あたしの過去
ここは・・・・どこ?
あたしはいつの間にか豪華な部屋の中の天蓋つきベッドで寝ていた。
あ、家に帰ったんだ。
起き上がってドレスを着て、大広間へ向かう。
周りの召使たちはみんなあたしから顔をそむけて喋る。
「****さまと目を合わせるな・・・」
「心を読まれてしまう・・・・・・」
「まあ、恐ろしい。」
「呪われた・・・・・」
「可哀相なお嬢様・・・・・」
聞きたくない。
こんなこと聞きたくない。
耳を押さえて回廊を駆け抜ける。
すると執事がすっと寄ってきて囁いた。
「公爵がお呼びです。」
父上には会いたくない。
「い・・・・・や」
「お部屋でお待ちです。」
淡々と話すと私の前に立って歩き始める。
逆らうわけにはいかない。
父上は怖い。
「参りました、父上。」
「ああ、****。
今度******公爵と晩餐会をすることになってね。
お前にも参加してもらおうと思ったのだ。」
父上も私の目を見ない。
そして残酷な一言。
「しっかりと目を合わせてお話しするのだぞ。」
あたしはどうせ父上の政治の便利な道具。
そしてそれ以外は呪われたお嬢様。
たくさんの声があたしに襲い掛かる。
「目を合わせるな」
「心を読まれないように」
「恐ろしい子」
「呪われたお嬢様」
「化け物」
「魔女だ」
「ああ、なんてことだ」
「生まれて来なければよかったのに。」
****************
「いやぁ!!!!!!!!!!!!!!」
自分の叫び声で目が覚めた。
夢、か。
あれは何なのだろう。
見たこともない光景だったのに、あたしはあの城もあの人たちもはっきり覚えてる。
ほら、実際あの家が「城」だってことも。
あたしはどうしてアリスになりたいと思ったんだろう。
どうしてこんな夢見たんだろう。
涙を拭って眠りにつく前に一瞬目に浮かんだのは
あの儚げな一人の少女だった。
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