に入りやすい素材は安価ですが宝石が使われているものなどは1つで1ペニーや八個で10ペニーなどですね。そう考えますと単純に1つ1ペニーでよろしいかと思います。手に入れる事は不可能に近いですし、それにこの強度と輝きは宝石並みの美しさと硬さですから問題ないかと思いますし、そのうち希少価値も上がるでしょうムフフフフ」


「わかりました。ではそうする事にします。あとシャツのお手入れは生活魔法のクリーンで大丈夫です。基本は汚れとかもそんなにつかないと思いますけど匂いとかそういうのはわからないので。それに目に見えない汚れとかはやっぱりつくと思うので着たらクリーン魔法かけて下さいね」


「「「「「はーい」」」」」


こうして支払いをしてもらった。


チロリーーーーーーーーーン


「さあ、どうぞ皆さん。手にとって確かめてみて下さい」


「ほう、絹か。だが、いつもの絹より光沢があるな」


「ノアさん、これ、めっちゃ伸びるっす!あははしかもちゃんと元の形に戻るっすよ!うはは」


「おい、お前さっきのペニー聞いてなかったのかよ。もっと丁寧に扱えよ」


「はっ!そうだった!これ780ペニーはするんだった!」


「たぶんよっぽど大丈夫ですよ。ムフフフフ」


「そうだねぇちなみに普段使いでもいいと思うよ」


「えっ!でも俺ら訓練もあるし破れたりしたら怖いっす!」


「そうですよヘンリー様。これだけの絹を汚したり破ったりしたら…」


「タクミ、これってもしかしてバイオレットの仕立てたシャツか?」


「はい。そうです」


「マジか?!て事はこれがあの幻の?!」


「はい。火魔法、水魔法両方試しましたけど何ともありませんでした。あと、試してないんですが、たぶん風魔法とかも平気だと思います。ただ衝撃はくらうと思うので切れないけど痛かったり飛ばされたりはするかと。水魔法も同じ事が言えますけどとりあえず破れる事は無いですね」


「お前、こんな貴重な物によくそんな事できたな。それに驚きだわ」


「えへっ」


「じゃあこれは普段から着るわ」


「え?全然話が見えないっす!」


「俺も〜」


「これは幻の生地でできたシャツです」


「え?マジっすか?」


「ちょっ!え?どうやって?まさかタクミ!お前そんなスキル持ってんのか?は?いや、マーニン島では服作れなかったし…あれ?」


「ノアさん俺じゃなくて新たな織物と裁縫が得意な良い職人をみつけたんですよ」


「なーんだ。そういう事か。信用できる相手か?お前は人が良いからすぐ騙されそうだ」


「大丈夫ですよ。とっても信頼できる相手ですよ」


「へぇ、よかったな良いテイラーがみつかって」


「あれ?でもドレスもやるんすよね?ドレスメイカーも見つけたんすか?」


「?」


「え?テイラーは紳士服でドレスメイカーは婦人服じゃないっすか。俺変な事言ってます?」


「いやいや、どちらかというとドレスメイカーがテイラーのシャツも作るというオマケな感じですね」


「へぇーなんか新たな感じがしてタクミらしい発想だな」


「いや、ただあまりにも高いので売れるかどうかが心配ですけどね」


「大丈夫だと思うよ。今のご時世ならね」


「どういう事ですか?」


「出世をするには洗練された装いをして目立たなければならないという風潮がありまして、特に新しく爵をもらったものや女王様の目にとまりたいものはもう、凄いですよ」


アーロンさんが頭抱えてる。


「ああ、言えてる!でも悪目立ちが多いっす!あはは」


「確かにな、そういう貴族もいるな。まぁそうなれば今はうってつけの時期ってやつだな」


「頑張れよ〜タクミ!」


読んで頂きありがとうございます。

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