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128.一時帰還

「おはようございます〜。」


「まあ!タクミ様!どうなさったのですか?」


「皆さん、お仕事中すみません、料理長いますか?」


「タクミ様!これはどうされました?」


「料理長!よかった!ザマゼットに一緒に行かれたかと思いました!」


「いえ、ザマゼットには私も行きますが旦那様や奥様とはご同行できませんので別で向かうところです。」


「おお!あぶねっ!他の皆さんは?」


「こちらに残る者もおりますし、移動してあちらでもお世話をさせて頂く者もおります。」


「そうでしたか!お忙しい中申し訳ないんですが、ちょっとこれ、味見してもらえませんか?あの、皆さんもぜひご協力お願いします!」


「おや?新作ですか?これは楽しみだ!みんな、少し休憩にしよう!」


料理長の一声で忙しく働いていた厨房のスタッフや掃除をしていた女性達が手を止めて厨房の中の机の周りに集まった。


「皆さん、お忙しいところ申し訳ないですが、ぜひ率直な感想をお願いします。」


俺はみんなにハートリーフ茶を二種類渡して行きそれぞれ飲んでもらった。


「何これ?!見た目は凄い色してるけど甘くて美味しい!」


「こっちのは苦味があるけど後味がスッキリするわね!」


「どっちも好きだわ」


「うーん、ちょっと俺には甘すぎるな。」


「こっちのは苦味もあって俺でもいけるな。」


「タクミ様、これは?」


「はい、新商品に考えていて、エルフ族の人々が体から毒素というか、いらない物を出したい時に飲むお茶なんですけど、少しアレンジして飲みやすくしました。美容効果もあるそうで、ぜひメアリーさんに飲んでもらいたいと思って考えたお茶なんです。」


「なるほど、奥様に。という事はレディーキラーにも効果がある可能性がという事ですかな?」


「はい、あくまで可能性があるかもという程度ですし、これを飲んだら治るという物でもないですが、日々の生活で知らず知らずの内に摂取してしまっている毒物を食事などで改善できたらと考えたんですが、やはり、薬草などを使った料理は知識もかなり必要ですし、誰でも簡単に作れる物ではないので唯一簡単にできるハートリーフ茶を飲みやすくアレンジしました。」


「なるほど、たしかにあれならば比較的手に入りやすいですが、独特の臭みや苦味がありますが?」


「ええ、なので、ご家庭でも簡単に飲めるようにさらに工夫をするつもりですが味がまず決まらなければ、次の段階に進めないので皆さんのご意見を伺いたいと思ったんです。皆さんなら普段から料理長の美味しい料理を召し上がっているので舌も肥えていますからねっ。」


「いやいや、お恥ずかしい。私たちは皆様にお出しした残りをアレンジしてまかないとして食べているだけですよ。」


「でも、リッチモンドでは一番良い食材を使った最高級まかない飯ですよ。」


「これは参りましたな。ははは。」


「個人的なごく、私的な感想しか出せなくても良いのであればですが、とても美味しいし、クセになる苦味があって私は好きですわ。」


「私はこちらの甘い方が好きです!」


どうやら大人の女性や男性は苦味ありの方が多いが甘いものが好きな若い子達は圧倒的に苦味なしだ。でもみんな、どちらも美味しいし、もし、片方しかなかったとしても、ペニーを払っても飲みたいと言ってくれた。しかも、美容効果があるなら尚更ですと、女性達は目を輝かせながら笑顔で答えてくれた。よしよし、これならいけるかもしれない。あとは異世界商会の従業員に試飲してもらってマーガレットさんの意見を聞いて味が決まったらあれだな。フフフフフ。


