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144.ぼったくり回避

一通り騒いで、反物やら糸を見せてもらって俺達は蜘蛛の洞窟を出てきた。まさか女王が従魔になるとはな。ていうか、なんか登録しなきゃいけないんだよな。一度は登録で付いてきてもらうように話をしといたけど、今回の登録もアーロンさんにお願いしよう。けっこう厄介だからな。とりあえず、今日、この土地を離れる予定だったから宿の予約取ってないんだよな。


「どうしようかな。グリ、今日は宿取ってないからマーニン島に転移してあっちで今日は寝ようか?」


「うむ、それが良いだろう。あそこは湿気が多くて羽が重い。すぐに水浴びがしたい。」


「俺もなんか、体がジメッとしてるから、しっかり風呂入りたいんだよな。」


「では、マーニン島へ行くか。」


「そうしよう。んじゃ」


『転移、マーニン島』


こうして俺たちは久しぶりにマーニン島の噴水でグリは風呂に入りもちろん魔石つけてジャブジャブ水を流して、俺は俺で家の中で魔石をつけて綺麗に体を洗って浴槽に浸かりしっかりと体の汚れと疲れを洗い流した。そして、この家には布団も何も布類はないのでアイテムボックスからタオルやら服やら取り出し、グリが戻って来る前に布団を敷いて今日は三人で雑魚寝だ。旅に出てからほとんどグリとは寝食を別にしていたからちょっと嬉しい。やっぱり一緒に食う飯は美味いしあいつのモフモフした毛に包まれて寝るのも心地が良いんだ。まあ、寝相が悪くてよく蹴られては布団から追い出されるけどな。たまに白目剥いて寝てたりあいつの寝顔はけっこう面白い。だらしなく舌をだら〜と垂らして寝ていた時は正直、どこか悪いのかとびっくりしたが、単にリラックスのし過ぎなだけだった。緊張感なしだよ。たまに寝言を言ってるしとても王様の威厳をあの姿を見たら感じなくなるよな。


「フゥー気持ちよかったぞ。久し振りに伸び伸びと入れたわい。」


「はい、飲み物置いとくな。ポヨも飲めよー。」


ポヨーンポヨーン チュル、チュルチュル


ポヨはまた器用に体の一部を伸ばしてストローみたいにして飲み物飲んでるし。いつからあんなに器用になったんだろう?でもなんだろうか?この光景。和むわぁ〜。俺疲れてるのかな?マーガレットさんの報告を見て今日はさっさと寝よう。


ーーーーーーーーーー 報告 ーーーーーーーーーー


本日の売り上げは5876ペニーです。

タペストリーについての鑑定報告。

とても良い品で800ペニー程度の価値です。

タペストリーも同封いたします。

マーガレット

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うわ!やっぱり、何が1500ペニーだ!あの野郎。マジで物凄くぼったくられる所だったぜ。全く!まあ、でもアーロンさんのおかげで激安で手に入れられたのはこれ、確実に口止め料が含まれてるよな。本当に高い買い物は気をつけないとな。危ない危ない。」


よし、返信しておこう。ありがとうございました。今後とも宜しくお願いしますっと。よし、送っとこ。それにしても転送装置、マジ便利。あっ!あと、テントの報告と今後、反物も取り扱って防具の販売もする事を伝えとかなきゃな。順調順調。よーし!サンプルとしてもらった布も入れてっと、転送!よし、寝るか。明日からまた、移動だな。教会の見学は魔魚をもらう時にでもちらっと寄ってみるか。あんまり宗教には興味ないんだよな。俺。あっ、でも俺がお世話になった神様を祀ってるなら日頃の感謝をするのも良いな。やっぱり寄ろう。う、まぶたがお、重い・・・。