「皆さん、お忙しい中、手を止めさせてしまってすみませんでした!ご協力感謝します!」


「いえ、こういう協力でしたらいつでも喜んでお受けいたしますので、どうぞご遠慮なく。」


「ありがとうございます!では、俺は店の方にも行ってみますので、これで失礼します。」


「はい、素敵なお茶をありがとうございました。次にお会いするのはザマゼットですね。タクミ様、道中お気をつけて。」


「ありがとうございます。皆さんも、くれぐれも魔物に気をつけて下さいね。」


「はい。ありがとうございます。」


こうしてリッチモンドのお城の皆さんと別れて次に向かったのは俺の店である異世界商店。もうそろそろ昼休憩のシフトが始まる時刻だ。


トントントン


「はーい。あら?主人じゃないですか?!」


「ただいま戻りました。マーガレットさん。」


「おかえりなさい!よかったですわ!ちょうどデザイン画が今朝できて持ってきてくださったんですのよ!」


「そろそろ、そんな時期ですもんね。あと、新商品について提案したくて戻ってきたんです。」


「あらあら、とにかく中へどうぞ。」


「営業中にすみませんね。」


「とんでもない、ここは主人の店なのですから堂々となさって頂いてかまいませんわ。オホホホホ。」


「では、さっそくデザイン画を見せてもらいましょうか。」


俺はざっと確認し、俺のイメージよりさらに良くなった図面を見て安心した。


「マーガレットさん!めちゃくちゃ良いじゃないですか?!」


「そうですよね!私もそう思いますわ!」


「ただ、少し手直しをして欲しいところがありまして、今ある家具を変更して新しい物を入れたいのと、ここをこうして・・・」


「主人、それだと厨房から品を出したり片付けたりするのが、大変ですが何か新たにお考えがあるのですか?」


「流石に鋭いですね。マーガレットさん。実は・・・」


「えっ!転移テーブルですって?!それにワゴンまで?!そんな便利なものがあるんですの?」


「はい、というか、あるお宿にありまして、ぜひ技術協力をと要請したんですが断られまして、作れる物なら作ってみろ、作れたら商品にしようが何にしようがこちらは文句は言わないぞ誓約書も頂いてまして、結果できちゃったんです。しかもそのお宿の物よりもかなり性能が良いものができちゃいました。」


「あははは、あなたという人は・・・そのお宿の方、おバカさんですね。私ならそんな美味しい話絶対逃しませんのに。」


「きっとプライドを傷つけてしまったんだと思います。俺。」


「あらら。でも、グリちゃんのおかげで一筆書いて頂けたわけですし、今回は良しと致しましょう。ウフフ」


「はい、グリには世話になりっぱなしですよ。それで俺が作ったもので机も用意したんですけど、今ある机と交換してもいいですか?」


「ええ、かまいませんよ。少々、中の物を入れ替えたりとお時間を頂く事になるかもしれませんが、よろしいでしょうか?」


「はい、使い方とかも教えたいのでお願いできます?」


「はい、では中身を出しますね。しばしお待ちを。」


◇ ◇ ◇ ◇


「主人、準備整いました。」


「では、こちらの机は次の店舗で使えるようにマジックボックスにしまっておきましょう。よっこいせっ!と。そして、今度はこちらを出してっと、よっ!」


「あら、素敵なお色ですわね。」


「はい、少し重いのが難点ですが。で、こちらの引き出しなんですが、ここが転移用の引き出しになっていまして、ここの中に送りたい物を入れて魔力を少し流せば中の物が送られる仕組みです。一度やってみましょう。」


「ウフフ。なんだかワクワクしますわ。」


「そうですね。では、マーガレットさん。お願いします。」


「はい、まず、送りたい物をここに入れて、そうねぇ、羊皮紙を4枚ほど入れましょうか。そして引き出しを閉じて魔力を少し流す。主人、流しましたわ。」


「では、引き出しを開けて確認してみましょう。」


「はい!あら!無くなってるわ!すごい!」


目をクリクリさせながら喜ぶマーガレットさん。問題はちゃんと実験した通りに俺が持つ小箱の中に入っているかだ。俺はアイテムボックスを開いて小箱を取りマーガレットさんに見えるように小箱を開けた。


「やったわ!主人!入ってますわよ!私の送った羊皮紙4枚ですわ!」


「ああ、やったね!成功だよ!一応、マーニン島とバーズレムでできるか試したんだけど成功していたからこことバーズレムでもいけるはずだよ。ザマゼットに到着したらもう一度実験してみても良いかい?」


「もちろんですわ!是非やりましょう!ところで主人、これは生き物はどうなるのでしょうか?」


「俺もそれは思ったんだけど怖くて試してないよ。」


「そうですわよね。未知の領域ですわ。」


「そうなんだよね。食べ物とかは味とか見た目とか特に変化はないけど、生きてる物を送って粉々になったら?とか息できなくなったら?とか怖いこと考えちゃうんだよねぇー。」