ーーーー翌朝


「うおーーー!!!つめてぇ!!!なんか、マーニン島寒くないか?」


「ここのこの季節はこれくらいだ。お前はこのくらいで気合いだ!それ!」


「うわっ!やめろ!冷たい!!!」


こうしてグリに散々水をかけられたので体を温める為に俺は一人風呂に入った。


「めーしめーしめーし!!!」


「わかったわかった!ほれ、今日はトラウトの塩焼きと米と味噌汁に目玉焼き、んでサラダな。」


「ん〜良い香りだ。頂くとするか。」


「はぁー。味噌汁はあったまるなぁ。今日は移動しようと思うからグリは頑張ってくれよ。」


「うむ。だが、テントとやらの布はもうアラクネーの布で作るのであろ?ならばダンジョンに行かずとも良いのではないか?」


「そうなんだよなあ〜。特に目的もなくなっちゃったんだよ。あえて危険な目にあいにいくのもアホらしいしな。」


「まあ、我は行きたいがな。たまにはしっかりと運動をせねば太る。」


「たしかに、それは言えてるな。」


「お前の攻撃魔法のスキル磨きに良い機会なのではないか?ダンジョンは珍しいお宝もあるしな。」


「お宝?例えばどんなものだ?」


「場所により様々だ。面白いものもあったなぁ。吸血玉とかな。」


「何だよそれ?」


「対象物にぶつけると血を全部吸い出すやつだ。」


「うおっ!何気に怖いなそれ。」


「ああっ。血を全部吸ったら玉は赤くなり絞ると血が出る。魔物で血を好物にする奴らもおるからな。そいつら用の餌袋になるぞ。」


「なんだか、微妙なグッズだな。」


「アラクネーの糸もあったなぁ。」


「へぇー色々なんだな。」


「ご馳走さま。俺、コーヒー飲むけど飲むか?」


「我はたまにはローズヒップを飲むかな。」


「わかった。」


「さてと、今日はウスターからバースまで飛んでもらう事になるなぁ。何だかんだでめっちゃ早く着くな。」


「そうだな。ヘンリー達は今どの辺りだ?」


「えっと、今頃はノッティンガムっていう領地に到着してるか、仕事してるかくらいだと思うよ。」


「そうか。」


「ダンジョンに行かなくてもいいなら、バースまで行った後に宿に泊まって、グリが嫌じゃないなら、俺たちが通ってきた道で一番ノッティンガムに近い場所まで転移で戻って、そこからグリにノッティンガムまで飛んでもらって迎えにいくっていうのも、ありだよなぁ。アーロンさんにお願いしたい事ができちゃったし。」


「あれか?アラクネーの従魔申請か。」


「そうそう。早い方が何かと良いかなって思ってな。」


「そうだな。我は別に構わぬぞ。アーロンにそこで話をして、また別行動でも良いしな。」


「どういう事だ?」


「あやつ、やたらとダンジョンをアピールしておったからな。きっとダンジョンに入って欲しいのではないか?」


「え?なんで?」


「お前がダンジョンから出てきたら当然色々売るであろうに。そしたらほれ、税というやつが儲かるのではないか?」


「なるほど。そうだなぁ。一度方針も決めたいし、相談がてらバースの後に行ってみるか?」


「うむ、よかろう。そうとなったら早速バースへ参るか。」


「おう!頼んだぞ。」


俺達はこうしてウスターから途中休憩を挟みながら街に立ち寄ったりしてバースへと向かった。


一方その頃ヘンリー一行は・・・


「ようやく着いたね、ノッティンガム。」


「左様でございますね。お疲れ様でございます。これからまた、さらに7日間の滞在です。」


「フゥー、いくら早い船旅とはいえ、地に足がつかないと、やはり疲れますわね。ヘンリー様?体調はよろしいですか?」


「メアリーこそ大丈夫かい?」


「ええ、私は丈夫だけが取り柄でございますわ。」


「そうか。いつも君に心配をかけてすまないねえ。だが、これまでの私と違って顔色が良いだろ?」


「はい。随分と体が強くなり安心ですが、油断は大敵でございますわ。ヘンリー様には私がお婆ちゃまになるまで長生きして頂かなければ。」


「きっと、その頃には立派に成長した子供達や可愛い孫に囲まれて私の隣で今のように君は微笑んでくれているんだろうね。」


「そうですわ。」


「じゃあ、今夜が楽しみだね。メアリー。」


「まあ!ヘンリー様ったら。もう、皆の前で恥ずかしいですわ。」


「では、二人なら良いのだね?」


「もう!知りませんわ。」


「うん、怒った顔も可愛いよ。私の愛しのハニー。」


「では、城へと参りましょう。迎えの馬車はあちらのようです。」


「ありがとうアーロン。」


「さ、気を引き締めて参りますよ。皆さん。」


「おう!」


「あら?何かありますの?」


「ああ、皆んな格好つけたがりだからね。威厳たっぷりで代官殿にお会いしたいのさ。」


「んまあ。」


誤字報告ありがとうございます。

感謝です。

読んで頂きありがとうございます。

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