「怖いですわね。主人、辞めましょう。」


「俺もそれが良いと思う。あははは。」


でも、なんか、引っかかるな?なんか、この原理で似たような所があったような・・・うーん、なんだっけなぁ〜。


「主人、どうしました?」


「いや、何でもないよ、それで、これからのやり取りはこの転移引き出しも活用して欲しいんだ。試験的に、どの程度使える物なのか試したいのとこういった図面やら何やら送りたい時に使えると思うんだよね。」


「そうですわね。羽ペンだけでも今のところは問題ないですが、主人がダンジョンに入ると難しい気がしますのでダンジョンに入る前に教えて頂きダンジョンでは転移引き出しを活用致しましょう。」


「うん!助かります!えーっと、じゃあデザイナーさんの方にはこの変更を伝えてもらってそこの修正くらいかな。あとはここにも転移ボックスをつけて、羽ペンを置いておいてサロンのお客様に出すお茶なども羽ペンで注文して流してもらうっていうのが良いよなぁ。」


「問題は文字数制限ですわね。」


「そうなんだよなぁ〜。」


「主人、一度、物は試しに羽ペンを作ってみてはいかがでしょう?もしかすると売っているものより良いものが出来上がるかもしれませんわ。」


「いやぁ。どうかなぁ。それに、それやるとまずいでしょ、色々と。」


「いえ、カキ鳥の羽を使わずに例えばグリちゃんの羽根を使ってみたり、全く別の物をお使いになり作れば新しいマジックアイテムとなりますから問題はクリアーできます。」


「そうか、羽にこだわらなければ良いわけなんだな。うーん。じゃあ簡単に書いたり消したりできるあれをリンクしたら良いんじゃないか?」


「あれ、ですか?」


「そうそう、あれならマジックアイテムにしたら魔石だってたぶんいらないだろうし・・・ブツブツブツ」


『あらあら、また主人が新しい物を考え始めてしまったわ。ウフフ』


「ハッ!すみません。ちょっと閃いたものがあるので、もし思いついた物が作れれば羽ペンの代わりに、それを使ってサロンと厨房や食堂とのやりとりをしましょう。」


「クスクス、はい。かしこまりました。では、新しい発明品は次回という事に致しましょう。」


「はい。あと、家具については子供達も使うテーブルはパイン材を使用して・・・あれやこれやウンタラカンタラ」


「主人、よくもまあお子様もいないのに、そこまで思いつかれましたわねぇ。全く目からウロコですわ。木材の種類まで変えてデザイン性ではなく安全性まで、目を向けられるとは思いませんでしたわ。」


「いえ、せっかく色々と使える物が近くにあるならつかっちゃえ!と、その程度ですよ。それから一つ思ったのですが、皆さんの髪型って編み込んでいる方もいれば、くるくると巻いている女性もいらっしゃいますけど、どうやって髪の毛は巻いているんですか?」


「あら?今度は髪型ですか?そうですわね、髪を巻くのは焼きごてを使いますのよ。金属の棒を焼いて髪の毛にクセをつけていくのですわ。」


「なるほど、それって準備とか大変ですよね、きっと?」


「そうですわね、家の者が用意してくれますので考えた事がありませんでしたけど、たしかにそうですわね。それにあれは髪が傷みやすいのでウィッグを使う方が多いですわ。あと、巻き髪は裕福な家の女性に多く庶民は大抵編み込みが一般的ですわね。」


「なるほど、あと、髪の毛を洗った後はどうしていますか?」


「そうですね、一般的にはまず、そんなに洗いませんから、洗った後はタオルで拭くくらいでしょうか?」


そうだった!綺麗好きで10日に一回とかのレベルだった!うちの従業員とかには病気の予防になるからって事で体を拭いたりしてもらってるけど、風呂に入るという概念が欠落してるんだった。


「今後の展開としてですが、せっかくお客様にメイクをするブースやエステを提供するのであれば、ヘアーも出来たら良いんじゃないかと思ってるんですけど、どうでしょう?」


「それは良いお考えですね。」


「編み込みなども良いと思いますが、巻き髪やサラサラのストレートヘアーなどを作る為の新たなアイテムを用意しますので、それを使って是非ヘアーメイクをして頂けるとさらに良いのかなって思ったんですがいかがですか?」


「巻き髪やサラサラのストレート?」


「はい、焼きごてのように熱した棒を使うんですが魔石を使ったアイテムにしてしまえば、準備もそこまで手間がかからないですし、あと髪の毛を傷めずにお手入れができると思うんです。それから髪の毛を乾かしたり、ふんわりさせる為のアイテムがあったらどうかな?って。」


「主人!それはとても良いお考えですわ!是非作ってくださいませ!もし、それがあれば侍女達が火傷を負うこともありませんし、素敵ですわ。」


「あっ、でも、熱い物なので使い方を誤れば、もちろん火傷はしてしまいますよ。」


「いえ、火傷の多くは準備の時に起こるのですわ。焼きごてを何本も使いますから、やはり重いですし、暖炉がある部屋かもしくは厨房から運び入れたりするのですが、その際にちょっとした火傷をよくしてしまうのです。」


「それはいけませんね。じゃあ、そういう商品も作ってみましょう。それから、今日伺った本命は新しい商品の試飲をお願いしたくて、この時間に来たんです。」


俺はアイテムボックスからハートリーフラテを取り出しマーガレットさんに渡した。


「これは?」


「ハートリーフ茶を飲みやすくアレンジを加えたものです。」


「ハートリーフ茶ですか?それにしては無臭ですわね。それでは頂きますわ。」


ゴクッ


「まあ!!!見た目からは想像もつかない甘くて美味しいお茶ですわ!しかもこちらはミルクを使われているのかしら?まるで飲むスイーツですわ!」


「それじゃ、商品にできそうかな?」


「はい、こちらでしたら問題なく!」


「じゃあ、他の従業員にも飲んでもらって感想を聞いておいて下さい。それから、俺が個人的に育てていた野菜が良い飼料になるかもしれなくて・・・」


俺はマーガレットさんにエルフのクリスさんから飼料についての報告がマーガレットさんに届く事やエルフのお宿での営業を報告して手紙が届くのでその窓口となるようにお願いをした。


「主人、お疲れ様でございます。素晴らしい成果ですね。カムリ公国の食文化というのは、あまりこちらでは出回っておりませんし、その逆も然りでグランド王国の食も先方にはあまり受け入れてもらえない事が多いのです。あちらは時代と共に羊肉は食されますが、やはり基本は自然由来の肉や魚を好まぬ種族。そこに食で食い込めるというのは未開拓の部分でもありますので、さらなる富を築けるかもしれませんわ。」


「そうなんですか?俺は単純に良くしていただいたので、そのお返しでお互い向上できたらって思ったのと、純粋にもったいないなぁ〜って感じただけなんですよ。」


「勿体ない?でございますか?」


「ええ、あと、一味ついたらもっと美味しくなるよな、一味足した物を食べてみたいな。ただ、それだけだったんですよ。」


「クスクス。食いしん坊万歳ですね。」


「あははは、お恥ずかしい。」


「いえ、とても素晴らしい事ですわ。商売というのは、そういうあと少し、これがあったら、こうなったら便利、そういう何気無い思い付きを形にする事がとても重要なのですわ。普通ならば、これがあったら良いのにと思いつかずに、それが普通で当たり前と感じて、その先を考える事も思いつく事も無いのです。一部の人がそう感じてもそれを形にする事はさらに難しい事なのです。それを主人は事も無げにやってのけ形にする才能と類まれな能力をお持ちです。それってとっても貴重で素晴らしい事なんですわよ。」


「いや、そんな大層な者では無いですよ。」


だって、日本では当たり前にあったものだからな。俺の発明ではなく21世紀の日本が凄いのです。俺はあの生活水準を近づけたいと思っているだけなんだからな。


「それに主人の発想は、人を幸福にするものばかりですわ。」


「幸福?ですか?」


「ええ、人を傷つける物では無く、人々の生活を便利に過ごしやすくする物ばかりですもの。特にあまり気にされていなかった庶民の女性への気配りは、一女性の私からしても驚くばかりです。主人は私にとっての誇りですわ。」


「そ、そんな、あんまり褒めないで下さいよぉ〜。」


「いいえ、私は自分で言うのもなんですが、とても恵まれた環境で育ったので手足が不自由でも生活できましたが、もし、私が庶民であったならば、今でも生きていられるのかわかりませんわ。作物のあまり取れない地域では口減らしは当たり前です。それが今こうして元気にお仕事ができるのも主人のお陰ですし、今後、体が不自由になり口減らしにされる人々が主人のポーションによって少しでも救われるかと思うと私はとても嬉しいのですわ。それに・・・」


顔を赤らめて恥ずかしそうにするマーガレットさん。どうした?


「あ、あの、私、いつになるかはわかりませんが、もしかすると・・・その、婚姻を・・・」


「え?!マーガレットさん!お相手はジャックさんですか?!」


「あ、主人、何故それを?!」


この人、隠してたつもりなのね。ムフフフフ


「いえ、何となく」


「主人に隠し事はできませんわね。ウフフ。でも口約束ですし、正式に申し込まれたわけでは無いのですが、一応そういう状況で今後、環境が少し変わるかもと言うご報告ですわ。もちろんお仕事に支障の・・・」


「マーガレットさん!おめでとう!!」


「え?!」


「これはおめでとうですよ!仕事はマーガレットさんはきちんとして下さる方ですから何も心配はありません!でもそうなると、結婚、出産、育児とありますから、マーガレットさんの両腕となる方を育成してマーガレットさんが休みを取りやすくしましょう!」


「え?!それは!」


「だって、いくら才能豊かなマーガレットさんだって、婚姻の準備や婚姻後は相手のお家との兼ね合いもありますし、妊娠中につわりもありますから、それに、出産だって、命がけですよ!それから子育て!俺としては家庭を優先しながら仕事をしてもらいたいし、もちろん子育てしながらも仕事をしてほしいですから、まだ先の事かもしれませんが、そういう未来を視野に入れて人材を募集して下さい。あっ!でも、辞めたくなったら言ってくださいね。だって子育てってすっごい大変ですから。」


「もう、主人ったら。まだ、婚姻も決まってないのですから、それに私、何度も申し上げますが、辞めませんわよ!」


「はい、もし、マーガレットさんが辞めたら異世界商会は潰れてしまいますよ。だからマーガレットさんには、その綺麗な髪が真っ白になって美しい白髪のご婦人になられてもお仕事は続けて頂くつもりですよ。お孫さんへのプレゼントをあげる為のお小遣いを稼ぎに来てもらわなければいけませんから。ね?」


「本当に主人ったら気の早い、うちのばあやもそこまでは言いませんわよ。クスクス。」


「すみません、つい嬉しくて。」


「いえ、それに貴族の妻は基本的には夫の領地経営に連れ添って家内を取り仕切る役目がありますが、ジャック様はお家を継がれませんので領地も無く貴族出身でも爵を持っておりませんので裕福な庶民ですから、家の事は私が居らずとも問題ないのですわ。子育てと言ってもナニー《乳母》を雇うと思いますし御心配なく。私もそうして育ちましたしね。」


そっか。貴族や富裕層は子育ては専門の人を雇うんだったな。やっぱりそこは俺みたいな庶民とは違うなぁ。でもそれだと家族旅行とかなかなかできないよなぁ。そもそも旅行や休みの概念が貴族くらいしかないのかもしれないな。いつか社員旅行みたいな物も企画しても良いかもな。


「とりあえず、マーガレットさん一人に全て任せてしまうのは今後の事業拡大後に負担がかなり増えますから仕事の分担も大切ですので人材の募集と育成、よろしくお願いしますね。」


「はい。かしこまりました。」


新しいサービスの事なども一通り話を終えて俺は店を出て今度は冒険者ギルドへと向かった。

読んで頂きありがとうございます。

改行が多すぎる、句読点の使い方がなっていなくて酷すぎるとの感想を頂きました。

改行が多いと以前多く寄せられた為、改行をなくし詰めて書きましたら読みにくいとのご意見で(私も思いましたが。)書き方を思考錯誤していましたが、かなり手間となり更新に支障をきたす為、今の書き方で固定致します。読みにくいとは存じますが、初投稿作品の初心者が書いている者だと、温かい目で見守って頂ければと思います。特に句読点の使い方などもわかっていないとの事ですが、そうかもしれませんが、このまま続行して更新をしていくつもりです。学がなく申し訳ございません。今後ともご愛読よろしくお願い致します。

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